前回では、2007年の第一次安倍内閣の際の首相発言が、友好諸国と欧州議会における日本への「性奴隷問題での提言決議」に至り、重い内容の欧州議会の決議を詳しく解説した2008年の論考を再録しておきました。
そこでは、「慰安婦」問題だけでなく、20世紀のアジアでの戦争における日本の外国人強制労働への、きっちりとした責任を全うしない日本政府の不作為状態が続けば、次には国連での勧告決議になることを指摘しておきました。これは当時の安倍晋三首相が、日本国家へもたらしたまごうことなき「負の功績」でした。これほど日本社会の名誉を傷つけた戦後の首相はありません。大きな日本の恥です。
ところが、第二次安倍政権では、それを上塗りする安倍首相の「侵略の定義は決まっていない」との歴史修正主義者の典型的な暴言が口から滑り、また世界中が警戒心を高めていた時に飛び出したのが、それも是とする橋下徹大阪市長の、今回の一連の「慰安婦」問題での発言です。 これにより、当時のわたしの「次は国連での勧告となる」との警告が、不可避的に現実のものとなってしまいました。
5月21日からジュネーブ の国連拷問委員会の対日審査で、31日委員会はついに日本政府に対して、「慰安婦」問題での中傷阻止勧告を正式に出しました。国連機関での明確な勧告です。日本政府と戦後日本社会の人道と歴史認識に対する「有罪判決への勧告」とみなすことができます。日本政府と国会がさらに不作為を続けるなら、国連機関によるさらなる勧告や決議が視野に入ってきます。
これは、橋下徹大阪市長の日本社会全体に対する、まごうことなき「負の功績」です。本人にはその自覚は欠落していますが、この結果は、単に大阪市長を辞任するぐらいではとうてい償えない損失なのです。
共同通信の第一報を以下全文記録させていただきます。
6月2日に共同通信も少し詳しい記事に差し替えていますのでそれをお借りして差し替えます。
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→慰安婦中傷の阻止勧告 「法的な責任を認め、関係者を処罰する」よう 国連委、日本政府に
【パリ共同】国連の人権条約に基づく拷問禁止委員会(ジュネーブ)は31日、対日審査に関する勧告を発表し、従軍慰安婦は必要だったとの日本維新の 会共同代表、橋下徹大阪市長の発言を念頭に「政府や公人による事実の否定、元慰安婦を傷つけようとする試みに反論するよう」日本政府に求めた。
5月21、22日の対日審査で委員会は「大阪市長の発言」に繰り返し言及していた。
日本政府は慰安婦問題について、太平洋戦争での出来事で、1987年に発効した拷問禁止条約の対象にならないと主張したが、拷問禁止委は「法的な責任を認め、関係者を処罰する」よう勧告した。
元慰安婦への補償や「過ちを繰り返さないために、教科書への記述などで周知するように」とも勧告している。
この他、代用監獄制度の廃止検討や死刑囚の家族に対する執行の事前通知なども要求した。
委員会は、警察や国家権力による拷問や非人道的な扱いを禁止する拷問禁止条約に基づき、88年に設置された。対日審査は2007年に続き2回目。
(共同通信)2013/06/02 09:46
=============================================これに関する6月1日の社説で最も優れたものは神奈川新聞の→「問われる橋本発言」です。そこには:
「レイプ国家」との批判はいよいよ高まろう。それは、繰り返された「証拠はなかった」という発言による「セカンドレイプ」によってである。
とあり、問題のありかをしっかりと指摘しています。ご一読下さい。
現在ではかなり知られるようになってきましたが、この勧告にも「関係者を処罰するよう」とあります。橋下氏の元性奴隷の女性たちに対する人道に反する酷い差別発言は、ドイツはもとより、フランスなど欧州諸国では、政治責任はもちろん、刑事責任も問われます。以前、このブログでもドイツでの政治家の歴史認識に関する失言で政治生命を失った→「ホーマン事件」を一例として報告していますので参考にしてください。橋下発言であれば、もっと酷いのでこれを越えて刑事責任も問われるでしょう。
さて、いそがしくて少し遅れましたが、5月27日の東京の外国人記者協会での橋下大阪市長の記者会見の発言を、ドイツ語圏の記者たちがどのように報道したかを、以下二つの記事をとりあえず翻訳しますのでご覧ください。
ひとつはオーストリアの→ウインナー・ツァイトゥング、で「さあ、ショウタイムです」の言葉で始まった記者会見の雰囲気を、速報の文体の短い記事でよく表現しています。
もうひとつはドイツの→フランクフルター・アルゲマイネの特派員の記事です。いずれも5月28日掲載ですが、ここではHP掲載のものを翻訳します。写真は電子版でご覧ください。
後者は、ドイツでは中道左派の南ドイツ新聞と並ぶ、中道右派の全国紙です。この新聞が、これほど明確に日本の歴史修正主義批判を掲載するのは、滅多にない事であるので、「これで日本の安倍政権はドイツの保守政権にも決定的に見放される」というのが、わたしの印象です。ドイツではまともな相手とすることはできないからです。
あらためてこの際、日本の読者とまた報道機関のみなさまに理解してほしいことは、欧米ではメディアなどで一致して「歴史修正主義」の烙印を押されたら、かつての戦争犯罪や人道犯罪を否認し、それにより犯罪を正当化し擁護する者として、政治生命の終わりを意味するということです。その背景には、人道犯罪には時効はないとする、戦後徐々に成立した不文律があるからです。その認識を欠落させている外交は、必ず破綻する運命にあるのです。
このことは今回の国連勧告にも現れています。
勧告には日本政府の主張に対して次の言葉があります:
The Committee recalls that on account of the continuous nature of the effects of torture, statutes of limitations should not be applicable・・・
まだ正式な翻訳が出ていませんが、この部分だけのとりあえずの訳は:
委員会は、拷問の及ぼす効果が継続的本質を持っていることから、時効は適用されるべきでないことを想起する・・・・
現時点では、国連の勧告にあわせて、他のスイス、ドイツの保守系有力紙も、かなり具体的な報道を始めています。明らかに日本の歴史修正主義の台頭に危機感が募っています。
安倍首相はG8に参加する前の6月半ばに、東欧諸国を歴訪し、ポーランドではまた欠陥原発セールスマンをするとのことですが、それが精々でしょう。もう一つ間違えば、首相の西ヨーロッパ諸国の訪問も不可能になりそうな雰囲気になりつつあります。
自民党安倍政権は、橋下非難の火の粉が降り掛かるのを必死で止めようとはしていますが、国際社会ではもう無理です。ここで訳出した二つの記事だけでもそのことが明らかです。首相である安倍氏が歴史修正主義者としての主張を公然とできない隙をついて、その指導権を盗ろうとしているのが橋下氏であると、特派員たちは見抜いています。
それが、日本の極右の新戦略であるとの見方もでています。
以下翻訳です:
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ウインナー・ツァイトング紙
Bürgermeister Osakas nach Aussagen über Zwangsprostitution
"It's showtime"
Von WZ-Korrespondentin Sonja Blaschke
- Hashimoto disqualifiziert seine Partei für eine mögliche Koalition.
大阪市長の強制売春に関する発言の後で
"さあ、ショウタイムです"
"さあ、ショウタイムです"
WZ特派員 ソンヤ・ブラシュケ
橋本は自党にあり得る連立への資格を失わせた
Tokio. Mit den süffisanten Worten "It’s
show time" in Anspielung auf die vielen Medienvertreter aus dem In- und
Ausland, aber wohl auch auf den Gast selbst, einen ehemaligen TV-Star,
eröffnete George Baumgartner, Präsident des AuslandskorrespondentenClubs
in Tokio, eine der am besten besuchten Pressekonferenzen der letzten
Jahre. Der Gast: Toru Hashimoto, der Bürgermeister von Osaka und
Mitvorsitzender der nationalistischen Japan Restoration Party. Erst Ende
letzter Woche hatte er seine Absicht bekanntgegeben, zu einigen seiner
als sexistisch bewerteten Aussagen der letzten Wochen Stellung zu
nehmen. Dass sich die Wogen glätten und die Kontroverse nach der fast
dreistündigen Pressekonferenz ein Ende findet, ist angesichts weiterer
umstrittener Aussagen nicht zu erwarten.
東京。東京の外国人特派員協会の代表のジョージ・バウムガートナーは、多数の国内外のメディア代表と、特にかつてのメィディアスターであったお客を当てこすった、嘲弄的な「さあ、ショウタイムです」との言葉で、近年最も盛大な記者会見を始めた。招待客は大阪市長、国家主義の日本維新の会の共同代表である橋下徹だ。彼は先週に彼がおこなった性(差別)的であると評価された発言に関してここで見解を述べたいとの意図を週末になって表明した。ほぼ3時間の記者会見のあと、興奮が納まり論争が終わることは、ここでのさらなる問題発言のため期待することはできない。
東京。東京の外国人特派員協会の代表のジョージ・バウムガートナーは、多数の国内外のメディア代表と、特にかつてのメィディアスターであったお客を当てこすった、嘲弄的な「さあ、ショウタイムです」との言葉で、近年最も盛大な記者会見を始めた。招待客は大阪市長、国家主義の日本維新の会の共同代表である橋下徹だ。彼は先週に彼がおこなった性(差別)的であると評価された発言に関してここで見解を述べたいとの意図を週末になって表明した。ほぼ3時間の記者会見のあと、興奮が納まり論争が終わることは、ここでのさらなる問題発言のため期待することはできない。
Hashimoto
hatte vor allem Südkorea, aber auch seine Landsleute und speziell
Frauen mit seiner Bemerkung erzürnt, dass die Zwangsprostitution von
asiatischen Frauen im Zweiten Weltkrieg "nötig für die Entspannung der
Soldaten" gewesen sei. Trotz der Forderungen von ehemaligen
"Trostfrauen" - laut Schätzungen gab es in mehreren asiatischen Ländern
200.000 davon - nahm er seine Aussagen nicht zurück. Er sei falsch
zitiert worden. Er forderte außerdem eine "Klarstellung" einiger
Aussagen der "Kono-Erklärung" von 1993, in der sich Japan bei den
"Trostfrauen", vor allem aus Südkorea, für den erlittenen Schmerz
entschuldigte. Dabei stritt er ab, dass bewiesen sei, dass der
japanische Staat und das Militär ein System der Zwangsprostitution
betrieben hatten. Überhaupt sei Japan nicht die einzige Nation, die in
Kriegszeiten Frauen sexuell missbraucht habe. Solche Verbrechen hätten
auch die USA, Frankreich, Großbritannien, Russland und Deutschland
begangen.
Entschuldigung bei USA
橋本は、第二次世界大戦時のアジア人女性への強制売春が、「兵士の慰安のために必要であった」とのコメントでによって、主に韓国、しかし彼の国の女性たちを特に怒らせたのだ。かつての「慰安婦」たち=多くのアジア諸国で20万人と推定されている=の要求にもかかわらず、彼は発言を撤回しなかった。間違って引用されたとするのだ。彼は、その中で特に、韓国の「慰安婦」たちが被った痛みを日本として謝罪した「河野談話」の一部を「明確にすべき」だと要求した。彼は、日本国家と軍の強制売春制度実行が証明されていることを否認した。およそ日本は、戦時に女性たちを性的に悪用した唯一の国ではないというのだ。このような犯罪はアメリカ合衆国も、フランスも、英国もロシアとドイツも犯していると述べた。
Im Gegensatz zum Fall der "Trostfrauen" entschuldigte sich Hashimoto bei den USA für einen Fauxpas. Sie hatte er kürzlich erzürnt, als er dem US-Kommandeur auf Okinawa empfahl, dass US-Soldaten häufiger die örtlichen Bordelle nutzen sollten, "um ihre Kräfte im Zaum zu halten".
「慰安婦」の件とは反対に、橋本はアメリカにはヘマを謝罪した。彼は先に、沖縄のアメリカ軍司令官に、米軍兵士は「彼らの精力を抑制するために」同所の売春施設をもっと活用すべきだと勧めて怒らせている。
橋本は、第二次世界大戦時のアジア人女性への強制売春が、「兵士の慰安のために必要であった」とのコメントでによって、主に韓国、しかし彼の国の女性たちを特に怒らせたのだ。かつての「慰安婦」たち=多くのアジア諸国で20万人と推定されている=の要求にもかかわらず、彼は発言を撤回しなかった。間違って引用されたとするのだ。彼は、その中で特に、韓国の「慰安婦」たちが被った痛みを日本として謝罪した「河野談話」の一部を「明確にすべき」だと要求した。彼は、日本国家と軍の強制売春制度実行が証明されていることを否認した。およそ日本は、戦時に女性たちを性的に悪用した唯一の国ではないというのだ。このような犯罪はアメリカ合衆国も、フランスも、英国もロシアとドイツも犯していると述べた。
Im Gegensatz zum Fall der "Trostfrauen" entschuldigte sich Hashimoto bei den USA für einen Fauxpas. Sie hatte er kürzlich erzürnt, als er dem US-Kommandeur auf Okinawa empfahl, dass US-Soldaten häufiger die örtlichen Bordelle nutzen sollten, "um ihre Kräfte im Zaum zu halten".
「慰安婦」の件とは反対に、橋本はアメリカにはヘマを謝罪した。彼は先に、沖縄のアメリカ軍司令官に、米軍兵士は「彼らの精力を抑制するために」同所の売春施設をもっと活用すべきだと勧めて怒らせている。
Premier Shinzo Abe, der vor Beginn seiner Regierungszeit noch davon gesprochen hatte, das Kono-Statement zu revidieren, distanzierte sich von den Aussagen Hashimotos. Kabinettssekretär Yoshihide Suga sagte, dass die Regierung derzeit keine Änderung des Kono-Statements beabsichtige.
安倍首相は政権に就く以前には河野談話を改訂すべきだと述べていたが、橋下の発言から距離を置いている。菅義偉官房長官は、政府は現在は河野談話の変更は意図していないと述べた。
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フランクフルター・アルゲマイネ紙
Geschichtsrevision in Japan Hashimotos Doppelgesicht
27.05.2013 ·
Osakas Bürgermeister Hashimoto provoziert das Ausland, indem er
die Zwangsprostitution in japanischen Frontbordellen während des zweiten
Weltkriegs als notwendig bezeichnete. Regierungschef Abe bringt er mit
der öffentlichen Geschichtsrevision in Bedrängnis.
Von
Carsten Germis, Tokio日本の歴史修正 橋下の二重の顔
2013年5月27日・大阪の市長橋下は、第二次世界大戦時の日本の戦線の売春施設が必要であったと表現して、外国を挑発している。この公然の歴史修正で政府の長の安倍を窮地に追い込んでいる。
カーステン・ゲルミス、東京
„Honne to tatemae“ nennen Japaner die
Fähigkeit, die wahre eigene Meinung hinter einem zweiten Gesicht zu
verbergen. Toru Hashimoto, ein bekennender Nationalist, der auch
Bürgermeister in Japans zweitgrößter Stadt Osaka ist, hat in Tokio am
Montag ein Lehrstück geboten, wie sich dieses Doppelgesicht in der
Politik des ostasiatischen Landes zeigen kann. Gleichzeitig bot er tiefe
Einblicke in die neue Strategie der Nationalisten, die Kriegsverbrechen
des eigenen Landes im Zweiten Weltkrieg zu leugnen - und empfahl sich
den Wählern so als der wahre intellektuelle Führer der Rechten.
Ministerpräsident Shinzo Abe, der den Plänen Hashimotos, Japans
Geschichte umzuschreiben und Verantwortung für die Greuel im Krieg zu
leugnen, gedanklich nicht so fern steht, ist als Regierungschef zur
Zurückhaltung verdammt. Solange das Land verzweifelt versucht, seine
Exporte zu steigern und wirtschaftlich wieder Tritt zu fassen, kann Abe
es sich nicht leisten, Japan mit extremen nationalistischen Parolen
weltweit zu isolieren.
日本人は本当の自分の意見をもうひとつの顔の裏に隠すことを「本音と建前」と表現する。橋下徹、有名な国家主義者で、日本の第二の大都市大阪市長でもある彼は、月曜日に東京で、いかにしてここ東アジアの国の政治でこの二重の顔を示すことができるかの手本を示した。それと同時に彼は、第二次世界大戦での自国の戦争犯罪を否定する国家主義者の新しい戦略を深さを垣間見せ、自分こそが右派の本当のインテリ指導者であると自薦した。首相である安倍晋三は、日本の歴史を書き換え、戦争の残虐への責任を否定する橋下の計画から、考えにおいてそんなに離れてはいないのだが、政府の長として控えめにすることを不本意にも余儀なくされている。この国が、輸出を伸ばし経済を一歩前進させるために必死で追求している間は、安倍は極端な国家主義の主張で日本を世界中で孤立させることはできないのだ。
Hashimoto: „Trostfrauen“ waren notwendig
Hashimoto
weiß das. Lange schon gibt es Gerüchte, der Bürgermeister von Osaka
könne als Führer einer nationalen Opposition nach der Oberhauswahl im
Juli aus der Provinz auf die nationale politische Bühne nach Tokio
wechseln. Internationale Schlagzeilen macht Hashimoto seit einer Woche.
Da erklärte er, die von den kaiserlichen Streitkräften Japans während
des Krieges mitorganisierte und gebilligte Verschleppung von rund
200.000 Mädchen und jungen Frauen in die Frontbordelle der Armee sei aus
damaliger Sicht „notwendig“ gewesen. „Wenn man Soldaten, die unter
Bedingungen, bei denen Kugeln herumfliegen wie Regen und Wind, ihr Leben
riskierten, ausruhen lassen will, war ein System der Trostfrauen
notwendig“, sagte er. „Trostfrauen“ werden in Japan euphemistisch die
oft gerade mal 15 oder 16 Jahre alten Mädchen genannt, die in die
Bordelle verschleppt wurden.日本人は本当の自分の意見をもうひとつの顔の裏に隠すことを「本音と建前」と表現する。橋下徹、有名な国家主義者で、日本の第二の大都市大阪市長でもある彼は、月曜日に東京で、いかにしてここ東アジアの国の政治でこの二重の顔を示すことができるかの手本を示した。それと同時に彼は、第二次世界大戦での自国の戦争犯罪を否定する国家主義者の新しい戦略を深さを垣間見せ、自分こそが右派の本当のインテリ指導者であると自薦した。首相である安倍晋三は、日本の歴史を書き換え、戦争の残虐への責任を否定する橋下の計画から、考えにおいてそんなに離れてはいないのだが、政府の長として控えめにすることを不本意にも余儀なくされている。この国が、輸出を伸ばし経済を一歩前進させるために必死で追求している間は、安倍は極端な国家主義の主張で日本を世界中で孤立させることはできないのだ。
Hashimoto: „Trostfrauen“ waren notwendig
橋下:「慰安婦」は必要であった
橋下は認識している。すでに長く噂としてあるように、国家主義野党の指導者として、7月の参議院選挙の後に地方の大阪市長から東京の国家主義政治の舞台へと鞍替えができることを。ここ一週間、橋下は国際的に大見出しを張った。そこで彼は、日本の天皇の軍隊が共同して組織し承認して、20万人ほどの少女や若い女性たちの軍の戦線売春施設へと連行したことが、当時としては「必要であった」と言ったのだ。「鉄砲玉が風雨のように飛び交うなかで命をかける兵士たちを休ませるために、慰安婦制度は必要であった」と述べた。売春施設に連行された、中には15や16歳の少女たちを、日本では婉曲的に「慰安婦」と呼んでいる。
Wie verheerend das internationale Echo auf seine Aussagen ausfallen würde, damit hatte Hashimoto offenkundig nicht gerechnet. Vor dem „Foreign Correspondent’s Club“ in Tokio wolle er deswegen erklären, er sei „missverstanden worden“, verkündete er. Doch wer erwartet hatte, dass sich Hashimoto wirklich entschuldigen, dass er Verantwortung Japans für diese Kriegsverbrechen einfordern würde, der lernte schnell, was „honne to tatemae“ in der Politik des Bürgermeisters von Osaka bedeutet. „Ich versuche überhaupt nicht, die Verantwortung wegzureden“, sagte er. Selbstredend sei es ein gravierender Verstoß gegen die Menschenrechte, gegen die Würde der Frauen gewesen, dass die Frauen zum Sex gezwungen wurden. So weit die Antwort, die Hashimoto der Welt schuldig zu sein glaubt. Aber - und mit diesem Einblick in sein wahres Denken bediente Hashimoto in den nächsten Sätzen das nationalistische Lager - „sexuelle Gewalt im Krieg ist nichts, was einmalig die frühere japanische Armee auszeichnet“. Amerikaner, Briten, Deutsche, Franzosen, Russen hätten im Krieg die Rechte und die Würde der Frauen genauso verletzt. Nein, sagte Hashimoto immer wieder, er wolle die Verbrechen der japanischen Armee nicht relativieren. Doch umgehend folgte genau diese Relativierung: Die anderen seien im Krieg nicht besser gewesen. Das ist die neue politische Linie der japanischen Nationalisten. Früher leugneten Japans Geschichtsrevisionisten die Verbrechen schlicht. Jetzt gibt Hashimoto zu, es habe sie vielleicht gegeben, und schwächt sie ab unter dem Motto: Wir übernehmen Verantwortung, aber die anderen waren auch nicht besser.
彼の発言が国際的にどれほど壊滅的な反響をもたらすかについては、彼は明らかに予想はしていなかった。だから彼は東京の「外国人記者クラブ」で、「誤解された」と表明した。とは言え、ここで橋下が、この戦争犯罪に日本の責任を要求して、本当に謝罪することを期待していた者は、「本音と建前」がこの大阪市長の政策で何を意味するかを、たちまち知ることになった。彼は「僕は責任を回避しようなどとは全くしません」と言った。女性たちが性交を強制されたことは、女性の尊厳と人権に対する大変な違反であったとするのだ。ここまでが、橋下が世界に対して責任があると信じる回答だ。
しかしながら=橋下は続く言葉で、彼の本当の顔をかいま見せて国家主義の陣営に寄与して=「戦争での性暴力は、かつての日本軍に特有のものでは決してない」と言った。アメリカ人、英国人、ドイツ人、ロシア人も戦争で、同じように女性の尊厳を侵害したと述べたのだ。橋下は、何度も日本軍の犯罪を相対化しようとは思わないと繰り返す。しかし直ぐにこの相対化が続く:戦争では他国も良かったわけではない。これが日本の国家主義者たちの新しい政治路線だ。これまでは、日本の歴史修正主義者たちは、この犯罪をはっきりと否認した。今、橋下は、犯罪はおそらくあったと認めて、否認を弱めてモットーとして:責任は認める、しかし他国もまたより良かったわけではないとするのだ。
Dabei kennt Hashimoto genau den
Unterschied. Ob es „der Wille des Staates“ gewesen sei, dass die
japanische Armee- und Staatsführung das Netz der Frontbordelle, in dem
vor allem junge Koreanerinnen leiden mussten, mitaufgebaut und
mitgetragen hat, „das ist die Kernfrage dieser Debatte“, gab er zu.
Genau das ist aber nach allen bekannten internationalen Forschungen und
den Berichten überlebender Sexsklavinnen der Fall gewesen, der das
japanische System der Zwangsprostitution einzigartig macht. Aber auch
hier wusste der Jurist Hashimoto zu relativieren. Es sei für die Opfer
kein großer Unterschied, ob die Armee organisatorisch in die Verletzung
der Menschenwürde der Frauen involviert war oder nicht.
そこで橋下は違いをしっかりと認識している。日本軍と国家指導部が、とりわけ若いコレアの女性たちが苦しまなければならなかった戦線の売春施設網を設営し経営したことが、はたして「国家意思」であったか否かが「これこそが議論の核心だ」と彼は認識する。まさにこれこそが、国際的な研究と、生き延びた性奴隷の女性たちの報告によって、日本の強制売春制度を独自な事例にしているのだ。この点でも法律家の橋下は相対化することを知っている。軍が組織的に女性の人権の侵害に巻き込まれていたかどうかなどは、犠牲者にとっては、大きな違いはないというのだ。
そこで橋下は違いをしっかりと認識している。日本軍と国家指導部が、とりわけ若いコレアの女性たちが苦しまなければならなかった戦線の売春施設網を設営し経営したことが、はたして「国家意思」であったか否かが「これこそが議論の核心だ」と彼は認識する。まさにこれこそが、国際的な研究と、生き延びた性奴隷の女性たちの報告によって、日本の強制売春制度を独自な事例にしているのだ。この点でも法律家の橋下は相対化することを知っている。軍が組織的に女性の人権の侵害に巻き込まれていたかどうかなどは、犠牲者にとっては、大きな違いはないというのだ。
Hashimotos Partei stürzt seit Monaten in Umfragen ab
Warum macht Hashimoto das? Und warum macht er es gerade jetzt? Hashimotos Partei „Japans Wiedergeburt“ verzeichnet seit Monaten einen Absturz in den Umfragen. Im Januar kam sie gerade einmal auf 2,4 Prozent, noch im Sommer vergangenen Jahres schien sie zur zweitstärksten politischen Kraft in Japan aufzusteigen. In Osaka hat Hashimoto die Erwartungen vieler seiner Anhänger auf Wandel enttäuscht. In Wirtschaftsfragen gibt es in Japan praktisch keine ernstzunehmende Opposition gegen die nach dem Regierungschef Shinzo Abe „Abenomics“ genannte Mischung aus aggressiver Geld- und lockerer Finanzpolitik. Da Abe, der wie Hashimoto die Verantwortung des japanischen Staats für das riesige Netz an organisierter Zwangsprostitution leugnet, als Ministerpräsident offiziell schweigen muss, gelingt es Hashimoto mit seinen Provokationen, zum wahren Repräsentanten des japanischen Geschichtsrevisionismus zu werden und seine Partei wieder in die Schlagzeilen zu bringen.
Das Echo aus Südkorea, von wo die meisten Frauen verschleppt wurden, kam am Montag postwendend. Außenminister Yun Byung-se wertete die Aussagen Hashimotos als „peinlich und beschämend“. Sollte er solche Aussagen vor den Vereinten Nationen oder dem amerikanischen Kongress wiederholen, würde es dem internationalen Ansehen Japans einen schweren Schlag versetzen.橋下の党はここ数ヶ月世論調査で凋落
ではなぜ橋下はこのようなことをするのか? そしてなぜ今するのか? 橋下の「日本維新の会」は、世論調査でここ数ヶ月凋落を示している。去年の夏には日本の第二の政治勢力に上昇すると見られていたこの党は、1月には、2.4パーセントとなっている。大阪では橋下は、彼の支持者の多くの変革への期待を失望させている。経済問題では日本では、首相の安倍晋三にちなんだ「アベノミクス」と呼ばれるアグレッシブな財政と金融緩和政策のミックスに対抗するだけの力を持った野党は存在していない。橋下同様に組織的強制売春の巨大なネットへの日本国家の責任を否認する安倍は、首相として公式にはこれに沈黙せねばならないため、そこで橋下はその挑発をもってして、日本の歴史修正主義の本当の代表となり、そして自党を再度大見出しに持ち込むことに成功している。
最も多くの女性たちが連行された韓国からの反響は、月曜日に折り返し返答があった。尹炳世 外相は橋下の証言は「見苦しく恥ずべきものだ」とし、もし彼が、国連やアメリカの議会でこのような発言を繰り返すならば、日本の国際的威信は大きく損なわれるであろうと述べた。
こういうものを翻訳して紹介してくださる方がいらっしゃるのはとてもありがたいことです。ありがとうございます。感謝を申し上げながら校正をお願いするのは心苦しいのですが橋本→橋下のご修正をいただけましたら幸いです。
返信削除SIVAさま、
返信削除ご指摘に感謝です。昨日も訪問者多く、ゆっくり見直す暇もありませんでした。ついでにタイトルも変えました。