2016年4月2日土曜日

315:ドイツ元外相ゲンシャー氏のエコロジー命法演説

 本日ドイツ外相を18年間も務め、ドイツ再統一と冷戦終結で大きな役割を果たしたハハンス・ゲンシャー氏が89歳で亡くなりました。→毎日新聞の記事をご覧ください。

 これで旧西ドイツの統一に至る大物政治家は、コール元首相を除いてほとんどが亡くなりました。ゲンシャー氏については、2013年の夏にこのブログでも紹介したことがあります。在ベルリン日本大使館でのヒロシマ・ナガサキの「平和のためのコンサート」で演説をされ、それに強い印象を得たからです


氏はがこの日の核廃絶へ向けた演説でカントの定言命法を応用したハンス・ユナスの「エコロジー命法」すなわち 「汝の行為のもたらす因果的結果が、地球上で真に人間の名に値する生命が永続することと折り合うように、行為せよ」 とい新たな命法を引用したので、とても驚かされたからです。

  詳しくは→「核廃絶へのゲンシャー氏の老獪な演説」をご覧ください。

にもかかわらず、彼のドイツの自由民主党FDP は核兵器廃絶政策では一貫していますが、原発推進政策も主張したために凋落しました。この厳しい事実から日本の自由民主党の少しは頭の良い人たちも教訓として学ぶべきでしょう。原発にしがみついておれば、事故が起きなくても政党も企業も必ず潰れます。(下の最近の反原発新聞への寄稿をお読み下さい)


15歳で従軍さされ短期間ですが捕虜体験もし、若いころから重度の肺結核と闘って、戦後の 祖国の分断の非暴力での克服に決定的な役割を果たされ長寿を全うされた希有の大政治家でした。これでドイツの政界も少し寂しくなりました。合掌。

(下の記事クリックして拡大してください)