内容としては「この6年で6人目で首相の名前も顔も覚えられない」というげっそり感をテノールにして「菅直人内閣の脱原発政策は後退するだろう」、また「増税で超赤字財政の緩和が期待される」との点が大旨で共通しています。世界的金融危機の中で日本経済がギリシャやスペインのように破綻寸前になるのを心配しているのです。
政局に関しては昨日8月30日付けで「南ドイツ新聞」の東京特派員クリストフ・ナイドハルト/Christoph Neidhart 氏が解説記事で 「建設的な自己破壊/Kreative Selbstzerstörung」との見出し「日本の政治の終わりのない貧困は、新首相でも継続するであろう」との小見出しで書いています(現在のところ電子版には掲載されていません)。内容は見出しのように民主党の政権獲得後のバラバラな内情のお粗末さを解説し、総選挙となっても「自民党も同じく内輪が割れており、いまだに腐敗したままで人気がない。彼らも政権にはつけないだろう」と結論しています。
つまり、日本の政治が「雪隠詰め」になっていることを伝えているのです。いやはや、その通りです。
このことを、揶揄しているのが、英国のガーディアンです。
大沼安史さんがブログの「机の上の空 個人新聞」で同記事を巧みに翻訳されているのでご覧ください:
http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/
英紙ガーディアンが日本のドジョウ宰相、「ヨシヒコ」を「人物紹介」
http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2011/08/post-78b9.html#trackback
大沼さん、ご苦労さまです。
また同じく大沼さん経由で知ったのですが、フリージャーナリストの上杉隆さんが、8月上旬にドイツの公共第二テレビ(ZDF)が伝えたフクシマからのルポを日本語字幕入りで掲載されていますので是非ご覧ください:
http://uesugitakashi.com/?p=964
避難区域外が高度汚染しているのに 、放ったらかしにされている農民の姿と言葉を現場から伝えています。まさに政治の無能と貧困によるヒバク棄民の実情です。
このなかで、東京での記者会見で細野原子力大臣にZDFの特派員が、このような実情について質問すると、大臣が返答に困り、役人たちが数分間、書類をかき回してしどろもどろする光景も見られます。こんな醜態は、ドイツであればたちまちメディア挙げてのスキャンダルになるのですが、会見に大勢の日本人記者がいるにもかかわらずそうはならないのは、彼らがノミのサーカスにたかる一員であることを如実に語っています。なぜ起こらないのか理解不能です。
実際のノミのサーカスでは、ノミを調教するのに狭い箱に入れて慣らすそうですが、日本のジャーナリストたちもサーカスの親方により、決して怒らないように調教されているのです。
ノミのメディアよ哀れ
なを、メルケル首相はさっそく昨日、野田新首相に就任の祝辞を送りましたが、そのなかに以下の言葉があります:
Bei der Bewältigung der vielfältigen Herausforderungen nach der Katastrophe des 11. März dieses Jahres stehen wir eng an Japans Seite. Ich würde mich sehr freuen, Sie bald als meinen Gast in Deutschland begrüßen zu dürfen.
本年3月11日のカタストロフ後の多面的挑戦の克服に関して、私たちはぴったりと日本の側におります。閣下を近いうちにドイツで私の客人として歓迎できることが許されるならば大変な喜びとするものであります。
菅直人氏はフクシマもありドイツ訪問はできませんでしたが、井の中のドジョウ野田宰相には、是非訪問していただき、メルケル首相から直々に脱原発の実現を学んでほしいものです。望まれれば、メルケル首相は本気で助言することは間違いないでしょう。もっともメルケル政権もかなり危うくなっているので、それだけの余裕があるかは不明ですが。
いづれにせよ、訪独されれば、もちろんわたしも脱原発の旗をもって大歓迎いたします。
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