2017年10月29日日曜日

338:ベルリンフンボルト大学で「慰安婦」問題映画月間Women’s Bodies as Battlefieldが始まります。追加記事あり。

 ここベルリンでは、来る11月1日からWomen’s Bodies as Battlefieldと題された、いわゆる日本軍「慰安婦」、正確には日本軍性奴隷の被害者に関する映画五本が、映画月間としてフンボルト大学で毎週水曜日の19時から5回にわたって上映、紹介されます。

 主催と共催は大小の国際的NGO11団体です。それにふさわしく、紹介される映画も韓国、中国、フィッリピン、インドネシア、台湾とアジア諸国の作品で非常に質の高いものです。英語の字幕、ないしはナレーション付きでインドネシアの作品だけはドイツ語字幕付きですが、どの映画にも不可避的に日本語が出てきます。それはなぜでしょうか?

 この問題は、近年の日本のメディアでは、あたかも日韓間だけの問題のごとく扱われていますが、それは大間違いであることがこの上映会でもわかるはずです。多くのアジア諸国との問題なのです。
しかも旧日本軍だけでなく、戦時における性奴隷問題は、極めて普遍的な現在の大きな国際間の課題なのです。
 
 これに対して安倍政権は「見ざる聞かざる言わざる」を決め込もうとしていますが、そんな日本政府の姿勢こそが、外交的孤立を招き、日本の国益に反するものであることを理解できないことこそがこの政権の致命的欠陥の一つです。
 この問題に関しては、安倍政権はやることなすこと全てが失敗し、歴史修正主義の恥の上塗りしかできていないことがさっぱり自覚できていないという惨めな姿が、国際世論での客観的な現実です。
 それもあり在ドイツの日本の外交関係者の皆様には、フンボルト大学でのこの特別講義に特に参加をお勧めいたします。
 少なくとも、この特別講座にケチをつけるために大学に抗議をするような恥晒しだけはしないでいただきたいものです。やりかねない外交関係者とその手先は,
驚くべきことにドイツにもいますから、あらかじめ警告しておきます。


    
      Jeden Mittwoch im November 2017 um 19:00 Uhr 
 Humboldt Universität zu Berlin, Hörsaal Nr. 1070, Unter den Linden 6, 10099 Berlin
Eintritt frei – Spenden für Überlebende in Indonesien erbeten

 入場は無料ですが、インドネシアへの寄付を募るとのことです。
 各作品の詳しい紹介は主催者の⇨HPでの解説をご覧ください。

(11月3日追加)
韓国の通信社聯合ニュースが日本語でも2日付で以下のように⇨この映画月間について報道しています。
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慰安婦問題テーマのドキュメンタリー映画 独大学で上映へ

 【ベルリン聯合ニュース】旧日本軍の慰安婦問題を扱ったドキュメンタリー映画の上映会が12日から29日までドイツのベルリン・フンボルト大で開催される。
韓国、中国、台湾、インドネシア、フィリピンなどの慰安婦被害者の生涯を記録した映画が取り上げられる。上映作品はビョン・ヨンジュ監督の「ナヌムの家II」や班忠義監督の「太陽がほしい 『慰安婦』とよばれた中国女性たちの人生の記録」など5作品。
 上映会はドイツの韓国関連の市民団体「コリア協議会」などが企画した。

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なお、最初の1日の「ナヌムの家Ⅱ」の上映会は立ち見も出るほどの盛況でした。若い学生世代の参加が大半であったことが特徴です。

なお次回11月8日に上映される「太陽がほしい」には3年前の上映会と同じく班忠義監督が特別参加され質疑応答も行われる予定です。
前回の予告と報告は、⇨ここ⇨ここにあります。今回はまた違った影響がありそうなので楽しみにしています。
(以上追加です)



337:ルター宗教改革500周年記念日への寄稿です。追加情報あり。

 明後日の2017年11月31日はマルティン・ルターが宗教改革を始めて500周年記念日となります。これに関しては、その前後に日本のメディアでも少しは報道されるとは思いますが、一般的に関心は薄いと思われます。
(31日:文末に情報を追加しました。)
 
 わたしはルターが宗教改革を始めたエルベ河畔のヴィッテンベルク市をこの春訪ね、その歴史的意義について日本史との関連も含めて日本のミニコミに寄稿しましたので、それを紹介いたします。 掲載誌は6月に発刊された⇨季刊戦争責任研究の付録の⇨Let`s 88号に掲載されたものです。クリックしてご覧ください。



 (訂正)最初のページ2段目5行目に「ついに一六世紀には・・」とありますが、正しくは「ついに一七世紀には・・」です。

なを、文末にあるテロルの地勢誌での⇨特別展は11月5日までですので 関心のある方は早めに観てください。

(追加情報です。10月31日)
毎日新聞のベルリン特派員中西啓介記者が、日本のマスメディアでは唯一まとまった特集で三回の連載を昨日までにしていますので是非ご覧ください。関連のビデオも付いています。


ルターの光と影:宗教改革500年





また、アシジ教授による「ルター1517」のパノラマはHPでその⇨会場の様子の写真が見れ規模がわかります。

またこれに関する、独仏の公共放送の報道のは多くありますが、動画としては⇨Arte⇨DWを挙げておきますのでご覧ください。





336:松井一實広島市長ベルリン講演のお知らせ。Vortrag des Büugermeisters von Hiroshima in Berlin

 お知らせです。広島市の松井一實(まついかずみ)市長が、近くベルリンの大学の講座の一環として、核軍縮について講演されます。滅多にない機会ですのでご参加ください。
 2017年11月10日午前10時からで、講演は英語で行われ、質疑応答にはドイツ語通訳がつきます。 会場は以下の写真をクリックしてご覧ください。

参考として、今年の8月6日の松井市長による広島市平和宣言とその報道は⇨こちらです







2017年10月15日日曜日

335:講演「難民・移民・アイデンティティ=ドイツの経験」2016年10月の紀要掲載のお知らせと補足

 読者のみなさま、
 
 昨年夏からこのブログへの投稿が1年ほど途絶えていた大きな理由は、1昨年2015年秋からの難民問題に注目して、その報告を『世界』などの活字媒体に連続して執筆していたことが大きな理由です。
 またそれに加えて、立命館大学の国際言語文化研究所で、昨年2016年10月に行われた連続講座⇨「越境する民・変動する世界」の企画のひとつで講演をしたことなどで訪日して、いささか落ち着かない状態でした。
 それに、なりよりも横文字の資料文献を読む速度が年齢相応に鈍化しており、読書中にこの写真のような膝の上の猫のアズキと一緒に眠ってしまうことも増えています。明日うらしまもいよいよの老化にはいかんともしがたしです。


 さて言い訳と愚痴はこれだけにして、上記の昨年の連続講座の講演のすべてが掲載されている同研究所の紀要第29巻1号がようやく出版され、同時に⇨すべてがネットで閲覧できますのでそれをお知らせいたします。
  
 そのうちで梶村の講演は⇨「難民・移民・アイデンティティ=ドイツの経験」です。
かなりの長文ですが、原文はレジュメをもとに話したものですので、あまり読みにくくはないと思いますので、お読みくだされば幸いです。
  
 ただ、この講演では写真を多く示しましたが、印刷物のPDF表示のため鮮明に見えないものがありますので、読者の理解のため、使用した21点の写真のうちの3分の1の7点を以下ここに掲載しておきますので、ご参考としてください。番号は本文のものです。


 ここの写真はクリックすれば拡大してパノラマで見れます。

写真1

写真4
写真11

写真13

写真15

写真20
写真21

 なお、この講演はちょうど1年前のもので、その後難民問題は先月のドイツ総選挙にも非常に大きな影響を与えており、これについては今週からようやく連立交渉の予備会談が始められるドイツの新政権成立の見通しがついた段階で、できたら年末までにしかるべきところで詳しく報告する予定です。

 とりあえず、上記の講演に関して、読まれた方のご感想、ご批判をいただければ嬉しく思います。
 なお、写真について本文にはない説明をここで補足しておきます。

写真1は、1939年8月23日の独ソ不可侵条約の秘密協定に基づき、9月に独ソ両軍がポーランドに侵攻し、両軍が出会った直後の9月28日にリッペントロップがモスクワへ飛び、スターリンとの間でポーランドの地図に線引きして両軍の占領地域を現実に応じて確定したものです。だから赤鉛筆の日付は39年9月28日となっています。

写真20は主に、Die Zeit Nr.49. 3.Dezember 2015です。

もう一つ補足しておきます。本文で紹介しましたホモ・ミグランスという概念を提唱したクラウス・バーデ教授の論文、論評などを集大成した書籍が先月出版されましたので、早速求めてみましたら、この通り:


 なんと、600ページの大著で、小さな文字でこれも事典並の構成です。
世論を啓蒙するだけの重みのあるドイツのアカデミズムの良き伝統と業績の実例ですね。

実際にこの著作はレンガの一つぐらいの重さがあります。これは彼の研究所に関する論考のページです。


2017年9月25日月曜日

334;速報:メルケル政権は継続し大連立は崩壊、社会民主党は下野へ。次期はジャマイカ連立政権か。

 先ほどドイツの総選挙の投票場が閉められ、最初の窓口調査の結果が出されましたが、極右政党が予想最大限の13%を超える得票率を得て、初めて連邦議会に第3党として進出しました。
 同時に大連立政権を組んでいたキリスト教民主・社会同盟CDU・CSUと社会民主党SPDの二大政党が、CDU-CSUは33%強、 SPDは20%強と大きく得票率を失い、いずれも史上最低の得票率となることがほぼ確定しました。
 
 これによりドイツの国政での政治配置は、1990年のドイツ統一以来の大きな地殻変動を起こし、大連立の度に凋落する社会民主党は、計算上は大連立を続けることができても、土台から立て直すために下野し、野党第1党となる選択をするとシュルツ党首が宣言しました。従って大連立は崩壊しました。
 これにより極右の「ドイツのための選択肢-AfD」は野党第1党とはなれず国会で、封じ込まれる立場となります。

開票の第一報とともにドイツ全国の都市で極右の国会進出に抗議するデモがほぼ自然発生的に起きています。ベルリンでは数千人と報道されています。
極右の進出に抗議するデモ隊 ベルリンアレキサンダー広場24,9,2017 Reuter

 メルケル氏は第一声で、政権維持を宣言しましたが、大連立の以外では、緑の党、約9%強、と国会再復帰を果たした自由民主党、10%強とのいわゆる「黒・黄・緑のジャマイカ連立」しか選択肢はないことになります。
 この組み合わせは国政では初めての連立ですので 、連立交渉がどうなるかはまだ見通すことはできませんが、そんなに簡単ではないでしょう。この連立交渉が難航した場合は、
黒・黄の少数政権もありえますが、それは弱体政権となります。では再選挙となるとカオスになりドイツだけでなく、欧州同盟が大混乱となります。

 このように世界情勢が不安定な中で、欧州同盟の屋台骨であるドイツの政権が弱体化する懸念がありますが、幸いなことに極右を除いて、他の大半の政党はそのドイツの役割と責任を自覚しているので、なんとか安定政権の成立へ向けて各党が交渉を始めるでしょう。
 ジャマイカ連立では、外交と経済ではこれまでとそれほど大きな変化をもたらすことはないと思われます。
 以上速報です。

2017年9月24日日曜日

333:ドイツ総選挙での極右の進出に大騒ぎしないようにしましょう

 本日9月24日は、ドイツの総選挙の投開票日です。

 この写真は22日にあったSPD・社会民主党のベルリンでの選挙戦の最終日の選挙集会の様子です。ベルリンで最も由緒あるゲンダーメン広場で行われました。推定で4000から5000人ほどの参加者でした。(写真はすべて梶村です)
アンゲラ・メルケル首相に対する対抗馬として同党が擁立したマーティン・シュルツ前ヨーロッバ議会議長も、かなり力の入った演説を50分近くしました。


 会場に掲げられた選挙スローガンは未だに差のある「男女の賃金を平等にせよ」というものです。

 また、この日の特別な応援ゲストは、日本でも⇨「黄色い星を背負って」などの著作で知られているインゲ・ドイッチュクローンさん(1922年生まれ)でした。
 彼女については4年前の前回総選挙の結果が出た際の報告にも日本の秘密保護法との関連でこのブログにも登場していただきました。⇨207:特定秘密保護法は民主主義者を暗殺する。ドイツは暗殺の歴史をどのように官民で記憶しているのか。
今年95歳になるこの人物の両親は、ワイマール時代からの社会民主党員で、彼女もホロコーストを生き延びてからも一貫した党員であるとこの選挙集会の前座でのインタヴューで話していました(上の写真)。
 シュルツ党首は演説の途中で演壇から降りて彼女に謝辞を述べました。その上で、「1933年のナチス権力掌握後の帝国議会でナチスの全権委任法に反対し、多くの犠牲を出した政党として、極右の国会進出は許せない」と述べました。⇨麻生太郎の大好きなこの法律の歴史についてもかつて報告した通りです。

 集会でのこの情景が最も印象に残りました。 なぜ彼女が老体を押してこの選挙集会に出てきたかは明らかです。ついにドイツの国会にも極右政党が登場することを危惧しているからです。「極右にどうすれば対抗できますか?」との司会者の質問に、彼女は「難しいことではありません、それそれが行動すればいいのです」と答えて大喝采を受けていました。
  
 わたしもこの国の戦後の総選挙はその半数以上を体験して、取材するのも8回目です。
 それぞれ特徴がありましたが、今回は特に、上記の集会でも顕著なように、戦後間もない西ドイツの第一次の1949年の総選挙に、DP(ドイツ党)という極右政党が国会に議席を占めて以来の出来事として、極右政党AfD(ドイツのための選択肢)が10%から13%ほどの得票率で一挙に連邦議会に進出することは、残念ながら確実です。

ここに追加です。例えばBBCの日本語版までが、先日から  

⇨ドイツ総選挙 戦後初めて右翼国家主義政党が議席獲得か 

と報道していますが、これは間違いです。上記のように戦後初の1949年の連邦議会選挙では、DPという極右政党が議席を得て、なんとアデナウワー首相はこの政党と部分的に連立まで組んだことがあります。今回の極右政党の進出は従って史上二度目のことになります。日本語でも簡単ですが解説があります。⇨ドイツ党
 
 そのため本日の選挙の結果ドイツの政局がかなりショックを受けて動揺することは間違いありません。
 社会民主党が、さらに得票率を落とて戦後最悪の危機に直面すれば、次期メルケル政権の連立交渉が難渋し、それが不安定な世界情勢にネガティブな影響を与えることも十分に考えられます。

 しかしみなさん、ここでついにドイツの国会に極右政党が登場しても、この国の民主主義の基盤が脅かされることは、全くないので安心してください。ドイツの極右の登場に大騒ぎしないようにしてください。
 これについては、ここブログでは触れていませんが、梶村のドイツ難民問題に関するこれまでの『世界』誌への寄稿、20162月号「メルケル首相の決断と難民問題で『明と暗』に引き裂かれるドイツ」、同6月号「ドイツは難民問題を解決できるか」、同11月号「難民問題で暗転するメルケル政権」などでは、すでに述べてあります。

 また昨年の秋に行われた立命館大学での講演でもはっきりとそれがなぜなのか歴史的、社会的背景を述べてあります。 この講演の内容は紀要などで近く公表されるとのことですので、そうなればお知らせいたします。
 ⇨【第3回】10/21(金)「難民・移民・アイデンティティ―ドイツの経験」
報告者:梶村太一郎(ジャーナリスト)
       石川真作(東北学院大学)
コメンテーター:佐々木淳希(京都大学)
司会:高橋秀寿(立命館大学)
 
 これを読まれれば、難民問題を嚆矢として勢いを増した極右政党が、なぜドイツでは定着できないかが理解できると思います。
 むしろこの国の民主主義をさらに強固にする試練の場になると考えています。
 次期国会ではそれが実証されますので、私も大いに楽しみにしてルポしたいと思っています。
 その意味で、本日の選挙は戦後ドイツ史での一つの節目となることだけは間違いありません。
 では、選挙結果が出た後の明日の朝から、極右たちの表情を、エッチら見にいくことにしましょう。早起きはつらいですが、舞い上がった極右の表情は、日本では日常ですがドイツでは滅多に見られませんからね。


2017年9月22日金曜日

332:メルケル首相がトランプ大統領の国連演説を真正面から「間違っている」と批判。発言要旨の翻訳

秋が迫るベルリンの首相府19,Sept.2017 Phpto:T.Kajimura
これは、一昨日の一九日に大変良い天気なので散歩がてらベルリンの首相府を通りかかると、秋が迫り建物の蔦が美しく色づき始めていましたので撮った写真です。

 この日、ニューヨークの国連総会で、トランプ米大統領は初の演説をしましたが、その北朝鮮を「完全に破壊する」との言及に、ドイツのメルケル首相が真正面から間違いであると批判しました。⇨時事通信がいち早く伝えました
これはドイツの国営放送ドイッチェヴェレが昨日の20日に、首相の執務室(写真の赤丸のところ)で行った総選挙を前にしたインタヴューの中でまず最初に述べられました。
 
 その時の写真を同放送のHPからお借りします。議員会館と国会が一望できる長めの素晴らしい 執務室です。メルケル首相の座っている椅子とそばのテーブルは、ドイツのバウハウスの家具の中でも最も古典的なデザインのものです。

Chefredakteurin Ines Pohl und Reporter Jaafar Abdul Karim beim DW-Interview mit Kanzlerin Angela Merkel
Photo:DW
 

さて余談はともかく、インタヴューは➡️「メルケル首相『北朝鮮問題ではトタンプと明確に意見を異にする』」との見出しで、ビデオとともに見ることができます。ドイツ語ができる方は、あるいは勉強中の方はそちらをどうぞ。

以下このインタヴューとそれを基にした記事の中で、首相のオリジナルの発言(緑色)を訳出しておきます。
まずは、トランプ大統領の北朝鮮を「完全に破壊する」との発言についての編集長の質問に、メルケル首相は、

"Ich bin gegen eine solche Drohung. Und ich muss auch sagen, dass ich für mich und für die Bundesregierung sage:  Wir halten jede Art von militärischer Lösung für absolut unangemessen und wir setzen auf diplomatische Bemühungen. Das muss mit allem Nachdruck voran gebracht werden. Da sind aus meiner Sicht auch Sanktionen und die Umsetzung dieser Sanktionen die richtige Antwort. Aber alles andere halte ich im Zusammenhang mit Nordkorea für falsch!"

私はそのような脅しには反対です。私が、私自身と連邦政府のためにも述べなければならないのは:私たちはいかなる種類の軍事的解決も完全に不適当であるとみなしており、私たちは外交努力に賭けるということです。これはあらゆる力を持って前進されるべきです。私の見解からすれば、制裁と制裁の実施もまた正しい解答だと思います。しかし私はそれ以外のすべての方法は、北朝鮮との関連では間違っているとみなします」

と答えた上で、メルケル首相は国連演説の後には話していないが、数日前にトランプ大統領に、このような私の見解を電話で伝えた」と述べています。

「私たちは問題の解決に援助できます」として以下のように続けています:
 
"Auch wenn es räumlich weit weg ist von Deutschland, so ist es ein Konflikt, der auch uns betrifft. Und ich bin deshalb bereit und auch der Außenminister ist bereit, hier Verantwortung zu übernehmen. Wir haben im Iran-Abkommen, das ich für richtig halte, nach wie vor für besser als kein Abkommen zu haben, auch mit verhandelt. Das hat viele Jahre gedauert, aber hat zum Schluss doch eine Eingrenzung der Möglichkeiten des Iran zu einer nuklearen Aufrüstung gebracht. Und diesen Weg - oder einen ähnlichen Weg - muss man natürlich mit Russland, mit China, zusammen mit den Vereinigten Staaten gehen, auch in diesem Falle von Nordkorea."

「空間的にはドイツから非常に離れたところの問題であろうとも、この紛争は私たちにも及ぶものです。ですから私もまた外務大臣もこの問題で責任を引き受ける準備があります。私も正しいとみなしているイランとの協定では、これは協定がないよりもはるかに良いものですが、私たちは交渉に加わりました。これは何年もかかりましたが、最終的にはイランの核武装の可能性の制限に至りました。この方法、あるいは似たような方法を、ロシア、中国、アメリカ、この件では北朝鮮とともに追求すべきです」 

 解説記事では、私が⇨330⇨331で指摘しておいたように、ドイツは東独時代の遺産で、北朝鮮とお互いに大使館を持っている数少ない欧州の国の一つであること、さらに2013年にはベルリンのホテルでアメリカと北朝鮮の秘密交渉が行われたことを指摘しています。
 そしてこの件で金正恩委員長と直接に接触するつもりはあるかとの問いには、

"Das steht jetzt nicht auf der Tagesordnung. Ich mache auch keine nicht abgesprochenen Schritte."
「それは現在の日程には入っていません。また私は相談なしの行動はとりません」
答えています。

 昨日のメルケル首相の北朝鮮核問題に関する発言は以上の通りです。

 24日の総選挙の結果でメルケルが4期目16年に向けた首相に就任することはまず間違いありませんが、トランプ政権との意見の相違はますます明確になるだけでしょう。

 そして彼の"america first,, は世界の中では"america alone,, へとなって行くことだけは間違いありません。問題はトランプ大統領がそのことを理解することが全くできないことでしょう。
 このような大統領の演説に無批判に追従し、メルケル首相とは反対に「対話による問題解決の試みは、一再ならず無に帰した」と強調するだけの国連演説をした安倍首相の政権では、私も懸念するように、日本もまた問題の外交的解決を阻害しかねず、ますます孤立を深めることを危惧します。

 国連総会には副首相のガブリエル外務大臣が昨日から出席して、彼の方は演説でトランプ大統領のイランとの協定をこき下ろしたことを懸念して厳しく批判しています。
ここまで書いて、ニューヨークからの報道です。やはり河野外相も当面は対話拒否のようです。こんな姿勢をとり続けている限り、日本は交渉の席から外されかねません。

ピョンヤンはトウキョウよりベルリンに対話のバトンを渡すでしょう。


⇨河野氏、早期対話に慎重



北朝鮮対応で日独会談

2017/9/22 01:25

 【ニューヨーク共同】河野太郎外相は訪問先の米ニューヨークで21日、ドイツのガブリエル外相と会談した。核実験とミサイル発射を繰り返す北朝鮮への対応を巡り、現時点での話し合いは問題の解決につながらないとして、北朝鮮との早期対話に慎重な考えを伝えたとみられる。

 早期対話を呼び掛けるドイツに、圧力強化を通じて北朝鮮の核放棄を目指す日本政府の立場を説明し、理解と協力を求める狙いがある。河野氏は会談で「国際社会全体で圧力を強化する必要がある」と強調した。

 ガブリエル氏は、ドイツとして緊張緩和へ努力する用意があるとの認識を示したもようだ。

トランプ演説が当事者国である韓国に与えている衝撃には当然ですが大きなものがあります。
その一つ本日のハンギョレ新聞の社説をご覧ください。


もう一つ文大統領の演説の第一報です。
 

⇨朝鮮半島の緊張回避を要求



韓国大統領、国連演説で2017/9/22 00:00



【ニューヨーク共同】韓国の文在寅大統領は21日、米ニューヨークの国連本部で、5月の就任後初となる国連総会の一般討論演説を行った。文氏は北朝鮮が6回目の核実験を強行し「われわれ全員に、言い知れぬ失望と怒りを抱かせた」と強く非難した。一方で北朝鮮への軍事的選択肢を排除しない米政権も念頭に、(朝鮮半島の)緊張を高める言動は自制すべきだとも強調した。

 文氏は演説で「過度に緊張を激化させたり、偶発的な軍事衝突で平和が破壊されたりしない」よう呼び掛け、「われわれは北朝鮮の(体制)崩壊は望まず、吸収統一も推進しない」との従来の立場を改めて強調した。


うーん、金正恩とドナルド・トランプが主役になってのこの争い。この調子ではとてつもない制御不可能な危機が現実になるかもしれません。

以下23日付録追加です。

ヴァイツゼッカー元大統領の演説テキスト:
⇨Gedenkveranstaltungim Plenarsaal des Deutschen Bundestages zum 40. Jahrestag des Endes des ZweitenWeltkrieges in Europa

ここにはPDFでダウンロードできますし、また英仏露語の公式翻訳もあります。

同演説のビデオ:
⇨Weizsäckers Rede zur Beendigung des Krieges am 8. Mai 1985

画面の下のDownload der Videodatei をクリックすれば、それぞれの環境に応じた取り込みのキャパを選択できます。

再追加です。久しぶりにこのビデオを見て気づいたのですが、演説の終わりの2分ほどが
どういうわけか欠落しています。
 そこでYou Tubeのため画質はかなり落ちますが、フェニックスというドイツ公共第一と第二テレビが共同で運営しているドキュメント専門チャンネルの教育用編集済みのビデオ であれば最後まで見ることができます。⇨こちらです。