2012年12月29日土曜日

139:安倍「危機突入」政権の原発推進政策にドイツは危惧/論評の紹介/翻訳を追加しました

 12月26日の安倍「危機突破内閣」の成立と、27日の茂木経産相の原発再稼働と新規建設容認見解をドイツの有力メディアは28日の紙面で大きく扱い、リベラル紙も保守紙もそれぞれ厳しく批判する論評をしています。安倍政権をその原発政策とこれから予想しうる周辺諸国との外交政策で、むしろ「危機突入政権」であると認識し、かなり憂慮する論評と解説が顕著に主流をしめています。経済政策に関しても、とっくに危機ラインを超えている財政赤字のさらなる大幅な拡大政策を指摘し、中長期的の国家財政破綻を危険視するものが多くあります。
すなわちこのままでは、日本がグローバルな環境、政治、経済危機の発火点となるのではないかとの世界世論の危惧が、ここで水面下から次第に表面化しているといえます。

ドイツの有力紙の評論は電子版では遅れて掲載するか、あるいは全く掲載しないことが多いので、以下2紙のものを写真で記録しておきます(クリックすれば拡大します)。時間を見ていくつかを順次翻訳して行きますのでお待ち下さい。ドイツ語が出来る方は以下で主なものは読めますのでご参考まで。
南ドイツ新聞論評2012年12月28日


さて翻訳です。少し読みにくいですがご容赦下さい。

    南ドイツ新聞2012年12月28日論評

       分割支払いの脱原発

                    クリストフ・ナイトハルト

 日本の新首相安倍晋三は就任後の初日に大音声で原発撤退からの撤退を布告させた。現時点ではまだ無傷の50の原子炉のうち48が稼働停止中している。安倍はもっと静かにではあるが、正確には3年以内に推進再促進について決定すると述べた。原子力経済に援助されている安倍は核エネルギーを望んでいる。しかし彼は有権者の支持も同時に望んでいる。だからこそ彼は彼の資金提供者が聴きたいことを大声で言わせたのである。彼は当面は実施を望んではいない。

 この3年の期限で彼は責任からこっそり逃れるのだ。過去50年間にそれより長く政権にあった首相はわずかに3人でしかない:安倍は4番目にはなることはない、それにふさわしい忍耐力が彼には欠けているのだ。その間に日本は、原子力ロビーと国民の多数との間の手詰まり状態で麻痺することになる=安倍政権でさらに緑のエネルギーのための時間と技術を失うのである

 前任者の野田佳彦首相は脱原発を唱えたが、それは有権者の支持を望んだからだ。彼の民主党の少数となった残党は、いまや原発支持者を党の代表として選んだ。とはいえ日本は核エネルギーの再推進にはほとんど近づいてはいない。日本人の大多数はそ拒否から二度と外れはしない。というわけで原発撤退からの撤退の布告は、政治がさらに国民から乖離したことを明確にしたのである。

 (翻訳者梶村の解説:おそらくデスクがつけたであろうこの東京特派員の論評の見出しはあまりふさわしいものとは思えませんが、原発ロビーの代弁者である安倍政権の成立で、政権と国民との間の乖離がさらに拡大したことを端的に指摘しています。多数派の日本人が決して原発促進を容認することはないことを断定しており、安倍政権は将来への時間の無駄であると単刀直入厳しいく指摘しています彼も安倍氏が→野鴨ではなく忍耐力のないひ弱い家鴨であることをちゃんと見抜いているのです。29日翻訳追加、30日訂正)

フランクフルターアルゲマイネ論評 FAZ 28.Dez.2012。一面


フランクフルターアルゲマイネ紙2012年12月28日論評

      後退の役割

     ペーター・ストュム

 ある政権が、何十年もの長きにわたりやってきたことが正しかったので、それはこれから数十年も間違いではないかもしれないと主張すれば、それは首尾一貫していると言えよう。しかしそれはまた後退姿勢であるとも言える。真実はおそらくその中間のどこかにある。
 安倍首相の日本の新政権が今、原子力の民需利用を再び強化すると公言すれば、それが大きく注目されることには間違いない。ドイツにおけるように原子力のテーマがすでに真剣には論争にならないところでは、おそらく大半が納得できないところであろう。だが例えば日本の近隣諸国では事情は全く異なっている。日本だけでなく、そこでも最終処理の計画がないにもかかわらず、中国人も韓国人も原子力に賭けている。またその他の諸国でもエネルギー転換をここで直ぐに強制しようとするドイツの厳格主義はなじみがない。

 とはいえ、はたして日本のように、相当に地震の危険性が高い国で、(推定上で)より安全な原子炉を再稼働させるだけでなく、原子力発電所の新設までを考慮するとまで公言することが、はたして賢明なことであろうかと疑問を呈することは許されてしかるべきだ。2011年3月の福島での爆発の後に起こった経験は、まさにそれを確信させるものではない。この間の多くの検証作業は、営業企業である東電が、お粗末な危機管理を行ったことを証明している。政府はこの面を継続的に改善するよう介入する可能性を明らかに持っていなかった。今これが改善されるのであろうか?新しい規制官庁がひとつできはした。しかしそれの判断がどれだけ自由であるかは、少なくとも未知である。政治的意思があるところには、行政管理の途がある。そして何かが起こったとき、原発が安全であるのか否かが示されるのである。

 原子力エネルギーの急速な放棄は、いずれにせよ過度の国家負債を処理しなければならない国としての日本の経済をさらなる危機に陥れるかもしれない。しかしまさに日本のようなグローバルな経済大国としては、一件(再生エネルギー確保)に、他の一件(原子力)を早急に廃棄することなしにとりかかることが、より賢明ではないのかと熟慮すべきであろう。これこそが未来に向けた政治であろう。安倍首相の強さは明らかに別のところにある。

(訳者梶村のコメント:同紙はドイツの保守本流の一流紙です。非常に控えめな表現の論調ですが、要するに「安倍政権の原発政策はお利口ではなく愚策である。また経済大国としても危なく心配だ」と主張しているのです。南ドイツ新聞の単刀直入さとは対極的な文体で、特に最後の一文は慇懃無礼なまでの強烈な皮肉です。安倍首相の強さは見出しにあるように後退の役割にあるとしているのです。それを読み取ることがこの論評の解釈の要で
これを NHKをはじめ日本の大メディアの論説委員諸氏は、よく耳をほじくって傾聴すべきでしょう。

 同紙は朝日新聞や毎日新聞と同様に伝統的に原発促進の論調を続けてきましたが、この論評にもあるように次第に変わり、フクシマで完全に原発放棄を受け入れました。その面では朝日、毎日の論調とよく似ています。ただし、国家の赤字財政に批判的なことは両紙とはまだ異にします。
ドイツでは読売新聞のよう原発推進の論調は完全に死に絶えました。過去の遺物です。産經新聞などは議論の範疇の枠外です。また上記のリベラル一流紙の南ドイツ新聞は、現在の中日、東京新聞の論調に近いと言えます。30日翻訳追加)

以下はネットでの報道と論評でのいくつかです。
 

Die Energiewende wird in Japan immer noch als Bedrohung wahrgenommen

Schleichendes Gift

Japan will neue Atommeiler bauen 

Andere Regierung, andere Atompolitik: Fast zwei Jahre nach der Katastrophe von Fukushima hat Japans neu gewählte konservative Regierung angekündigt, als sicher eingestufte Atomkraftwerke wieder in Betrieb nehmen zu wollen. Auch der Bau neuer Meiler soll vorangetrieben werden.


Regierungswechsel in Japan Parlament wählt Atom-Freund Abe zum Premier
Fukushima? War da was? Das Parlament in Tokio hat Shinzo Abe zum neuen Regierungschef gewählt. Der 58-jährige Liberaldemokrat will den beschlossenen Atomausstieg rückgängig machen, ein gewaltiges Konjunkturprogramm auflegen - und auf Konfrontationskurs mit China gehen.


Schwenk in der Atompolitik Japan kündigt Bau neuer Atommeiler an
Die Erholung der Konjunktur geht vor, die Atomangst nach dem Fukushima-GAU zählt weniger: Gleich nach der Amtsübernahme kündigt Japans neuer Premier an, bald wieder Atomkraftwerke ans Netz zu nehmen - und neue Meiler zu bauen. Er will teure Energieimporte vermeiden.


Japan hat einen neuen Ministerpräsidenten: Das japanische Parlament hat Shinzo Abe mit großer Mehrheit ins Amt gewählt - bereits zum zweiten Mal. Um Japan aus der Krise zu führen, setzt Abe auf rechtskonservative Politik, einen harten Kurs gegenüber China - und eine Rückkehr zur Atomkraft.



Japan Macht Abe den Atomausstieg rückgängig?
26.12.2012 ·  Nach seinem Sieg bei der Parlamentswahl vor zehn Tagen ist Shinzo Abe von der Liberaldemokratischen Partei zum Ministerpräsidenten gewählt worden. Mit Abe kehrt ein Befürworter der Kernenergie an die Macht zurück.


2012年12月26日水曜日

138:ドイツ放射線防御協会からも下地准教授ら釈放要求と署名の呼びかけ(翻訳付き)/Aufruch für Freilassung der Atomgegner in Japan von Sebastian Pflugbeil/2人釈放1人起訴さる 2freigelassen u.1er angeklagt

 Eilmeldung: Prof. Shimoji und noch ein Inhaftierter N.sind am 28.Dez. um 19 Uhr Ortzeit in Osaka freigelassen. Aber Einer H ist leider angeklagt. Das bestätigt Prof. Shimoji selber per Twitter :https://twitter.com/mojimoji_x
Also Unterschriftaktion per Internetz dauert weiter für den Angeklagten H.

速報:下地准教授とN.さんが12月28日19時頃釈放されました。しかしHさんは業務威力妨害で起訴されました。下地さんが自らツイートで確認しています:
 https://twitter.com/mojimoji_x
したがって、ネットでの釈放要求の署名活動はHさんのために続けられます。日本語での署名は:http://keepcivicactivity.jimdo.com/からです。(28日追加)
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 昨年の秋、野田内閣のガレキ拡散焼却問題で→日本政府へ緊急の勧告を出し、日本に大きな影響を与えたドイツ放射線防御協会会長のセバスチィアン・プルークバイル博士が、大阪でガレキ焼却に抗議して不当に逮捕された下地真樹准教授らの釈放要求の署名をドイツで呼びかけ、また連帯のメッセージを日本に送りました。
以下、後半の連帯のメッセージだけを取り急ぎ翻訳します。どなたかの翻訳と重複する可能性もありますがご容赦下さい。日本での拡散お願いいたします。

Aufruch für Freilassung der Atomgegner in Japan 
von Sebastian Pflugbeil
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Liebe Freunde,
in den vergangenen Wochen sind mehrere Demonstranten in Osaka festgenommen worden, die gegen die Verbrennung von kontaminiertem Schutt aus der Fukushimaregion in der Müllverbrennungsanlage am Rand von Osaka protestiert haben. Nach allem, was ich bisher in Erfahrung bringen konnte, waren diese Verhaftungen völlig überzogen, die Leute sitzen immer noch in Untersuchungshaft. Für die Freilassung gibt es im Internet eine Petition, um deren Mit-Unterzeichnung meine japanischen Freunde bitten. Das ist der Link dazu:
http://keepcivicactivity.jimdo.com/english/


Helen Caldicott hat sich zu dem Fall folgendermaßen geäußert:

Statement from Dr. Helen Caldicott in support of Professor Shimoji

Professor Shimoji is a brave and moral man who is worried about his students and future generations. It is imperative that he be supported in his quest
to halt incineration of radioactive waste in Osaka and elsewhere in
Japan as this will add to the misery, sickness and deaths that will be
the Fukushima legacy.
Helen Caldicott

(zu finden auf der Seite
http://fukushimavoice-eng.blogspot.jp/
zunächst kommt ein leeres Blatt, dann muß man home anwählen, dann kommen mehrere Texte zu der Geschichte, auch Briefe von Prof. Shimonij, dann kommt der Text von Helen Caldicott)

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Ich habe zu der Geschichte folgenden Text nach Japan geschickt (er wird gerade übersetzt):
私はこの問題で以下のテキストを日本へ送りました。(目下翻訳中)

(以下日本への連帯メーッセージ本文と和訳)
Ich habe Professor Shimoij in Osaka kennengelernt. Er machte auf mich einen sehr besonnenen Eindruck. Wir teilen die Sorge um die Auswirkungen der Verbrennung von kontaminiertem Müll aus der Fukushimaregion. Ein Teil der Radioaktivität wird über den Schornstein in die Umwelt gelangen, der andere Teil über die Asche ins Meer. Dabei werden sowohl die Arbeiter der Müllverbrennungsanlage als auch die Anwohner im weiteren Umfeld unmittelbar gefährdet. Niemand kann garantieren, daß die freigesetzten Radionuklide nicht auch in die Nahrungskreisläufe im Meer gelangen.
 Ich war sehr beeindruckt, wie detailliert sich Prof. Shimonij mit dieser komplizierten Materie vertraut gemacht hat und habe in unserem Gespräch viel gelernt.
Ich appelliere an die verantwortlichen Behörden in Osaka, den Protest gegen die Müllverbrennung nicht zu kriminalisieren. Die jungen Familien mit ihren kleinen Kindern, die ich bei durchweg friedlichen Demonstrationen in Osaka beobachtet habe, haben gute Gründe, besorgt zu sein.
 Japan muß ebenso wie Deutschland nach Fukushima neue Wege beschreiten – das eröffnet ausgezeichnete Möglichkeiten der Zusammenarbeit zwischen unseren Ländern. Ich hoffe auf die Weisheit der Regierenden in Japan und Deutschland, mit der Bevölkerung gemeinsam diese neuen Wege zu erschließen.
Weihnachten wäre eine gute Gelegenheit, Professor Shimonij und die anderen verhafteten Demonstranten freizulassen. Alle noch nicht geklärten Fragen können dann ebenso geklärt werden. Ich grüße Professor Shimonij und seine Freunde und die Familien der Verhafteten und werde sehr aufmerksam verfolgen, was mit ihnen geschieht.

Sebastian Pflugbeil


私は下地教授とは大阪で知り合いました。彼は非常に慎重で落ち着いた印象を私に与えました。私たちは福島地域からの汚染されたガレキの焼却処理の影響に関する懸念で一致しました。放射能の一部が排気口から周辺に漏れ、他の一部は焼却灰から海に到達するからです。 その際、廃棄物焼却施設の労働者はもちろん、広範囲にわたる住民も直接危険にさらされます。まただれひとりととして拡散した放射性核種が海中からも食物連鎖へ侵入しないと保証することはできません。
私は下地教授がどれほどよくこの複雑な物質について理解されているかについて非常に強い印象を得ましたし、私は彼との対談から多くを学んだのです。私は責任当局に対して大阪での廃棄物焼却に反対する抗議を犯罪化しないよう呼びかけます。私が大阪での全般に平和的なデモで観察した小さな子供たちを持つ若い家族たちには彼らが憂慮するに十分な理由があるのです。
 日本はドイツと同様にフクシマの後に新たな道に踏み込まねばなりません=これは私たち両国の協力にすばらしい可能性を開いています。わたしは日本とドイツの政府に、国民とともにこの新しい道を開拓する英知を希望するものです。クリスマスは下地教授と他の逮捕されている抗議者たちを釈放する良い機会かもしれません。そうしてこそまだ解明されていない問題が解明されうるのです。
下地教授と彼の友人たち、また逮捕されているみなさまのご家族にあいさつを贈りますとともに、私は彼らに何が起こるかを非常に注意深く追跡いたします。

セバスチィアン・プルークバイル
  (以上が日本へのメッセージの和訳:訳責は梶村太一郎)

(以上に次のドイツ友人への補足が付けられていますのでこれも訳しておきます)

Die Stimmung in Japan ist sehr niedergedrückt wegen der unglücklich verlaufenden Wahlen. Unterstützung von außen wird dringend erbeten.

Mit guten Wünschen zum Neuen Jahr
Sebastian Pflugbeil

日本の雰囲気は不幸な経過をたどった選挙のため大変に落ち込んでいます。外からの援助は緊急に要請されています。

良い新年をお迎え下さい
セバスティアンプルークバイル


 

2012年12月25日火曜日

137:日本の悲劇(1)井戸川町長不信任決議と双葉町民へのメッセージ/双葉を救い日本を救おう/追加情報あり

 日本社会の悲劇は、どのような社会であれ市民がおびただしい犠牲を払って初めて民主主義を獲得し確立できるものだとの体験と認識を、主権者がいまだに持っていないことにあるとわたしは考えています。
 12月16日の国政選挙による自民党と安倍晋三極右反動政権の復活も、根本的には有権者のこの認識の欠落にあるとおもいます。3・11の原発震災でおびただしい犠牲が強いられたにもかかわらず、結果として日本の住民はさらにおびただしい犠牲を強いられることが明らかな選択をしたことにこれがよく現れています。民主主義未熟社会の悲劇です。
これは改善が必要な国政選挙制度以前の問題です。

またその4日後の20日には双葉町議会は井戸川町長の不信任決議案を8名の議員全員で可決しています。→福島民報の報道

井戸川克隆町長は、フクシマ事故の最大の犠牲を受けた自治体の首長のとして、自ら大変な被曝(良く知られているように、彼はいまだに鼻血が止まらないだけでなく、実は体毛の欠落もあったとわたしは彼に近い人物から聴いています)をしながら、この体験で核問題の本質を見抜き、双葉町民の長期的な利益のために、命がけで断固として闘い続けている立派な政治家です。(右の写真は上記福島民報から借用させていただきました)

 彼は10月30日にはジュネーブの国連人権委員会で、フクシマ事故の現状をひとりの被曝体験者として「日本政府は人々が真実を知ることを望んではいない」と国際社会に訴えています。
日本の既成メディアは至極簡単に報道するか、あるいは無視しています。日本の大半の大メディアも真実を知らせることを望んでいないのでしょう。ジュネーブでの演説の記録は「みんな楽しくHappyがいい」さんが丁寧に文字起こしをされていますので→こちらをご覧ください
また、演説は英文からドイツ語にも翻訳され→「放射線テレックス」12月号で公表されています。Ansprache vor dem Menschenrechtsausschuß der Vereinten Nationen in Genf の項です。

広島や長崎の市長はともかく、小さな自治体の長が国連機関で報告をすることは稀なことです。フタバの声は世界に届けられてるのです。残念ながらこのことの貴重な意義を双葉町議会は認識できないようです。

 今日の時点で井戸川町長は辞任か議会解散か決断をまだ表明していませんが、いずれにせよ犠牲者が一致団結すべきところで足を引っ張るのは実に愚かなことです。犠牲者たちが自ら墓穴を掘るのを見て、喜び笑うのはいったい誰なのでしょうか? 間違いなく原発事故の責任を取ろうとしない責任者たちなのです。これも民主主義未熟社会の悲劇といえましょう。

 さて、決議のあった日付で井戸川町長は町のホームページで「町民の皆様へ」というメッセージを公表しており、これも日本のメディアは伝えようとはしていないようです。
今日わたしのところにもファイルで届きましたので、万一町長が失職すると公式記録としては消されるかもしれないので全文を以下記録しておきます。

「目に見えるものは形や重みのあるもの価値が直ぐに判断できるものです。見えないものは未来です。一番心配なのは健康で、被ばくによる障がいであります。」 と町民の真の利益のために、非常に広い視野から無責任極まる日本政府を相手に、命がけで闘う町長が直面している、大きな困難と胸の内を町民に訴える貴重なメッセージです。このような政治家を失うことになれば、日本の民主主義構築にとって大きな損失であることは間違いありません。
 双葉が救われれば日本が救われます。その逆もまた真です。日本はその岐路に立っているのです。

(追加の情報です。12月25日)
*この不信任案決議に関しては天木直人氏が→「脱原発を唱えるものたちよ、いまこそ井戸川町長の下に結集せよ!」と書いています。

*2012年3月末に井戸川町長が彼の考えを非常にわかりやすくインタヴューで答えています。これを読めば彼の怒りと民主主義に関する全うな認識が誰にでも確認できます。→「双葉郡民を国民だと思っているのですか」

*12月20日の双葉町議会の傍聴記を堀切さとみ氏が本日紹介されています。→ 「正しいことしているから叩かれる」。全く議論もなく可決してしまったようです。

*今年のベルリン映画祭で初公開され当時数回関連の報告(→68、→70→71→73)しました「フタバから遠くはなれて」の舩橋淳監督が、これに先立つ井戸川氏の双葉郡町村会議長辞任に関してブログで見解を12月9日と15日の2度にわたり表明しています。町長に近い人物の見方として貴重な意見です。→ここのNewsからご覧ください。(27日追加:舩橋監督は26日に町議会解散についての背景をまとめています。これは必見です。→ここです。拡散お願いします。
 
*こんな騒動の中で、何と埼玉の高校校舎に避難しいまだに残っている年金生活のお年寄りたちの給食が有料になり寂しい正月になりそうだと本日、スポーツ報知が伝えています。→「双葉町民155人、震災最後の避難所を助けて」。耐え難く酷い仕打ちです。町議会の議員は井戸川氏を引きずり落とすような愚行を行いながら最も弱者の町民の最低限の利益のために力を出すべきです。以上が追加情報です。

*26日再追加:本日井戸川町長は町議会を解散しました。
毎日新聞の報道→「福島県双葉町:町長が議会解散」
なおこの井戸川問題については非常に重要なのでまた項を改めて追加します

(以下メッセージ引用)
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               町民の皆様へ

 町民の皆様、皆様の苦しみは計り知れないものです。毎日、皆様と話し合いができれば良いのですが、なかなか叶えられませんことをお詫び申し上げます。

 私が一番に取り組んでいますのが、一日も早く安定した生活に戻ることです。双葉町はすぐには住めませんが、どこかに仮に(借りに)住むところを準備しなければなりません。そこで、国と意見が合わないのは避難基準です。国は年間放射線量20mSvを基準にしていますが、チェルノブイリでは悲惨な経験から年間5mSv以上は移住の義務と言う制度を作りました。

 私たちは、この事故で最大の被ばくをさせられました、町民の皆様の健康と家系の継承を守るために、国に基準の見直しを求めています。この基準がすべてです。仮に住む場合は安全でなければなりません。子供たちには、これ以上被ばくはさせられませんし、子どもたちが受ける生涯の放射線量は大きなものになります。事故から25年が経ったウクライナの子供たちには働くことができないブラブラ病が多く発生しているそうです。

 私はこのようなことが一番心配です。町は絶対に事故を起こさないと言われて原発と共生してきました。しかし、今は廃虚にさせられ、町民関係も壊されました。自然も、生活も、生きがい、希望やその他すべてを壊されました。一方どうでしょう。これほど苦しんでいる私たちの思いは、皆さんが納得いくものになっていないのです。これを解決するのが先だと訴えています。

 私が皆さんに多くの情報を出さないと叱られていることは十分承知しています。出したくても出せないのです。納得のいくような情報を国に求めていますが、出してこないのです。国とは隠し事のない交渉をすることを求め続けてきています。町民の皆様を裏切ることは決していたしません。これから多くの情報を出していきます。

 放射線の基準に戻りますが、ICRP(国際放射線防護委員会)勧告を採用していると国では言いますが、国際的に採用している訳ではありません。ヨーロッパには独自の基準があり、アメリカでも自国の基準を作って国民を守っています。最近のICRP勧告では日本を非難しています。もう120mSvを採用しなさいと言っています。これは大変なことで、区域見直しも賠償の基準も変わってきます。
 
 このような中で冷静にと言っても無理かもしれません。このような環境に置かれているのだから、皆さんの要望を常に政府、与党には伝えてきました。政争に振り回されて進んでいません。

 福島県内に避難している町民を県外に移動してもらう努力はしましたが、関係機関の協力は得られずにいます。しかも盛んに県内に戻す政策が進行しています。県に理由を聞いても納得のいく返事は来ません。町民(県民)の希望を国に強く発信して頂きたいと思います。

 町民の皆さん、損をしないでください。財産には目に見えるものと見えないものが有りますので、区別しなければなりません。目に見えるものは形や重みのあるもの価値が直ぐに判断できるものです。見えないものは未来です。一番心配なのは健康で、被ばくによる障がいであります。ウクライナでは障がいに要する費用が国家の財政を破綻させるような事態になっています。今のウクライナが25年後の日本であってはならないのです。子供に障がいが出ればとんでもない損害です。この見えない、まだ見えていない損害を十分に伝えきれていないもどかしさがあります。まだ発症していないからとか、発症したとしても被ばくとは関係がないと言われる恐れがあります。水俣病のように長い年月をかけて裁判で決着するような経験を町民の皆さんにはさせたくありません。

 昨年の早い時期から町民の皆さんの被ばく検査を国、東電、福島県にお願いし、被ばく防止も合わせてお願いしてきました。しかし、思うようになっていません、原発事故による放射能の影響下に住むことについて拒むべきです。

 損について一部しか言いきれていませんが、一番大きなこと、何年で帰れるかについて申し上げます。今は世界一の事故の大きさのレベル7のままだということ。溶けた核燃料の持ち出し終了が見通せないこと。処理水をどうするのか、核物質の最終処分はどのようにいつまで終わるのかなど多くの要因を考慮して、木村獨協大学准教授が最近の会議の席上、個人の見解として双葉町は場所によっては165年帰れないと発言しました。私には可か不可の判断できませんが、大変重要な言葉だと思います。半分としても80年だとしたら、この損害は甚大なものです。

 また、被ばくの影響についても責任者に対して担保をとっておく必要があります。

 中間貯蔵施設については、議論をしないまま、調査だから認めろと言いますが、この費用の出どころを確かめることが重要です。この施設は30年で県外に出すと国は言っていますが、約束は我々とはまだ出来ていません。この施設の周りには人が住めません。六ヶ所村では2km以内には民家がないようで、双葉町では町の中心部が殆ど入ってしまいます。では、どうするのかの議論が先です。ボーリング調査を行うのは着工です。予算の構成を見ますと、整備事業の下に調査費が付いています。これは行政判断としては着工になります。着工の事実を作らせないために、私は非難覚悟で止めていることをご理解ください。

 十分すぎるほど議論して町民の皆さんの理解の下に進めるべきです。日本初の事業です。双葉町最大の損害で、確かな約束を求める事をしないまま進めてはやがて子供たちに迷惑をかけます。新政権とじっくり話し合いをして、子供たちに理解を貰いながら進めます。このように、私たちには大きな損害があることをご理解ください。

 寒さが一段と厳しくなりました、風邪や体力の低下に気をつけて予防を心がけてください。これからもお伝えします。

  平成241220日       双葉町長 井戸川 克隆



2012年12月17日月曜日

136:「過去へ向かう右傾の動き」/ドイツ「南ドイツ新聞」の日本の総選挙に関する論評の翻訳/そしてメルケル首相は・・・


ドイツ紙南ドイツ新聞東京特派員による日本総選挙結果に関する12月17日同紙掲載分論評を以下に取り急ぎ翻訳します原文電子版はこちらでこれにはロイター配信映像もつけられていますがそれは省きます

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Süddeutsche Zeitung 16. Dezember 2012 18:11

 Parlamentswahl in Japan 

  Ruck nach rechts in die Vergangenheit

Ein Kommentar von Christoph Neidhart, Tokio

日本の議会選挙   南ドイツ新聞2012年12月16日
過去へ向かう右傾の動き
東京、クリストフ・ナイトハルトによる論評

Konservativ bis stramm nationalistisch - bisher standen alle Regierungen Tokios rechts, doch sie haben sich zurückgehalten. Damit ist es nun vorbei. Der Wahlkampf der Siegerpartei LDP war vom bösen Ton und den Forderungen der Rechtsextremen geprägt. Und mit Shinzo Abe kommt ein Mann an die Macht, der von einem Japan der Vergangenheit träumt.
Japan rückt nach rechts, noch weiter nach rechts. Schon bisher waren die Regierungen stets konservativ, die meisten sogar stramm nationalistisch - auch die jetzt abtretende von Premier Yoshihiko Noda. Aber all diese Kabinette haben sich zurückgehalten.

保守的から強固な国家主義的まで=これまでの全ての東京の政権は右派であった、しかし彼らは抑制していた。しかしそれもここで終わりとなった。勝利した政党自由民主党の選挙戦は 悪質な響きと極右の要求に刻印されていた。そして安倍晋三という過去の日本を夢想する男が権力を掌握した。
日本は右傾化しており、さらに右傾化している。これまでも政権は常に保守的で、それどころか大半が強固に国家主義的であった=今退陣する野田明彦もそうである。しかし全ての内閣は抑制していた。

Mit diesem Klima ist es jetzt vorbei: Shintaro Ishihara, der einstige Bürgermeister von Tokio, der den Inselstreit mit Peking im Alleingang vom Zaun gerissen hat, sagt auch offiziell "Shina", ein Schimpfwort, wenn er von China spricht. Er fordert Atomwaffen für Japan und scheut sich nicht, laut über einen kleinen Krieg mit der roten Volksrepublik nachzudenken. Zusammen mit anderen Rechtspopulisten hat er den bösen Ton und die Forderungen der Rechtsextremen in den Wahlkampf eingebracht - und damit salonfähig gemacht.

このような雰囲気はここで終わった:これまでの東京都知事で、単独行動で北京との島を巡る争いの垣根を壊した石原慎太郎は、中国を語るとき「シナ」という蔑称を公然と使う。彼は日本に核兵器保有を要求し、赤い人民共和国との小戦争を考慮することもはばからない。彼はその他の右派ポピュリストたちと一緒に、この悪質な響きと極右の要求を選挙戦に持ち込んだ=こうしてそれらを社会に通用させたのである。

Seither kann Shinzo Abe von der Liberaldemokratischen Partei (LDP), Japans designierter nächster Regierungschef, endlich so reden, wie er denkt. In seiner erfolglosen ersten Amtszeit als Premier (September 2006 bis September 2007) hatte sich Abe noch nach China bequemt, um den Ausgleich zu suchen.
Das ist kaum mehr vorstellbar.

これにより日本の自由民主党の次期総理である安倍晋三は、彼が考えていることをようやく語ることができるのである。彼の失敗に終わった 最初の政権時(2006年9月から2007年9月)には、彼はしぶしぶながら中国との協調を追求した。もうこれもまずは考えられない。

Schon damals versuchte Abe, die Verfassung zu ändern. Ihr Paragraf 9 verbietet Japan jede Art Krieg, erlaubt ist nur die Selbstverteidigung auf dem eigenen Territorium. Abe will nicht nur diesen Friedensparagrafen abschaffen, er will auch die Menschenrechte beschränken und die Gleichberechtigung der Frauen streichen. Und in der Außenpolitik möchte er die sogenannte Kono-Erklärung widerrufen, mit der Japan eingestanden hat, dass seine Armee im Zweiten Weltkrieg Hunderttausende junge Frauen als Zwangsprostituierte aus Korea, China und Südostasien in Feldbordelle verschleppte. Kurzum: Der künftige Premier träumt von einem Japan der Vergangenheit.

すでにその当時、彼は改憲を試みようとしている。憲法9条は日本にあらゆる戦争を禁じ、自国領の自衛だけを許している。安倍はこの平和条項を廃棄しようとするだけではなく、人権を抑制し、女性の平等権を撤廃しようと望んでいる。そして外交政策では彼は、日本がこれによって自国の軍隊が第二次世界大戦時に朝鮮、中国そして東南アジアから何十万という女性たちを強制強制売春婦として野戦売春宿へ連行したことを認めた、いわゆる河野談話を撤回しようと望んでいる。手短かに言えば:次期首相は過去の日本を夢想している。

Keine nennenswerte Gegenbewegung

Die Regierungen in Tokio haben es bis heute versäumt, sich den Verbrechen gegen die Menschlichkeit ernsthaft zu stellen, die Japans Armee im Zweiten Weltkrieg begangen hat. Zwar haben mehrere Premierminister eher gewundene Entschuldigungen abgegeben, aber andere Politiker haben diese jeweils umgehend abgeschwächt.

語るに値する反対勢力の不在

東京の歴代政府は今日まで、日本の軍隊が第二次世界大戦で犯した人道に対する犯罪に真剣に対応することを怠ってきた。多くの首相たちが、遠回しに謝罪を表明はしはしたが、それらさえも他の政治家たちにより直ちに弱体化されてきた。

In den letzten Jahren erhöhten China und Südkorea den Druck auf Japan, es müsse seine üble Historie aufarbeiten. Zur Antwort flohen Japans Regierungen, die es seit zwei Jahrzehnten nicht schaffen, das Land aus seiner Dauerkrise zu führen, in den Nationalismus. Viele Wähler sind zwar empört über China, aber sie wollen keineswegs ein nationalistisches Japan.

ここ数年間、中国と韓国は日本に対し醜悪な歴史を克服しなければならないと圧力を高めてきた。 それへの回答として日本の歴代政権は、国を継続するこの危機から導きだすことにここ20年間成功せず、国家主義へと逃げ込んでいる。多くの有権者は中国に怒ってはいるものの、しかしながら彼らは決して国家主義的な日本を望んではいないのだ。

Eine nennenswerte Linke gibt es in Japan schon lange nicht mehr. Nippons Politiker erklären gerne, die Grundhaltung ihres Volkes sei eben konservativ. Sie haben dabei vergessen, dass es in der Nachkriegszeit starke sozialistische und kommunistische Parteien und eine wuchtige Studentenbewegung gab. Diese Linke hat sich nicht in Luft aufgelöst. Sie wurde einerseits unterdrückt und andererseits in den politischen Mainstream integriert und damit erstickt. Wie man heute weiß, half die CIA mit Geld, in Japan die Rechte an der Macht zu halten. Nur ein konservatives Japan ist eine zuverlässige Militär-Basis im Pazifik vor dem asiatischen Kontinent.

すでに長い間、語るに値する左派は日本には存在していない。ニッポンの政治家たちは彼らの国民の基本姿勢は保守的であると喜んで説明する。しかし彼らは、戦後に強力な社会主義と共産主義政党、それに激しい学生運動があったことを忘れている。これらの左派は霧散してしまったのではない。彼らは一方で弾圧され、他方で政治本流に統合され窒息してしまった。今日では周知のことだが、CIAはその資金で右派が権力を維持することを援助したのである。保守的な日本だけがアジア大陸に面した太平洋の信用できる軍事基地であるのだ。

Nach Fukushima wurde deutlich, wie Atomindustrie, Wissenschaft, Politik und Leitmedien unter eine Decke stecken: das "nukleare Dorf" Japan. Die Kungelei beschränkt sich nicht auf die Nuklearpolitik. Die großen Medien sind abhängig von der Industrie, sie waren stets eng mit der Partei LDP verbandelt - so eng, dass sie nach dem Regierungswechsel 2009 von der "Opposition an der Macht" schrieben. Sie haben den - keineswegs linken - Demokraten von Premier Noda nie eine Chance gegeben. Eine Gegenöffentlichkeit entsteht in Japan erst allmählich.

フクシマの後にはっきりしたことは、いかに原子力産業界、学界、政界、そして主要メディアがひとつの覆いの下で結託しているかである:すまわち「原子力村」日本である。大きなメディアは、常に自民党とつねに緊密に結びついている産業界に依存しており、2009年の政権交代時には「野党が政権に」と書いたほど緊密である。彼らは=全く左派でもない=野田首相の民主党にすら決してチャンスを与えようとはしなかった。これへの日本の対抗的な公衆的言論は、ようやくゆっくりと成立しつつある。(訳責:梶村太一郎)

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梶村のコメント:
ドイツの有力紙が、日本の大メディアを正面から批判した論評として、大メディアの上部の皆さんは、謙虚に耳を傾ける勇気がありますか? ほとんど無いでしょうね。それこそが国際社会で日本をここまで雪隠詰めにした大きな原因のひとつなのです。あなた方も古い過去を反省しないで戦後日本を生き延びた過去の亡霊なのです。
ここまでくれば、反原発デモの現場で「マスコミは帰れ!」と避難される惨状を恥じる感性を持っている現場の記者の皆さんの良心と勇気に期待するしかないといえましょう。

ここで採り上げたリベラル紙だけでなく、保守派の有力紙も同様にほぼ例外なく安倍政権を危険視しています。これだけでも安倍政権の日本が、世界共同体から剥離することは、初めから判り切ったことなのです。

メルケル首相「まず待ちましょう」17日首相官邸
それをよく示したのが、メルケル首相の本日(17日)の外国人記者協会との記者会見でした。日本メディアからの安倍新政権に関する質問に対して「新政権が何をするかまずは待ちましょう」と、また尖閣問題に関しては「とても複雑です」と極めて注意深く、冷静に答えました。
通常であれば、かつてドイツのハイリゲンダムでのG8で既知である安倍氏の再選を喜ぶとの、最低限の外交辞令もあってしかるべきですが、それもありませんでした。 すなわち安倍新政権は初めから、「何をするか判らない」と距離をおかれているのです。日本は無視されつつあるのです。寂しい限りです。
それはそうでしょう。眼を丸くして探しても、世界中で安倍新政権を歓迎する報道は、読売新聞とサンケイ新聞ぐらいしかないのですから。こんなことは少なくとも戦後史で初めてではないでしょうか。

なお、日本の右傾化を警戒する論調に関しては、→前回。またわたしの第一次安倍晋三政権批判は→こちらを参照して下さい。

135:総選挙の結果にさっそくベルリンで脱原発抗議集会/世界中が日本の右傾化警戒の論評

 本日12月16日の日本の衆議院選挙の結果は、世界中でほぼ例外なく没落しつつある日本の右傾化の現れであると論評されています。
これはドイツのシュピーゲル誌が東京特派員による電子版での報道→「日本の選挙・強硬派がカムバックを祝う」に使われているAP配信の写真です。
Der Spiegel ,AP

この写真につけられている本文を引用しての説明は次のとおりです:

Dabei hatten in Tokio wochenlang Hunderttausende Menschen gegen die Atomkraft demonstriert. Doch bei der Wahl - hier wirft ein Mädchen den Stimmzettel seiner Mutter in die Urne - spielte die Atomkraft eine kleinere Rolle als der Wirtschaftsaufschwung und die Außenpolitik.

東京では何週間も何十万人もの人々が原発反対のデモを続けた。しかしながら選挙では=ここでは小さな女の子が母親の投票用紙を投票箱へ入れている=原発は経済復興と外交問題よりは小さな役割しか果たさなかった。

この写真とキャプションが今回の総選挙結果の評価を象徴的に現していますので、引用しました。すなわち最悪の原発事故を起こしながら、原発問題が過小評価された総選挙での民意に、世界中が驚いているのです。
そしてこの評価は、保守から革新にいたるまでの大半のメディアでの一致した見方として、「第二次安倍政権は、祖先帰りして、借金大国の日本にさらに大借金を課そうとしており、公然と平和憲法を改悪して強行外交路線を宣言しているのは、懸念するべきことだ」と論評されています。
それら多くの中でもスイスのノイエチューリッヒ新聞の→「絶望からの停滞」と題する論評はその典型です。安倍氏の政策は経済的にも政治的にも「良くない兆候だ」としています。

総じて、フクシマの最悪の原発事故にもかかわらず、原発推進の自民党の反動右派が圧倒的多数で勝った日本に、世界中があきれているというのが実情です。 野田首相のハラキリ解散の結果今度は日本がハラキリ政権になるのではないかと危惧懸念されているわけです。
これは根拠のないことではありません。東条内閣の商工大臣で戦後戦犯となりながら、アメリカのCIAの手先として首相となった岸信介を誇りにする彼の孫安倍晋三政権が、再び古くさい借金政策と強硬外交で日本と世界を破綻に導くのではないかと危惧されるからです。
この選挙結果が日本の信用を一段と落としている事実を日本のメディアは知るべきです。アメリカよりもヨーロッパでの懸念のほうが大きいようです。

そこで、さっそくベルリンの反原発市民運動Antiatom Berlinが日本人の「さよなら原発」グループとともに、日本大使館前で集会を行い、日本の新政権にフクシマ原発の特に4号機の危険性を指摘し、周辺汚染地域からの避難と移住を促す要求書を届けます。

詳しくは以下の通りです。12月17日15時30分、ヒロシマ通り日本大使館前集合です。(あいにくわたし自身はちょうど同じ時刻に首相官邸での記者会見があり参加できませんが、矢嶋記者たちの報告に期待しますので、よろしく)

 →Kundgebungvor der japanischen Botschaft

 Atomkraftfreies Japan - SAYONARA Genpatsu

  Wahlen in Japan

Forderungen an die neue Regierung
Die Vorgänge im AKW Fukushima Daiichi haben viel verändert. Die Gefahren sind noch nicht gebannt, wie der Zustand des maroden Reaktorgebäudes 4 mit seinem Abklingbecken zeigt. Herabstürzende Brennelemente würden eine noch größere Katastrophe auslösen. Die Betreuung der Gesundheit der Bevölkerung, Evakuierung und Umsetzung der Menschen in hoch verstrahlten Gebieten außerhalb des mit einem Zirkel gezogenen Radius, und viele Punkte mehr bewegen uns und vor allem die hier lebenden japanischen MitbürgerInnen.

Die neue Regierung muss ihre Atompläne aufgeben, raus aus dem alten Fahrwasser und den Ausbau der Erneuerbaren Energie befördern.
Wird sich die neue Regierung den Herausforderungen stellen oder hinter das „Atomdorf“ der Gruppe von Geld-Macht-Atomlobby stellen? Tausende protestieren jede Woche auch für mehr Mitbestimmung und echte Volksvertreter statt selbstgefälliger Oligarchen.
Unsere Anliegen wollen wir vor die Botschaft bringen. Schreibt Eure Forderungen auf Schilder und bringt sie mit!

Am Montag den 17.12.2012 um 15:30 Uhr treffen wir uns bei der Botschaft an der Hiroshimastraße 6 und werden auch eine Petition übergeben.
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追加です。本日の日本大使館前での抗議集会の様子がビデオで見れます。
断片的ですが、→ここと、→こちら(全部で12本あります)です。