2012年12月15日土曜日

134:宇都宮けんじ・山本太郎・未来の党など脱原発候補に一票を/下地真樹准教授の即刻釈放を

 いよいよ、16日の投票日までに、あと一日となりました。本日(14日金曜日)も遠いベルリンから日本の選挙戦をモニターしましたが、投票日が近づくにつれ欧州のメディアも日本のメディアの報じる自民党単独過半数の予測にそって、安倍極右政権を危惧する報道が出て来ています。
ドイツ語圏報道でもシュピーゲル誌は→「フクシマにもかかわらず日本は右へ漂流」、また同誌は東アジアの軍事的緊張に関しても日中韓国のナショナリズムの台頭に関して→「未来の市場が危機地帯へ」、さらにウイーンのスタンダード紙は→「日本は古い海岸に座礁する」などとかなり詳しく報道し始めました。
 もし、大手メディアの予想通りの結果になれば、ましてや安倍政権が維新の会と国会で手を組むようなことになれば、日本はアジアだけでなく世界の民主主義国諸国からノン・グラータの国として見做され、本格的に孤立することだけは間違いありません。

それにしても選挙戦を遠くから観察してつくづく感じたことのひとつに、日本も選挙権を18歳からにすべきであるということです。ドイツでは成人年齢が18歳なので、大学生となればみな選挙に参加します。日本では大学生も半数は選挙権がないのはとんでもないことです。ドイツの緑の党は、若者の政治参加を促すために、選挙権年齢を16歳からとするべきと主張していますし、最近登場して来た海賊党の中には、何とゼロ歳から選挙権は与えられるべきだとの主張も出ており、これにはわたしも驚きました。
今、日本では多くの高校生や中学生が脱原発実現のために選挙権を欲しいと願っているのは間違いないでしょう。若年層の投票率が日本では極端に低い原因もこの辺りにあるようです。若者にこそ国家社会の将来を託さねばならないのですからこれは実現すべきでしょう。義務教育を終えた16歳からは選挙権を得るべきだとわたしも思います。自立して将来への責任を取る第一歩なのです。学校だけでなく社会教育が大切なのは、下記のようにネコですら環境によっては政治に興味を持つかもしれないのです。

今日は、岩上さんの中継実況で荻窪駅前での山本太郎氏の街頭演説、官邸前の金曜デモでの彼を含めた宇都宮けんじ氏、またついにそこに登場した小沢一郎氏の演説などを観ましたが、山本、宇都宮の両氏だけは何としても当選させたいものです。ふたりとの疲れ果てていながら、最後の力を振り絞っている姿は感動的なものです。日本の良心の象徴です。
安倍反動政権が成立しても、宇都宮東京都知事と山本衆議院議員が実現すれば、彼らは間違いなく次の闘いの中心となってくれることは間違いないからです。

ドイツの脱原発の歴史を振り返ってみても三世代にわたる苦しい闘いです。フクシマ事故で日本ではそれを一世代でやり遂げなければならないので、その大変さはなおさらです。
とにかく、日曜日には宇都宮けんじ、山本太郎、そして日本未来の党など脱原発を本当に推進する人々に一票を投票しましょう。

 ベルリンから我が家のとら猫も選挙戦を見ながら応援しました。これはわたしのブログのある読者の方のツイッター情報から山本太郎氏の荻窪駅での写真を、えらく熱心に見ているアズキという名の猫です。見かけはヨーロッパ山猫そっくりの、とっても可愛いしっぽ美人のMädchenです。「門前のネコ習わぬ経を覚える」といったところでしょう。




以前にもここで主張しましたが、→ 白ネコでも黒ネコでも脱原発基本法を支持するネコは良いネコです。未来の党の候補者がいない選挙区では、もちろん社会民主党や共産党の候補を応援しましょう。

 今日の南ドイツ新聞の特派員は「日本では社会民主党と共産党など左翼政党が埋没してしまっている」と 報道していました。これはその通りで、バランスを失って極端な右傾化が起こる警告であると思います。



さてもうひとつ、どうしても我慢できないことがあります。大阪でガレキ受け入れ反対運動に熱心な阪南大学准教授の下地真樹氏が今月9日、不当にも逮捕されいまだに勾留されていることです。
即刻釈放することを要求します。そして日曜日には投票に参加させるべきです。
彼の一昨日の→獄中からの声明を掲載しておきます。これは明らかに脱原発運動を弾圧しようとする権力犯罪です。許しがたいことです。もしもこんなことで起訴などされれば、間違いなく日本の脱原発運動を巡るスキャンダルとして国際的に報道されることになります。民主主義社会ではあり得ない醜聞です。そのことを大阪の検察にあらかじめ警告しておきます。こんなことが許されるならば、まさにナチスが権力を掌握した1930年代の情勢の到来の兆候とされてもやむを得ません。

もし釈放しないのであれば、投票日翌日の月曜日には、明らかに公職選挙法に違反して公示後にツイッターで選挙運動を行った橋下徹大阪市長を即時逮捕すべきです。法の前では平等であるのが法治国家の原則だからです。
わたしはもちろんインターネットでの選挙運動も許されるべきだとの点では、橋下氏とこれだけは例外的に同じ意見ですが、とはいえ大阪検察がここで下地氏への逮捕令状を出しておきながら明瞭な違法行為を確信的に行っている橋下氏を見逃すのであれば、それは法治国家の検察ではありません。
公平にも橋下氏がこの件で逮捕されれば、もちろんわたしも断固として、彼の釈放を要求します。インターネットでの選挙運動は原則的に許されるべきであるからです。

以下下地准教授の声明の引用です。
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 逮捕状の被疑事実は、すべて、事実ではありません。当日現場にいた公安の警察官もすべてを見ていたはずなのに、堂々と事実と異なる被疑事実に基づいて逮捕を行ったことに、とても驚いています。
 なぜ警察がウソをついてまで私を逮捕するのか。それは私が、原発の再稼働に反対し、放射能の拡散に反対する市民運動に参加してきたからであり、とりわけ、運動の中で出会った警察の不正行為についても厳しく批判してきたからです。悪いことはなにもしていません。

 いま、私たちが暮らす日本は、そして世界は、危機的な状況にあります。福島の原発事故はいまだ収束せず、4号機の使用済み核燃料プールが倒壊すれば、日 本だけでなく、世界が終わると言っても過言ではない大惨禍をもたらすことになるでしょう。放射能汚染への対応もまったくできておらず、食品その他の流通を 通じて、汚染は拡大しつつあります。そんな中、「電気が足りない」とうそぶき、原発を使い続けようとしているのです。すべてが狂っているとしか言いようが ありません。

 この半年か1年の間に、政府がどのような施策を行うか、それによって私たちの未来は大きく変わるでしょう。日々、学生たちの顔を見ながら思います。二十 歳そこそこの彼らが私と同じ四十歳になる頃、どんな世界に暮らすことになるのかと。そのたびに、今回の原発事故を防げなかったこと、先輩世代として申し訳 なく思います。彼らには罪はないのですから。せめて、少しでもマシな世界を残せるよう、微力を尽くしたいと思っています。事故はすでに起きてしまいました から、時間はあまり残されていません。しかし、希望はあります。

 私は、いま、動くことができなくなりました。でも、諦めてはいません。こうして、私の声を外に届けることもできます。そして、もっと多くのみなさんが行動してくれれば、声をあげてくれれば、きっとまだ間に合います。
 私はとりわけ、私と同じように大学で教えている人、医師や科学者などなんらかの意味で専門家と呼ばれている人たちに呼びかけたいと思います。「無知で冷 静さを欠いている」かのように見える市民にこそ学んで下さい。その声が無視され、軽んじられている人のために語って下さい。

 真実は、批判と応答を通じて初めて、姿を現します。政府をはじめとする権威が語ることではなく、その反対側に立ち、権威に対して反問することを通じて真 実が明らかになるように行動して下さい。まちがってもいいのです。常に弱い側に立ち、その軽んじられる言葉や存在を擁護し、自らが仮にまちがうとしても、 逆説的に、権威との言説の応酬の中で真実が明らかになるように、語って下さい。あなたの専門分野が何であるかは、関係がありません。勇気をもって下さい。

 最後に、私がもっとも深く関わってきた震災がれきの問題について述べます。大阪市は11月末に試験焼却を強行し、来年2月の本焼却開始に向けて着々と準備を進めています。
何度もあちこちで述べてきましたように、震災がれきの広域処理は誰のためにもなりません。それは被災地支援どころか復興予算の横取りであり、かえって復興 の足を引っぱります。同時に、放射能をばらまき、かつ、汚染地の人々に放射能を受忍させ、加害者である東京電力の責任を軽減するものです。代償は、私たち の、子どもたちの、そして、これから生まれてくる子どもたちの命です。こんなデタラメな施策が許されていいはずがありません。絶対に止めなければなりませ ん。これまでともに学び、取り組んできたみなさん、諦めずに戦ってください。また、これまで震災がれき問題について知らなかったみなさん、是非、今からで も知って力を貸して下さい。これは、私たちの未来そのものを守るための戦いです。

 私はいつ出られるかわかりません。でも、いつかきっと出られます。姿は見えなくても、心はともにあります。この間、不当に逮捕されている他の仲間たちもきっと同じ気持ちです。みなさんに会える日をたのしみにしています。

                2012.12.12 下地真樹


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