2011年9月23日金曜日

35:野田首相国連演説は「汚い核兵器/原発」による無差別テロの容認宣言である/追伸あり

昨日、2011年9月22日、ニューヨークの国連で野田首相が行ったフクシマ事故に関する演説は、一夜明けたいまだに首相官邸のホームページに掲載されていません。
これ自体が日本国民を無視した許し難い姿勢の現れです:
http://www.kantei.go.jp/
また総会ではない「会合」なので国連のホームページでも読めません。
http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=39655&Cr=nuclear&Cr1=

しかたがないので、これまで出てきている英文全文と通信社の「要旨」に頼るしかありません。
いずれ詳しく批判を書きますが、この演説は:

 1)9月19日の東京の6万人デモに集まった日本市民、この日全国でデモに参加し1000万人署名を集めた人々、またとりわけ、この日明治公園でのフクシマのハイロアクションの武藤類子さんの演説に対する日本政府の回答であると受けとめることができます。
武藤さん演説:
http://daysjapanblog.seesaa.net/article/226934666.html

2) 野田演説は「脱原発」に一切触れていないどころか、人類史上最悪の事故進行中にもかかわらず、さらにこの技術を「世界最高の安全性に向けて」徹底的に追究すると決意を述べ、驚くべきことに原発輸出まで行うと述べ、結論で以下のように述べています:

I am confident that, for Fukushima, the day will come when it is remembered as ''the place where, through people's strong will and courage, a new era was opened for the future of humankind.'' 
人類が英知によって原発事故の突きつけた挑戦を克服し、福島が「人々の強い意志と勇気によって人類の未来を切り開いた場所」として思い起こされる日が訪れると確信する。 (共同通信配信「要旨」)

これは、すでに「第21:原発中毒の人々と『人生の嘘』」で報告した原子力委員会の鈴木達治郎氏の思想、すなわちフクシマ事故の被災者を「聖なる犠牲者」として祭り上げようとするものと同じです:
http://tkajimura.blogspot.com/2011/08/blog-post_28.html

 3)この演説は、野田首相が、いまだにいつ何時、最悪の事態を招くかもしれない「集中治療室の患者」でありつづけている日本の実情を無視し、原発事故の本質が、人類だけでなく生きとし生くるものを永遠に脅かす「汚い核兵器」による無差別テロであることを実証しているにもかかわらず、これを正当化はせずとも容認する原発中毒の患者であり、原発推進原理主義者であることを、国際舞台で宣言したものであることだけは断定できます。

このような首相の政府は無責任にも国民を平気で地獄に道連れにします。かつての大日本帝国陸海軍と全く変わっていないドジョウ首相の本音がでました。
恐ろしいことです。

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追伸です。ようやく外務省のホームページに掲載されました。首相官邸は機能していないようですね。
内閣広報は写真だけを提供しています:
原子力安全及び核セキュリティに関する国連ハイレベル会合 野田総理大臣スピーチ 
http://www.mofa.go.jp/mofaj/kinkyu/2/20110923_101225.html

 これによると結論部分のオリジナルは以下の通り:

14.私は、確信いたします。人類が、その英知によって、今般の事故の突きつけた挑戦を必ずや克服することを。福島が、「人々の強い意思と勇気によって、人類の未来を切り拓いた場所」として思い起こされる日が訪れることを。そして、本日の会議が、原子力安全を最高水準に高めるため、我々が共に次なる行動をとる一里塚となることを。日本は、今回の事故の当事国として、全力でその責務を担い、行動することをお誓いして、私の挨拶といたします。

大事故が世界にもたらした被害も、国民の苦悩も全く無視し、国連で原発推進の突撃喇叭を吹くとんでもない人物です。
「事故の責任を全力で担う」ならば、全力で原発を廃止してほしいというのが国民の意思です。こんな首相は国民の煮えたぎる怒りのなかで、柳川鍋のドジョウのようにセシウム豆腐の中で往生していただくしかありません。これを、とりあえずこれから半年間の闘争目的としましょう。

ついでですが、玄葉外相のスピーチも読めます:
http://www.mofa.go.jp/mofaj/kinkyu/2/20110923_101750.html

こちらの方は、フクシマ近くの出身のせいか少しましです。

「中長期的には原発の安全性を高めて活用しながら、依存度を引き下げていきます。」
との言葉があり、また被害者の気持ちを伝えようとはしています。高校生の作文のようですが、野田首相よりはるかに正直です。

2 件のコメント:

  1. 国際社会に参入したつもりの野田首相と内閣の見栄の国連デビューは厚顔無恥の所行だ。野田首相は国民の不幸を踏み台にし、国際舞台でそれを美化して自己陶酔発言。「人々の強い意志と勇気」で原発放射能を受け入れ続けろとでも言うのか。
    これは一国の代表というよりも政治音痴詭弁曲芸の団長としか見えない。

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  2. 3.11を過去の災害と見なす(過去にしたがる)首相はこれで二人目である。
    この相次ぐ先走りは日本の政治家の浅薄な功名心と言うにはあまりにも酷い。

    菅直人前首相は早速、民意不在の市町村の再構築を歌い上げた。
    (野党に交換条件つけられ退陣、国連にデビューできず)

    野田現首相も晴の舞台で民意未承認の安易な未来像を描いた。
    世界に向かって、原子力安全のために日本が一里塚になると言う。
    それは日本国民が原発の人柱になりますと言うことではないのか。

    「政治の指導者や政府は、その地位を、半分は武力に、半分は選挙によって維持しています。それぞれの国の中で、道徳的あるいは知的に最もすぐれた人々の代表だとみなすことはできません。」アルバート・アインシュタイン
     Bite-Size Einstein、邦題「アインシュタイン 150の言葉」

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