2014年2月6日木曜日

227:3年前のベルリン映画祭:小泉元首相を脱原発へ転向させた映画「オンカロ・10万年後の安全」を紹介

 今日、3月6日から例年のとおりベルリン映画祭が始まります。
このブログを始めて以来、招待された一昨年、昨年と2月にはフクシマ事故と震災に関する日本の優れた作品、またこの→映画祭の歴史背景を紹介してきました。

27.Jan.2014.Berlin.Photo:T.Kajimura
今年は、これらに関する日本の映画は、残念ながら久保田直監督の「家路」一本を除いて見当たらないようです。今年の様子は→永井潤子さんの報告をご覧ください。
しかし先月末にあった映画祭のボスであるコスリック氏の記者会見には出かけました。日本の映画人の皆さんにはおなじみのこの方の、記者会見は、実に面白いからです。
その時の左の写真の背景にあるのが今年のベルリナーレのポスターです。

日本映画以外でも、興味ある映画に出くわせば(これは時間があればの問題です)、紹介したいと思います。

 さて、そこで今回は、3年前のベルリン映画祭、すなわちフクシマ事故のちょうどひと月前の2011年2月に上映された原発に関する映画のひとつについて書きます。

というのは、今日、東京都知事選挙戦で連日声をからしている小泉純一郎元総理が、→彼のツイッターで以下のようにつぶやいていることを知ったからです:


私はこれをみて変わった!一人でも多くの人に是非是非みて欲しい。 映画『100,000年後の安全』→(日本語吹き替え版・21012時まで無料配信中


 日本のみなさまにも、この原発推進をしていた(すなわちこの面でも、わたしの長年の宿敵であったし、靖国問題などでは今でも宿敵である)元総理大臣の原発に関する考えを180度転向させる助けとなったこの映画を、無料サービス中の10日までに是非とも観ていただきたいと思うからです。(ただし、ドイツなど特定の日本国外からはネットでは観れませんので、ご了承下さい)

ついでですが、連日街頭演説で頑張っている小泉氏は、ツイッターで以下のようにもつぶやいています:


今日荻窪八王子町田街頭もスゴかっただけど街頭反応と世論調査とどしてこんなに違何度も選挙をし街頭演説をしてきた僕から見るとこれなら圧勝はずだが調査結果は一位ではないおかしい


話だけどところテレビや新聞都知事選報道が限定的時には一方的だと感じるは僕だけだろ原発争点隠しにも見える壁を突破するには街頭で出会った人ネットを見てくれる人力にすがる他はない皆さん壁を必ず突破しよ

この指摘の意味するところは、おそらく今回の選挙結果に関して大きな意味を持つことになると思いますので、ついでにここで引用しておきます。

 さて、本題ですが、2011年2月のベルリン映画祭は、当時の中道右派の第二次メルケル政権がすでに決定されていた脱原発法にある原発の稼働期間を延長させることを強行し、ドイツで反原発運動が、寝た子を起こすように活発になっていた時期でした(わたしも当時の『世界』でこの様子を報告しています)。
そのような政治情勢を背景に、映画祭ではいくつかの原発に関する優れた映画が紹介されており、そのひとつが「10万年後の安全」でした。これも芸術祭の批判精神が社会文化に貢献することの、実に良い一例であると言えます。

これらの原発映画について、日本語の→「ドキュメンタリー映画の最前線」というメルマガでフクシマ事故後の2011年7月に報告があります。

 実は、この報告の筆者である、梶村昌世というのはわたしの長女です。ですからおやじが紹介するには、気が引けるところです。しかしこの際、日本の元首相の考えを変えた映画の日本語でのまとまった内容の紹介の嚆矢でもあるので、ここにあえて該当する後半部分だけを採り上げておきます。全文は上記をご覧ください。
この優れたドキュメントの理解の一助になればと願います。

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   原子力とそ後先をめぐるドキュメンタリー映画

 ・・・・(前半は省略)・・・・

 今日まで核廃棄物問題は解決されていない持続的な処理計画もなければ最終処分場もはない課題に取り組むも一つドキュメンタリー映画がある
 

 様々な映画祭で受賞したデンマーク人監督ミヒャエルマドセンInto Eternity』(『100000年後安全』)はフィンランド最終処分場オンカロを探査するオンカロとはフィンランド語で隠れ場所を意味する世界初永久な最終処分場として企画設計され18億年岩盤地下500メートルに巨大なトンネルシステムが建設されつつあるフィンランドとスエーデン共同企画として20世紀70年代に発足2100年代に完成が予定されている 
 こ最終処分場にはランプルトニムなど原発核廃棄物が保管されるわけな10万年とい想像を絶する期間封じられたままである必要があるすると実践的に切実な同時に哲学的な質問が出てくる10万年後人類は滅びているかもしれないもしかして存在しているかもしれないまたは違生態系が生まれているかもしれない

 いずれにしろ10万年後文明に最終処分場オンカロを封鎖したまま開けてはならないことをど伝えるとい問題にぶつかる言語も文字も知能も10万年後間は全く異なっていることが予想されるに未来人間とコミュニケーションをとるか如何にして情報を収めるか北欧専門家が思い悩む

 『アンダーコントロールとはスタイルが全く異なるこ映画はタイムカプセルな建設中最終処分場を発破工に付いて探索し最終処分場をめぐる様々な要素を専門家たちが会議で議論しているかにカメラに向かって語る監督自身も10万年未来人間に語りかけるといナレーション手段を取り映像撮り方使い方も現実を超現実的なもにしていく 
 実際10万年歳月を考えると現実といはとてつもなく小さくなっていく未来が如何に予想できないことかが明らかになりそして人間存在私たち想像限界が見えてくるわからないとい事実だけが確かに見えてくる

 今私たち家庭に送られてくる原子力によって発電された電気はな計り知れない後難がある原子力といテクノロジーが生み出した様々な問題は末永く人間に付き添い被曝と放射能汚染とい危険はなくなることがない

 
 戦後子力いわゆる平和利用が始まってから平均で10年に一度世界どこかで起きた大きな原発事故と核軍拡競争へ反応としてドイツでは60年代から根強い反核運動が生まれ人々は高い問題意識を持っているそして1986チェルノビリ原発事故で放射能雲が西ヨーロッパまで届き健康と生活を脅かされる経験をする今回福島第一原発事故で地球反対側にあるドイツがここまではっきりと脱原発に踏み出した背景がある

 しかし似たよな過去を持っている日本とドイツが現在こにも違状況にある一つ理由があるよに思える第二次世界大戦で同盟国として加害者であった二つ国は戦後戦争責任へ取り組みが国レベルでも個人レベルでも異なっている 

 日本では原爆投下被害によりアジア各国で戦争犯罪を充分に伝えれることなく広島長崎経験者でありながらも原発を促進してきたドイツはホロコーストと60年代から向き合い反省が社会全体に対する批判的な姿勢を促し根強い社会運動と環境保護運動を生み出した過去に向き合い責任を持つことは未来を育てることでもある今回大きな試練を機に日本人一人一人が自分と社会繋がりそして自国歴史を見つめ直し自分と世界日本と世界関係を考え今後少しでも暮らしやすい環境を作っていけたら今回大きな犠牲もまたチャンスであるに違いない

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