2014年2月23日日曜日

233:ウクライナの市民革命復活:ユーリア・ティモシェンコ元首相釈放

昨日報告したキエフでの→与野党の協定が実現して24時間を経ないうちに、ウクライナのヤヌコヴィッチ政権は崩壊し、キエフの主権は市民と議会の手に戻りました。

 逃亡した大統領も職務不履行を理由に議会決議で罷免され、同じく議会での刑法改正ユーリア・ティモシェンコ元首相釈放決議もなされました。その様子はシュピーゲル電子版の→こちらで

議会での釈放決議で喜びの涙を拭く元首相の娘さん
これにより、彼女は先ほど釈放され、現在キエフへ向かっているところです。


釈放された最初の写真ツイッターより

 彼女の→釈放時と最初のインタヴューはこちらです。腰を痛めているため車椅子にですが、元気そうです。間もなく、キエフの独立広場で市民へ演説すると伝えられています。
5月25日と議会で決定された大統領選挙にも「当然立候補する」と述べました。

 昨年11月から始まったウクライナの現政権批判の市民は、ついに流血の犠牲を払って政権を転覆する市民革命として復活したようです。
事態が安定するまでにはまだまだ時間がかかるでしょうが、ウクライナは分断の危機をはらみながらも、民主化へ大きな山を越えたことだけは間違いないでしょう。当面の心配はテロですが。



キエフの空港で再会した母子 Reuters
いずれにせよソチのオリンピックを終えた来週から、この国を巡ってのロシア、アメリカとEUの三すくみの長い力相撲が始まるでしょう。

二年半の牢獄生活のあとで

市民にさらなる参加を呼びかける dpa
この革命的な情勢の中で、ユダヤ系の市民への暴力も出てきているとのことです。危機の際には、良きにつけ悪きにつけ歴史の記憶が再び甦ります。

2 件のコメント:

  1. 突然失礼いたします。私、神奈川の地元紙・神奈川新聞の記者で佐藤将人と申します。どのように連絡を取ったらいいかわからず、ダメ元でここに書かせていただきます。
    日本では今、図書館で「アンネの日記」やそれに関連する図書が破られたりする被害が相次いでいます。かつて特定の図書がこれだけ被害に遭うことはなかったそうです。政治的思想の有無、犯人の意図などは不明で、むやみに本が持つ歴史的背景などに結びつけて語るのは忌避すべきと考えておりますが、国外でも報道されているのが現状です。もしかしたらその背後には、集団的自衛権の行使など、対外的な強硬姿勢を打ち出す日本に対する見方が変わってきているのも影響しているのではと、思っています。
    ドイツ国内でのこの事件の反応、また現地にいらっしゃるからこそわかる日本という国に対する見方の変わりようなどを、伺えればと思っております。
    もしご理解いただけるのであれば、不躾ですが、自身のアドレス、ms-sato@kanagawa-shimbun.jpまでご連絡を頂戴できますでしょうか?
    よろしくお願いいたします。
    神奈川新聞
    佐藤将人

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  2. 上記コメントへのお返事の一部は次のとおりです。

    佐藤将人さま、

    ドイツ語圏でも事件は報道されています。

    電子版での主なものをご覧ください:

    シュピーゲル誌
    http://www.spiegel.de/panorama/tagebuch-der-anne-frank-hunderte-exemplare-in-tokio-beschaedigt-a-954907.html

    ディ・ツァイト紙:

    http://www.zeit.de/wissen/geschichte/2014-02/anne-frank-buecher-japan-zerstoerung

    オーストリア公共テレビORF:
    http://orf.at/stories/2219317/2219316/

    同動画
    http://iptv.orf.at/stories/2219322/

    これまでのところ、事実関係だけですが、アンネの日記は日本では特に尊重されていることを強調したものもあります。

    背景が明らかになればおそらくもっと大きく報道されるのではないかと思います。

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