2014年1月24日金曜日

225:日本から世界へ朗報を!:都知事選では脱原発細川候補への一本化を最後まで追求してください。

 海外からでは、どうしても都知事選の雰囲気がとらえにくいのですが、公示された後になりましたが、脱原発候補の一本化ができなかった背景が判りました。

 まず、わたしの見解ですが、この選挙で細川氏が東京都知事になれば、これは世界世論で、ドイツのメルケル首相のフクシマ後の脱原発決断に匹敵する、いやそれ以上の日本市民の英断として非常に高く評価されることは間違いないということです。

 前回、一昨年の都知事選では、わたしも含めて脱原発派は一致して宇都宮さんを支持しましたが、猪瀬知事の辞任で突然行われることになった今回は、細川氏の立候補で残念ながら脱原発支持者は、宇都宮、細川両氏のどちらを支持するか、苦しい選択を迫られる事態になっています。
 下手をすれば、脱原発票の分裂で自民党が推す舛添候補が漁父の利を得て当選することも想定しなければなりません。 それを回避するために両候補の一本化を河合弁護士と鎌田氏が、両者に話し合いを提案したのですが、結果としてうまく行かなかったようです。

 宇都宮氏はこの結果について17日の段階でこのように語っています。→一本化問題で吠えるをご覧ください。たしかにこの時点で細川氏が対談、ないしは討論を断ったのは、有権者としては不満です。選挙では対立候補同士の公開討論は有権者にとっては非常に良い判断基準となるからです。

 しかし、脱原発を目指す全国首長会議世話人の、東海村の村長村上達也氏も、以下のように一本化を訴えています。この声はおそらく全国の脱原発を望む市民の考えを代表していると思います。
 また、細川氏の22日の立候補表明を受けて、南相馬の市長も細川氏支持を表明されたと聴いています。これこそが、原発事故に直面して苦しんでいる、イデオロギーや党利党略を越えた日本の広範な市民の意志であると思います。

 わたしも今からでも遅くないので、宇都宮氏に対して細川氏一本化へ向けた大局的判断を呼びかけたいと思います。以下の記者会見で鎌田氏も述べていますが、投票日の数日前まで、まだ時間があります。苦渋の決断であることは間違いありませんが、それによって宇都宮氏の人格が損なわれることは決してありません。いや、それは逆でしょう。
 
 細川氏はおそらく年齢からしても、一期で役目を終えられ次の選挙では、まだ若い宇都宮氏を後任候補として推薦されることもあり得ると思われます。ここで試されているのは両候補の度量の大きさなのです。

IWJが配信してくれている以下の記者会見をじっくり見て、改めてそう考えました。

*20日の河合弁護士ら「脱原発知事を実現する会」の→細川支持表明の記者会見

*岩上安身氏による→その背景の取材。21日。

*22日の→細川氏立候補記者会見全編

*その直後の「脱原発知事を実現する会」の→勝手連新事務所での緊急記者会見

 またこの関連では、田中龍作ジャーナルにも連日の優れたルポがあります。
例えば宇都宮氏を応援する→武藤類子さんの声など。
 ここで彼女は一本化ができなかったことについて次のように述べています:

武藤さんはとても残念なこと自分もずいぶん悩んだと苦悩表情を浮かべる言葉を続けた尾を引くことがないよ目的を見失ことがないよ選挙で分裂してしまな脱原発運動ではありませんよ 

 わたしもそう願いつつ、それでも一本化を実現する努力を最後まであきらめないように望みます。
安倍政権と舛添候補たちに(南ドイツ新聞は舛添氏を「保守のポピュリス」と紹介する記事を書いています)分裂で漁父の利を得させるような事態は、絶対に回避すべきです。

 フクシマ事故で地球規模での核汚染を発生させた日本社会の成り行きを、世界中は非常に厳しく見つめているのです。 安倍政権は日本の戦後最悪の危険な政権であることは、もう国際世論ですっかり定着しているのです。

 ここで細川知事が実現すれば、間違いなくフクシマ事故以降で、日本からの最初の大きな朗報として、世界も一息ホットするのです。これが現実です。 ベルリンからの日本の市民の皆さんへのお願いとします。

12 件のコメント:

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    1. このブログでは、批判はどんどんやっていただいて結構ですが、他者を罵倒するような表現のコメントは削除させていただきます。

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  2. 都知事選で脱原発派が勝利する意味は、名護市長選で辺野古への普天間基地移設反対派が勝利した以上に大きいと思います。
    また。エネルギー政策以外の政策で一致できない部分があっても、今は一点突破を目指して一致協力すべきであり、過去の言動や自分たちとの違いに拘泥すべきでないとの意見もある意味理解します。
    しかし、かりに舛添候補が勝利したら日本は終りですか?
    米国の原子力勢力と繋がる「原子力ムラ」の力は強大です。
    滋賀県の嘉田知事や橋本大阪市長が、大飯原発再稼動に反対しきれなかった理由はどこにあるのでしょう。
    わたしは、そこをもう一度考えて頂きたいと思います。
    周りを固められれば終りなのです。
    なぜ、細川陣営は宇都宮候補と正面から話し合おうとしなかったのでしょう?
    統一戦線とは、互いの違いを認め合って成立するものです。
    一方的に自己への同調を求める細川陣営(広範な市民の統一の力に依拠しない幹部の野合勢力)が知事選に勝利しても真の勝利には結びつかないと思います。

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  3. 細川選対責任者馬渡龍治氏ブログ(参考資料) 
    http://mokuou.blogspot.jp/2014/01/blog-post_7361.html

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    1. hirasawa さま、

      本当に細川さんが宇都宮さんと対面しないのは良くないと思います。あくまで私見ですが、彼の陣営に反共主義者がひしめいているからではないかとおもいます。

      この馬渡などというとんでもない人がいますからね。ところがこのような歴史認識で化石のような人物を脱原発実現のためには説得する必要もあるのです。
      事実、この人物が選挙戦で河合弁護士たちにレクチャーを背後で求めており、それに丁寧に対応しているようです。劣等生をやさしくする花丸先生のごとし。

      ロイターのこのインタヴューご覧ください:
      http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJEA0K00920140121?pageNumber=1&virtualBrandChannel=14173

      ご参考まで。

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  4. こんちは。
    檜原転石です。

    >この馬渡などというとんでもない人がいますからね。ところがこのような歴史認識で化石のような人物を脱原発実現のためには説得する必要もあるのです。

     意味不明な言葉です。「撫順の奇蹟」以外、私たちはほとんどそのような例を見ていません。左は平気で簡単に右に転向しますが・・・(笑)。鎌田慧も広瀬隆ももう終わったのです。彼らも、ほとんどの日本人が馬鹿な右翼になってしまった例証でしょう。

     歴史の事実を直視できない人間、事実をねつ造して居直る人間は反省も謝罪もしません。原発についても同様です。ヒバクシャを使い捨てた核産業について反省も謝罪もしない人間の脱原発を信じるほどに日本の「左翼」の知性は馬鹿になったのです。イラク侵略戦犯の小泉は劣化ウラン弾によるヒバクシャに謝罪しましたか?100万人以上の戦争犠牲者に謝罪しましたか?

     細川護煕や小泉が“本気で脱原発”ならば、必死に宇都宮を支援すればいいのです。知的誠実さがあれば誰でも当然そう行動するでしょう。だって脱原発では本家の社民党は宇都宮を支援しているのですから。ちなみに沖縄では社民党は比例区では1位だったこともありますよ。

     以下に私がよく使わせてもらっている性奴隷に関するあなたの記事と細川護煕の選対責任者で歴史修正主義者の馬渡龍治の記事を紹介します。言うまでもなく正反対の見解です。

     右手と左手が正反対のことをやっている人間(私が言うところの「江川紹子症候群」――テレビで死刑を叫びながら、名張毒ぶどう酒事件を取材)は殺される側、搾取される側からは信用されることなどありません。反原発も反企業独裁も原理原則は同じです。軍需産業・強欲企業などの金儲けのための侵略で一方的に殺される戦争被害者(イラクなどのヒバクシャを含む)、核産業でヒバクシャとして使い捨てられる労働者、強欲企業に搾り取られて使い捨てにされる労働者、彼ら彼女らの立場から強欲企業に反撃しない限り脱原発など実現しません。

    ★ただし現時点でも、ひとつだけ確定できることは、日本軍のように植民地や占領地の若い女性を甘言や拉致で組織的に集め、20万とも推定される膨大な人数の女性たちを拡大する最前線まで性奴隷として強制連行し続けた軍隊は他にはないということです。これが、日本軍による犯罪行為の特殊性なのです。
    世界中で20世紀の恥ずべき歴史とされるのはそのためです。橋下氏らが我慢できないとする「日本軍だけが悪者にされるの」ことには、このような根拠があるのです。この面では旧日本軍は特段に野蛮な軍隊でした。

    ▼まわたり始末控
    前衆議院議員 まわたり龍治のブログです。
    登録
    日本軍が慰安婦にした事実はない
    2014.01.15
    http://blog.mawatari.info/?day=20140115

     韓国の女性家族省が、慰安婦の証言をユネスコの「世界記憶遺産」に登録するように動いています。

     慰安婦の証言から体験談を描いた絵や、日本大使館で22年間続いている集会の記録などを世界遺産として登録するというのです。平成の20年ころに、戸井田とおる先生と慰安婦問題について真実を確かめようといろいろな文献や資料を調べたことがあります。その結果、日本軍が強制連行した女性を慰安婦にしたという事実はないと確信しました。当時の新聞には朝鮮人が、朝鮮人や日本の女性を誘拐して東南アジアに売り払っていたという記録があります。また、朝鮮人の業者から高額の金額をもらって慰安婦をしていた朝鮮人の女性がいたという文書を見ました。

     ぜひ、このような事実も「世界記憶遺産」に登録してほしいです。

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  5. 檜原転石さま、

    たしかに馬渡という人物は、とんでもない歴史修正主義者ですね。しかし細川氏本人はそうではありません。選対にろくでもない人物がいるから、支持しないというのはどうでしょうか。

     細川氏の脱原発への意志は本物です。今から2年前の『世界』2012年1月号で、彼は政権時代の「原発容認の非をさとり、脱原発に改宗しました。しっかり学習したからです」と述べて、非常な危機感を持って当時の野田政権へはっきりと脱原発の方針を出せと主張しています。

     慰安婦問題に関しては、安倍氏の「おともだち」の新NHK会長が、早速、またまたろくでもない歴史観を披露していますね。このような悲惨な安倍政権の足下を崩す可能性のある今回の都知事選では、全うな歴史認識をもって脱原発を望む市民は一致して闘ってほしいものです。

     わたしのお願いはそれ以上でもそれ以下でもありません。
     

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  6. hirasawa です。脱原発派の勝利で安倍政権の暴走にストップのお気持ちよく判ります。
    細川陣営が宇都宮候補との話し合いに答えなかったのかを考えるとき、細川氏をどうしても支持する気持ちになれません。
    参考資料
    細川選対のクーデター首謀者は旧側近グループと朝日新聞Y役員(藤本 順一)
    新聞Y役員(藤本 順一)
    http://no-border.asia/archives/18663

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    1. Masahide Hirosawaさま、

      両者の話し合いが、水面下でどれくらいあったのかなかったのかは、わたしは残念ながらここからでは確認できません。
      心ある人たちは、現時点でも試みていると思います。

      何が起こるかは判りませんので、最後まで希望は捨てたくありません。

      そうですね。日本の大手メディアは腐り切っています。沖縄の二大紙だけが例外です。この例外が主流になるまでは、日本のメディアには期待できません。

      みなさん、沖縄タイムスと琉球新報を読めば、馬鹿になりませんよ。

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    2.  今知ったのですが、産經新聞によれば、この選対の指揮者が解任されたようです。
      これは良いですね。
      http://sankei.jp.msn.com/politics/print/140127/elc14012722120007-c.htm

      東京都知事選で立候補した細川護煕元首相の選挙活動の指揮を執っていた馬渡龍治事務局長(元衆院議員)が退任することが27日、分かった。

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  7. hirasawaです。
    馬渡氏の件最新情報
    IWJが馬渡氏の「解任」について事実関係を細川氏の選挙事務所に確認したところ、広報・宮下氏は「あくまで体制強化のための配置転換であり、馬渡氏も木内氏も今も事務所に来ています」と回答。
    http://iwj.co.jp/wj/open/archives/122259
    細川・小泉氏の脱原発への思い、細川氏のレジームチェンジの必要性の訴え共感します。
    祖国と郷土と家族のため進んで戦地へ赴いた特攻隊員と重なって見えます。
    しかし、現実は厳しく残酷なものです。
    都知事選期日前投票出口調査
    http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20140130/plt1401301532002-n1.htm
    2014/01/30 16:50
    桝添40%
    二位は20%弱で宇都宮、
    それに接近して
    三位細川
    四位田母神で、
    田母神は追い上げていると言う。
    本当に脱原発に進もうとすれば、核燃料サイクルと安全保障の問題で米国との調整が必要になってきます。
    彼を支える雑多な政治集団に白紙委任することが、この壁を打ち破る確かな方向だとは、わたしにはとても思えません。

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  8. hirosawaさま、

    そうですね。厳しいですね。石原や猪瀬を長年支持してきた東京都民の意識を一挙に変えることは大変なことです。

    ひとつだけ。知事選でも何でも選挙というものは白紙委任をすることでは決してありません。支持し当選した人物を公約を実行するか否かを厳しく監視して、応援もし監視もするのが有権者の義務であり権利です。

    今回の都知事選は世界の原発ロビーの拠点である日本のそれにくさびを打ち込む大きなチャンスです。
    ここで舛添候補に漁父の利を得させるのは愚かなことです。

    もうひとつは、安倍政権の暴走も許すことになります。長い間日本の情勢はワイマール末期に似ていると言われてきましたが、そのとおりで、今は1932年のドイツに似ています。放置すればみじめなことになります。
    亡命の時代の始まりとなるでしょう。

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