Keiichi Hayashi (left) and Liu Xiaoming. Photo: SCMP南華早報 |
昨年末から、わたしは安倍首相の靖国参拝は「 日本にとっては悲劇ですが、国際的には喜劇となるでしょう。外交とは悲喜劇の綾なす舞台なのです。 」と書いていますが、そのとおりになってきましたね。
大沼氏は→まずは:
このブログで、 梶村さんはこうも指摘している。
……日本のメディア、政治家の皆さんに知っておいていただきたいのは、ある政権を批判する欧米のメディアが、歴史修正主義という表現を使ったときは、その政権は相手にできない落第の烙印を押されたことと同様である ということです。
これは重大な、重要な指摘である。
と評価してくださっています。大沼さんに感謝です。海外特派員の体験があるから直ぐ判るのです。
さらに、続くコラムで、わたしの前回の次の言葉をを引用したうえで、国際喜劇を紹介されています:
日本の駐英大使が、駐英中国大使のハリーポッターになぞらえた靖国批判の挑発にまんまと載せられて、まるで落語の横町長屋の熊八の口喧嘩程度の反論をして欧米メディアの笑い者になる程度ですから、これぞ喜劇です。
前回のこの言葉を裏づけるように、林景一日本大使が、テレグラフ紙での反論の後でBBCの討論番組に「引っ張りだされて」→シドロモドロ となったというのです。
この10分足らずの番組は→ここで見れますので是非ご覧ください。
これを見て大沼さんは次のように書いています:
わたしは(しかし……)林大使の受け答えを聞いているうちに、大使が、なんだか気の毒にもなった。
大使が安倍政権がどれだけ平和を大切にしている男か説明しようにも、安倍首相の言動がそれと反対のことばかりしているのだから、説得力に欠くのはやむを得ない。
で…………パックスマンさんに、「(安倍首相は)憲法を改正しようとしているそうだが、ほんとうですか?」と切り込まれて、ヴォルデモートならぬ、シドロモドーロ状態にならざるを得なかったときなど、思わず、目を覆いたくなった!
実際のところ、中国が「ヴォルデモート」であるかどうか、など、この際、どうでもいいことだ。
問題はわたしたちの国、日本である。
日本が「新・軍国主義=ヴォルデモート化の道」を絶対に歩まないことを、明確に、国際社会に示す----
日本が「9条の国」であることを明確に示す------
ロンドンでの敗北から、私たちが学ぶべき教訓は----これである。
この感想に付け加えることはありませんが、大沼さんはやさしい人です。大使の苦しい立場を思いやっています。
番組の後半での、堂々とした中国大使の主張、特に1985年の中曽根総理大臣の参拝から何故問題なのかについての主張、と比べれば、明らかな判定負けです。
以前にも書きましたが、安倍首相の靖国参拝は必ず、国際舞台で喜劇となり、それが日本の悲劇となるのです。外交とは悲喜劇織りなす舞台なのです。
それにしても、ロンドンには日本の各社の特派員が多勢いるのに、このBBCでの日本外交の敗北を何故伝えないのでしょうか?
記事を送っても配信されないのでしょうか? 全く不可解ですね。
理由はともかく、これだから日本市民は国際世論での日本の姿を知ることができないのです。
ロンドンの記者諸君、負け戦を報じないのは戦争中と同じことですよ!
これもメディアにおける「靖国引きこもり症」の症状の顕われのひとつでしょう。
香港紙は南華早報が英文でもビデオつきで→きっちり報道していますよ。
新華網は日本語版でもこのとおり。
人民日報電子版は日本語版でも中国電視台のビデオもつけて→このとおり。
さらに、フランス訪問中の岸田外務大臣のフランス政府の反応の件については「ドイツと対照的」と→このとおりの報道。
外交は完敗、報道合戦でもこれでは日本側の戦線放棄で逃亡のありさま!
いやはや、明日うらしま爺さんは、日本の外務省に乗り込んでしっかり説教したいですね。こんなことでは、国益を害するばかりです。見ていられません。
うん、思い返せば、今を去ること半世紀近く前になりますが、当時外交官試験の担当をしていたある政治学の教授から、若きわたしは外交官試験を受けろと勧められたことがありますが、あのとき即座に断らなかった方が良かったのかもしれません。後悔先に立たず!
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