2011年10月5日水曜日

37:ドイツ公共放送フクシマの下請け労働者の実情を報道(追加あり):シュピーゲル誌「正力松太郎のスパイ名はPodam」

 ドイツのメディアがフクシマの労働者の実情を報道し、また事故に至る歴史を詳しく報道しています。
 1)
ドイツの公共放送第二テレビZDFがフクシマの原発下請け労働者の苛酷な状況を報道しました。10月4日の「フロンタール21」という批判的報道番組のなかで、フクシマ第一の3名の下請け労働者が匿名でインタヴューに応じ、東電が日当をひとりにつき10万円支出しているのに孫請けでは1万円足らずの賃金になり、非常に高い放射線量の現場で命懸けで働いていることを証言しています。
また「報道関係者に労働現場について話すことを禁止する」とある雇用契約書も放映しています。内部被曝の専門家である松井英介医師の証言もあります。


http://www.zdf.de/ZDFmediathek/beitrag/video/1457128/Frontal21-Sendung-vom-4.-Oktober-2011?bc=sts;stahttp://frontal21.zdf.de/ZDFde/inhalt/30/0,1872,8355070,00.html
この45分番組の4番目にでてきます。

以下はこれの予告です:

http://frontal21.zdf.de/ZDFde/inhalt/30/0,1872,8355070,00.html

Mangelhaft ausgebildet, ungenügend ausgerüstet - Arbeiter in Fukushima

Mangelhaft ausgebildet, ungenügend ausgerüstet - so schickt TEPCO Arbeiter in das havarierte Atomkraftwerk von Fukushima. Mit umgerechnet rund 1000 Euro pro Arbeiter und Tag kalkuliert der Stromkonzern. Bei den zumeist über Sub- und Subsubunternehmen angestellten Arbeitern kommen in manchen Fällen nicht einmal 100 Euro an. Die Katastrophe in dem Kraftwerk habe ihnen alles genommen, erzählen drei Arbeiter Frontal21. Doch wenn sie nicht helfen, TEPCO zu retten und das Unternehmen bankrott geht, wer zahlt ihnen dann eine Kompensation für ihten Einsatz unter Lebensgefahr?
Japans Arbeits- und Gesundheitsministerin wollte auf Fragen zu den Arbeitsbedingungen in Fukushima nicht antworten. Wer lächelt, schützt sich vor radioaktiver Strahlung, sagt der Gesundheitsberater der Präfektur Fukushima.

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この報道についての10月8日の追加です:
さっそく日本語字幕付きでユーチューブで観ることができます:
ドイツZDFテレビ「福島原発労働者の実態」
http://www.youtube.com/watch?v=aAE-QBmC1VA

なを、わたしの得た情報ではJヴィレッジあたりの映像は放送数日前の極めて新しいものです。


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 2)
もうひとつシュピーゲル誌が別冊の歴史シリーズで「日本特集」を先週発刊しましたが、この中で
「悪い爆弾、良いアトム」と題して、日本のヒロシマからフクシマにいたる歴史をかなり詳しく描写しています。
面白いのは日本の最近の外交文書研究を引用して、戦犯であった読売新聞のオナーの正力松太郎がCIAの手先となり、彼のスパイ名がPodamであったことまで紹介しています。さらにその正力の手先としての中曽根康弘の「活躍ぶり」も詳しく述べ、いかにして政治家と専門家がぐるになった原子力村の宣伝により世論が「原発安全神話という人生の嘘」を信じ込んだかをまとめています。

こんなことまでシュピーゲル誌に書かれたら、読売の記者は恥ずかしくてヨーロッパだけでなく海外では仕事がしずらいことでしょうね。
戦犯がCIAの手先となり総理大臣にまでなった国ですから、不思議でもなんでもないのですが、恥ずかしいことです。


http://www.spiegel.de/spiegel/spiegelgeschichte/index-2011-5.html

この目次からの抜粋です:

102
Böse Bombe, gutes Atom: Etwa 200 000 Japaner starben 1945 durch die Bomben von Hiroshima und Nagasaki, aber schon bald danach baute das Land Atomreaktoren in Serie. Politiker und Experten schufen eine Sicherheitslegende, die in die Katastrophe von Fukushima führte.
この部分をクリックするとこの部分だけをネットで購入できます。

このふたつの報道だけでもフクシマ原発現場の苛酷な現状とそれに至る嘘の戦後史が勉強できます。
相変わらず「知らぬは日本人ばかりなり」のようです。第二次大戦中とそっくりですね。「歴史は繰り返す。一度目は悲劇として二度目は喜劇だ」とも言いますが、全く情けない次第です。

2 件のコメント:

  1. 「井戸の中の蛙」が気狂い、カエルの親分衆が井戸の中に原発作ってしまった。
    次世代カエルの枝野&細野の両大臣も厚顔無恥な国会答弁。
    日本てこんな国・・・。日本にいても情けない。

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  2. このシュピーゲル誌の特集は、英語か日本語で手に入れることは出来ますか?

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