その後この問題はメディアによって、9・11以降拡大され、現在ではドイツ国内のアメリカの秘密施設が、アフリカやパキスタンなどの無人機攻撃による無法な殺人行為(これこそ国家によるテロ行為そのものです)には不可欠なキーステーションとなっていることも明らかにされました。
それを受けてドイツ連邦議会に設置された調査委員会などで追求されてきましたが、ようやく最近になってドイツの検察庁がメルケル首相への盗聴問題だけに関して捜査を始めることが決定されただけで、何一つこの問題は進展しないままです。
このありさまにしびれを切らしたように、シュピーゲル誌が今週号(左)で、ドイツとアメリカの情報機関NSAの非常に密接な協力関係を「わが隣人NSA」タイトルで暴露するスノーデン情報を特集し、続けて6月18日午後に電子版で、53点に及ぶ関連資料を→一挙にPDFで公表しました。
この問題でドイツメディアがまとめて生情報を公表するのはこれが始めてです。
今回公表された資料は、大半が昨年秋以来、主要メディアが徐々に報道してきたドイツにおけるアメリカの情報基地に関するものと、両国の情報機関の協力関係のものです。
しかし、スノーデン資料には未公開の日本関連のものも大量に含まれていることは、大方が推定されているとおりで、それを示唆する資料も含まれています。
とりあえず、ざっと目を通しただけですが、日本に関連する部分を4点だけ選んで原資料で以下、簡単ですが紹介しておきます。
1)これは2009年5月21日付けのいわゆるFive Eyesのトップシークレット資料で、情報収集のターゲットにされている世界中の主要政治家名のアルファベット順リストです。
9番目にアンゲラ・メルケル首相が挙げられています。同誌によれば、この時点でメルケル首相に関する情報は300点以上(>300)集められていることが示されています。122番目はウクライナの当時のユリア・ティモシェンコ首相で、200点以下(<200)です。
ここでは公表はされていませんが、当時の日本の麻生首相が「Taro Aso Japan Prime Minister」 として当然ながら数も含めてリストアップされていると推定できます。
2)これはアメリカの暗号通信情報機関の世界中の在処です。大半がアメリカ本国にありますが、ドイツには3機関あり、日本にもあります。
3)これは世界中にあるスパイ衛星の秘密受信基地の地名と、そのコードネームです。日本には三沢基地に「Ladylove/レディーラブ」という、実にふざけた名の施設があります。ドイツのそれは「ニンニク」で、本国には「ジャックナイフ」等々、アメリカの情報機関の品性を自ら暴露しているような命名ぶりですね。
4)スノーデン資料には、アメリカが第二次世界大戦後に集めた世界諸国と諸機関の極秘リスト(35頁)が含まれており、日本に関しては「1954年12月31日以降」とあります。(赤字での書き込みは梶村です)。
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