2016年5月5日木曜日

316:ベルリンで「安倍は辞めろ!」抗議行動の写真報告 Abe Abtreten! Protest in Berlin:追加情報:無視された訪問 、ロンドンでも抗議行動





*8日追加:翌5日にはロンドンでも抗議行動がありました。一番下に情報があります。


本日、5月4日、伊勢志摩サミットの根回しのためにドイツを訪問した安倍首相に、辞任を要求する抗議行動がベルリンで行われました。以下、写真で報告します。

場所は安倍首相と「随行ぶら下がり政治部記者団(これについては一番下をご覧ください)」が宿泊するホテルの前です。
 ちょうど2年前の訪独の際は、首相官邸前での→「安倍首相訪独歓迎抗議デモ」でしたが、今回はどういうわけか、時間もない強行軍であるのにベルリンから車で1時間以上も離れた迎賓館にドイツ政府との会談を移しました。
 その理由のひとつは、前回の抗議行動が日独のメディアで報道され、とってもみっともない思いをしたので、ドイツ政府に工作して、そうしてもらったのではなかろうかというのが、ベルリンのジャーナリストたちの間ではささやかれています。
そこで、空港から宿泊先のホテルの前での抗議行動となったのですが、わずか一日足らずの前の呼び掛けにもかかわらず、約50人の日独韓国の主に女性たちが参加しました。
今回は、「歓迎」の雰囲気はまったく無くなり、「安倍は即時辞任せよ!」との厳しい抗議となっています。
それも当然で、このデモに現れたプラカードでも、ご覧のように「川内原発即時停止せよ」、「慰安婦問題の真の解決を」、「憲法を改悪するな」、「秘密保護法を撤回せよ」と続き、ついに「嘘つき安倍」、「日本に良心はあるのか?」とまで、女性たちの怒りが募っていることがよく出ていました。
つまり、「安倍政治には良いことひとつもないのですぐ辞めてほしい」との国際世論が、この小さな抗議にも顕著です。戦後日本の歴代首相でこれほどまで嫌われた人物は、ちょっとわたしの記憶でもありません。明らかに末期症状と言えましょう。
これは、日本だけではなくて、世界の声です。
向かい側がホテルです。このホテルもバブル時代は一時的に日本資本が買収しましたが、弾けてまた売却した歴史があります。
このスローガンは、今や世界の普遍的な女性たちの常識です。
マイクをとる女医さんは「何でこんな政治家を日本の有権者は選ぶのか、わたしにはさっぱり理解できない。日本人はもう少しお利口なはずだ」と述べていました。ニッポンジンとしては返す言葉もありませんね。
そろそろ、到着しそうだ。

横断幕も次々と長くなります。
ついにバス停の前まで。
抗議の声は一段と高くなります。


車道の向こうのホテルに首相一行の車列が到着。横断幕を高く掲げて大声で抗議。
「アベハヤメロ!!」と日本語で大声。TSUNAMIに続いて国際語になりそうです。

お巡りさん、両車線を封鎖。日本の皆さんに見ていただきたいのは、警察官の背中の数字です。この背番号で誰であるかが特定できます。これで警察官の勤務中不法行為を防ぐ工夫です。日本の警察も見習わねばなりません。

先導のパトカーが見えますね。警備の警察官も、デモ隊が車道に出て来るのを警戒。
ここで、抗議は最高潮となりました。女性の声は高いですからね。
面白かったのは、今回の警備担当の警察官が解散の時に主催者たちに、「皆さんの主張はしっかり聴いて、よく理解できました。ご苦労様でした」というので、「そちらこそ、抗議の声は安倍に聴こえたでしょうか?」とが訊ねると「ホテルの入り口で首相が車から降りる時には良く聴こえていました。では次回までごきげんよう」とまったくの模範的な民主警察の紳士的ふるまいでした。警察官たちもデモ隊に共感していることが顕著でした。
おまけです。デモ隊が解散した頃に、ようやく随行の記者団らしい一行が到着。せっかくの光景を見逃してお気の毒でした。彼らは、安倍首相の国際大名行列に随行する荷馬車についた瓢箪のようなものです。荷馬車につれて上下左右に揺れるのです。だからその程度の報道しかできません。荷についた瓢箪記事と命名しましょう。
クリックすればパノラマで見ることができます。
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5月6日、情報を追加します。

上記の記事は一度に非常に多くのアクセスがあり、特に警察官の名札と番号について興味を持たれている読者が多いので、すこしくどくなりますが以下の情報を順次追加させてください。

  ドイツ側発言が伝わらない偏った日本の首相官邸の記録
 
 それに触れる前にひとつ。、ドイツは昨日の5日が祭日で新聞も休刊が多く、安倍訪問から一日おいた本日の報道でも、訪問とその内容についての報道はゼロです。要するに安倍訪問はドイツメディアから徹底的に無視されたのが実情です。つまり日本政府と日本メディアの独り相撲で終わっています。これも前代未聞の記録的出来事です。
 
 そこで、連邦首相府のサイトで、メルケル首相との記者会見の全記録を読んでみました。
ドイツ語ですが、ここには→「メルケルが安倍首相を歓迎」とあり、会談の写真とともに、会談内容は簡単に「経済問題が中心であり、また女性の役割についても議題となった」とあるだけです。ドイル政府の関心の在処が示されています。さて記者会見は終了後直ぐに→全記録が掲載されています。26分の記者会見での安倍首相の発言も日本人記者の記者の質問も同時通訳の速記の全部をそのまま読むことができます。
 
 他方で日本の首相官邸の記録はどうなっているでしょうか。
日独首相の→共同記者会見が記録されています。ここには内閣広報室の記者会見のビデオを録画で見ることができます。ところが、メルケル首相の発言も、ドイツ側記者の質問の日本語への翻訳は全くなく、ドイツ側の発言内容が一切不明です。文字になっているのは会見冒頭の安倍首相の発言だけです。要するに安倍首相の発言だけが一方的に掲載されているだけです。「機動的財政出動」を強調する安倍首相に対して、メルケル首相がさらりと論理明快に肩すかしの回答をしていることがさっぱり伝わりません。

 つまり、ドイツ語が理解できない日本国民には、ドイツ側発言が一切伝わらないことになっています。両政府の情報公開のありかたの落差がこんなところにも顕著に出ています。
もし、ドイツ政府がでこのような偏った情報伝達をすれば、メディアからたちまち批判されることは当然ですし、そもそもそんなことはドイツではあり得ないことです。
すなわち、安倍首相官邸は、自国民と訪問先の政府と国民を広報で愚弄しているのです。
 即刻、この政府には退陣していただきたいものです。

 以上6日に追加しました。続きは後ほど。

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7日 に追加します。
警察官の名札と番号については、長くなりすぎるのと、時間がないので、稿を変えて後日時間をかけて報告することにしますのでご承諾下さい。

そこで、上記の4日の抗議行動への追加情報です。

この日のデモでのシュプレヒコール(これドイツ語であることご存知でしたか)の紙切れです。下の翻訳のように何しろドイツ語と日本語がごちゃまぜになるので、こんな小道具を準備するのです。主に日本人以外の参加者のためのものです。
  1川内原発停止せよ!すべての原発を停止せよ!
  2川内止めろ!原発止めろ!
  3憲法変えるな!憲法守れ!戦争を繰り返さないぞ!
  4安倍は辞任すべし!辞めろ、辞めろ、安倍!
  5「慰安婦」に正義を!日韓合意撤回!
当日ひょっとしたら安倍氏も聴いたかもしれない重要な証拠ですね。
そこで このブログの愛読者である内閣のその筋のみなさまへのサービスとして、ちゃんと翻訳付きで付け加えておきます。お礼は無用です。

 もうひとつおまけです。下の読者のコメントに「ますあき」さんと称する方が、意味不明なことを書かれていますが、どうやら「安倍をに辞めろというのは「左翼」だとの思い込みがあることだけは判りました。
そこで2012年7月のデモに参加した一人のドイツ人の写真を挙げておきましょう。日の丸のはちまきに「日本大好き」のシャツを着ています。 日本を愛するがゆえに反原発を唱えるドイツ人青年は、はたして「左翼」なのでしょうか?
反原発デモに日の丸を持ってくる「日本愛国外国人」は彼だけではありません。フクシマ事故の後になっても反原発に立ち上がれないような日本のだらしない反愛国右翼のお手本にしてほしいものです。

ついでにもうひとつ。この写真をご覧ください。
 これは、大震災の直後、まだフクシマの水素爆発が続いている2011年3月14日のベルリンの首相官邸前で目にした4歳ほどの男の子の姿です。この写真はその後、広く紹介されたものです。
その時の情景の報告はこちら→「世界共通語のヒバクシャと日の丸」をご覧ください。
「ますあき」さんからのご意見をお待ちします。
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8日の追加です。
ベルリン訪問の翌日の5日にはロンドンの首相官邸前で日韓市民の抗議行動があったようです。詳しくは→こちらをご覧ください。

      一枚拝借します。これ以外の写真も見ることができます。

日本山妙法寺のお坊さんを始め、みなさまご苦労様でした。




16 件のコメント:

  1. 「お巡りさん、両車線を封鎖。日本の皆さんに見ていただきたいのは、警察官の背中の数字です。この背番号で誰であるかが特定できます。これで警察官の勤務中不法行為を防ぐ工夫です。日本の警察も見習わねばなりません」これいいですね。

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  2. 様子がわかり有り難い。ドイツは容易には通過できないよ、と呟いてましたが、いろんな意味でやっぱりでしたね。ポリスの対応の件、同感です。

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  3. 様子がわかり有り難い。ドイツは容易には通過できないよ、と呟いてましたが、いろんな意味でやっぱりでしたね。ポリスの対応の件、同感です。

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  4. 凄いアップの写真がメンバーの少なさを物語っていますね
    この筆者はオバマさんもプーチンさんもメルケルさんも習キンペーさんも外遊先で抗議活動を受けているのを知らないのでしょう
    10人に満たない抗議活動がみっともないからうんぬんは客観的に見ても無いでしょうね
    自分達を評価し過ぎるのも左翼の方々の特徴ですね

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    1. ますあきさま、
      7日の追加の写真を見てください。

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    2. 7日追加の写真を拝見させて頂きました

      4歳のお子さんが日本の事情を理解されているとお考えなのですね
      ・子供を自分の意見を言うための道具に使う
      ・安倍を非難しているから左翼と言うのであろうとすぐに考える、レッテルを貼る
      これらの行為が左翼の特徴と言っているのです

      私はあなたの考え方も理解出来ます
      世の中には色々な考えを持った方がいるからです
      しかしあなたは自分と違う考えを認める事が出来ないのですね
      私の意見がよっぽど気に触ったのでしょう
      人の意見を意味不明と罵るあなた
      これも左翼の特徴です
      他人を認める事が出来ないあなた
      この事が私は悲しいのです

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    3. ますあきさま、

      わたしは子供を道具に使うような失礼なことはしません。
      ひとつの事実を事実として伝えただけです。あなたはあの子供の気持ちををどのようにお考えでしょうか?
      フクシマの災害を非常に憂えている姿に、わたしは強い印象を受けました。泣かんばかりの表情でロウソクを持って犠牲者を追悼する姿に感謝しました。

      ますあきさんのお考えをお報せ下さい。

      また左翼と決めつけたのはあなたではないですか。レッテル貼りをなさっているのはどちらでしょう?
      それに対して日の丸を掲げて原子力発電を憂える市民たちの姿を伝えただけです。

      わたしはあなたを「右翼」と決めつけましたか?


      写真を見ても抗議に参加した人数が「10人に満たない」とは、言えませんね。延べでは50人はいました。掲載した写真だけでも10人以上いたことは明らかでしょう。だから「意味不明」と書いたのです。

      自分の気に入らないことをすべて「左翼」と決めつけるのは、いかがなものでしょう。気に入らないことを何でもかんでも「左翼と」決めつけて満足しようとする心情こそ、悲しいことです。

      日本では「左翼被害妄想」が蔓延していることがよく判りますね。

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    4. 御返信ありがとうございます
      まず私は凄いアップの写真が人数の少なさを物語っていると指摘しました
      それに対しあなたは2人の単独の写真を追記して、これを見なさいと言ったわけです
      ここは引いた写真を載せるべきではないですか?
      うん?もう二人?いたんだね、となるだけです
      あなたは論点をごまかしていますね
      50人と言う非常に少ない人数の抗議者でルートを変えたり逃げたりすると思いますか?
      それを自分達を過大評価して満足するのは左翼の特徴と評したのです
      私はまずそこにあなたはごまかそうとしていると感じました
      遠くからの引いた写真を見せて頂けますか?

      4歳の外国人のお子さんがフクシマの災害を憂いて泣きそうな表情で・・・
      とあります。そしてその写真を取り話題にして拡散させる
      まず間違いなく親にさせられているでしょう
      この親は反原発の活動家なのでしょうか?
      世界では毎日テロで多くの人が悲惨に死んでいきます

      物心つかないお子さんに抗議させ、デモに連れてくるのは私でなくても違和感を感じる方は多いでしょう

      思い出せば辺野古の抗議にも小さなお子さんを連れて来て揉み合っている前面にわざわざ出し、子供が危ない!と叫んでいる母親がいました
      子供を道具として使う卑劣なやり方は貴方方に共通している事が良く分かりました

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    5. ますあきさま、

      わたしが数をごまかそうとしたというのは、とんでもないイチャモンですね。掲載分の写真だけでも20人は特定できますよ。

      物心つかない子供に抗議させる親をいるのに違和感を感じるとのことですが、辺野古であれフクシマであれ、将来もっとも影響を受けるのは子供たちです。その自覚がある親たちの気持ちが子供たちにも通じるから抗議に参加するのです。そのことを理解できないひとびとが違和感を持つのでしょう。

      上記の投稿「世界共通語としてのヒバクシャと日の丸」の末尾にドイツ人の日の丸を掲げた詩が見られます。その意味が理解できないからあなたは違和感を持つのです。

      人間としてのエンパシー/共感をどれだけ持っているかが問われているのです。「左翼恐怖症」に欠落しているのはこれです。それとは気付かず、戦前戦中の大衆心理をそのまま引き継いでいる人々が、近年の日本には増えているようです。

      このブログには多くの家族連れの写真が掲載されています。ドイツ人はすでに三世代に渡って家族ぐるみでデモを続けて、ようやく原発撤廃を実現しました。
      そしてこれは、民主主義の社会の市民文化でもあるのです。
      それを「子供を道具にした卑劣なやり方」としか受け止められない感性とはいががなものでしょう。

      右とか左の問題ではありません。社会病理の問題があなたにも顕著であると思います。

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  5. 素晴らしい。ドイツでこれほどまでだったとは知りませんでした。有難う。ドイツのお巡りさんに背番号、いいですね~

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    1. Taro Haradaさま
      お巡りさんの背番号に関しては、きっちりとした報告を後日、時間を見て報告したいと思っています。

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  6.  > マイクをとる女医さんは「何でこんな政治家を日本の有権者は選ぶのか、わたしにはさっぱり理解できない。日本人はもう少しお利口なはずだ」と述べていました。ニッポンジンとしては返す言葉もありませんね。
     ほんとうに返す言葉もありませんが、希望を見つけだそうとする若い人たちは、全く新しい地平を切り拓いてくれる立ち上がりを見せてくれています。各地で、その希望の火は燃えています。もうすぐ、呼応、連動して、大きな火の魂になって、日本中に燃え広がるでしょう。昔、世界の若者が、<パリは燃えているか>と、注目し続けたように、もうすぐ、<日本は燃えているか>と関心が集中するようになるでしょう。
     やっぱり、日本国憲法が、若い人たちの希望なんだと念います。
     若い人たちは、自分たちの希望が奪われ、未来が破壊されることを、黙って見ていることはできません。彼らの想像力と人間力が、必ずや、日本国憲法の平和と人権の理念を守り抜き、新しい自立、連帯、共生の市民社会が主体になる世界を生みだしてくれるだろうと念じます。それをサポートする、良識と知性は、十分にその機に、力となるでしょう。
     日本の文化力は、歴史的に蓄積されてきて、成熟していることを実証してくれるでしょう。 
     若者の眼が光る風薫る   仁

    鄙老仁の呟きですが、コメントさせてください。

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    1. 青柳仁さま
      ご丁寧なコメントに感謝します。本当に日本の若者たちに自分たちの未来を自らの手で掴み取ってほしいと、わたしも願っております。日本の若者たちは世界的に見ても非常におとなしく、臆病にさえみえますが、そのような若者たちが真に怒りだすと恐いものです。

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  7. イタリア、フィレンツェにも寄りましたが、ほとんど報道されませんでした。今回安倍-メルケルの(根回し)対談は経済政策など巡ってもよっと緊張感がありましたが、ベルリン(の日本、韓国)市民による、安倍首相に対するはっきりとした、積極的な意思表示行動があったことが良く解りました。貴重な報道ありがとうございました。(Frau Merkelのファンで、日本の政治が心配な、トリノ市在住日本人)

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  8. 同じ敗戦国なのに、70年の間に大きく明暗が分かれてしまったのですね。ドイツに3年ほど住んだ事があり、目的に向かう意思の明確さが素晴らしいと感じました。
    ここ日本では、いま、アベ政権で起きている事に対して他人事だったり無関心だったり、或いはマスコミの意図に騙されている事に気付かぬ人などが、圧倒的に多いことに苛立ちさえ覚えます。身を以て政府の理不尽さを味わわされている福島と沖縄以外の人。他人事ではなく明日は我が身なのに。
    戦後ずっと属国であった事実、日米地位協定のトリックに騙されている事実を、どのようにしたら日本人は気付き個々の意思を表明出来るようになるのでしょう。
    一部の方々は確かに動き出していますが、まるで変人扱い。保守的で用心深い国民性が、この状況下では悪い方に働いています。諸外国の理解ある方々との連携により、外堀を埋めていく方が近道なのか?とさえ感じてしまいます。

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  9. おっしゃるとおりだと思います。
    安倍晋三などは、祖父の岸信介が東京裁判で免訴となる取引でアメリカの手先になったことの属国コンプレックスのトラウマの国粋主義者です。
    日本のこれからの世代はとてつもない犠牲を支払わされることは不可避でしょう。ドイツと同様に2度も徹底的に自滅しなければならないようです。なぜそうなのか考えざるを得ません。
    明日うらしま

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