じいさんの知りあいで同じベルリンに住んでいる、→セバスチャン・プフルークバイルというとてもえらい物理学はかせがいます。
どんなにえらいかというと、このおじさんが、今からちょうど23年前に大臣になったとき、もとの東ドイツにあったたくさんの原子力発電所がとっても危ないと言ったので、政治家もみんなもそれはそうだと考えて、たくさんの原発をせんぶ止めてしまったのです。
だから今、ドイツの東には原発はひとつもありません。
フクシマの事故のあとでは、ドイツの西にある原発もぜんぶ止めることになりました。
またセバスチャンおじさんは、そのころからドイツのお医者さんたちといっしょに、チェルノブイリの大事故で病氣になった子どもたちをドイツで治療したり、休みに招待したりすることを始めたのです。そうして子どもたちおおぜいを助けているのです。
だから2年前にフクシマの原発事故が起こったとき、セバスチャンおじさんはとっても心配になり、事故から9日あとに「どんな食べ物が安全か」という、とっても難しい手紙を日本へ書きました。それはすぐに日本のお医者さんたちが日本語にほん訳して、とっても役に立っています。
それでも、とても心配なので、おじさんはもう何度も日本へ行って、心配する日本の学者や、お母さんたちと相談しています。
去年、日本であった国際会議に行ったときセバスチャンおじさんは、日本の子どもたちに手紙を書きました。
子どもたちに「放射線とはどんなものか、命を守るためにいっしょに考えよう」と呼びかけたのです。
とってもすばらしい手紙なので、子どもたちを心配している日本のみんなが協力して、ついにとってもわかりやすいきれいなさし絵がいっぱいの絵本になりました。題は『セバスチャンおじさんから子どもたちへ・放射線からいのちを守る』です。これがこの写真の絵本です。写真をクリックしてみてね。大きくなり君にも読めるよ。
見ればわかるように、とってもえらいドイツ語の先生が訳した日本語だけでなく、ドイツ語と英語の3つの言葉で読めます。外国郵便の表紙は日本語とドイツ語の二重表紙のめずらしい本です。切手はセバスチャンおじさんの顔です。
ちょっと君たちにじまんしたいのだけど、「明日うらしま」じいさんが写したベルリンの子どもたちの写真ものっているよ。それらの写真は、このブログの→ここと、→ここで見れるよ。 どの写真が絵本にあるかを当ててごらん。
ヒント:ドイツでは子どもたちもおおぜいで日本語のポスターもって「原発おことわり」とデモをしました。
この絵本を読んだ君たちが、これがきっかけで、大きくなってドイツ語や英語でも読めるようになるのではないかととても楽しみです。この絵本が気に入ったら君たちの友だちにも教えてあげて下さい。
また、この絵本にはふろくとして、上に書いた「とってもむずかしい手紙」/「日本における放射線リスク最小化のための提言・ドイツ放射線防御協会」もドイツ語と日本語でついています。これは君たちの健康を守るために、お父さんやお母さんにはとっても役に立ちます。今では、日本でいちばん信頼されている提案です。
この絵本は今週末から、本屋さんで買えるそうです。 近くにないときには、発売元の→旬報社にネット注文するか、まとめてたくさん買いたいひとは下記の発行元に注文して下さい。売り上げの1部はフクシマの子どもたちのために寄付されるそうです。
発行元:岐阜環境医学研究所
〒502ー0017 岐阜市長良雄総878ー16
電話:058ー296ー4038、Fax:058ー296ー3903
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日本の子どもたちに。「明日うらしま」のとくべつふろく動物写真です。
4月4日;ていせいがあります。
ところがことしのドイツは、冬がとっても長く、まだまだとても寒いのです。上の写真は2週間ほどまえに、天気がよいのでベルリンの真ん中の公園を散歩しました。れいか8度・れいとう庫ほどの寒さです。ある高いブナの木のうえを見ると・・・
でっかい鳥が寒さのためか首をちぢめて枝にとまっていました。
これは、オオタカというおっかないタカで、この公園に住んでいます。ウサギやネズミを見つけると急降下してつかまえて食ってしまいます。
と思っていたら、バードウオッチをしている読者の方が、この鳥はオオタカの仲間だけど、すこし小さいヨーロッパスノリだと教えてくださいました。いちばんたくさん食べるのはネズミなどの小さい動物だそうです。だからていせいします。とても勉強になりました。
ヨーロッパスノリ、ドイツ語で→Mäusebussardの写真はこちらでみてね。
オオタカ、ドイツ語で→Habichtの写真はこちらでたくさん見れます。
この写真は、おとといです。町のなかのやっと雪がとけた芝生に、→アナウサギがあなからでてきて、いっしょうけんめい草を食べていました。
長い冬の雪のためにえさも少なく、かわいそうなほどやせて、とってもおなかがすいているのです。オオタカに食べられないか心配になりました。近くにいるヨーロッパスノリには大きすぎるようなので、少し安心しました。
でも、この公園にはオオタカも住んでいて、一度、雪の中でウサギをつかまえるのを見たことがあるのでやっぱり心配です。
数年前の冬の写真です。ウサギがつかまりました。 これがオオタカです。
鳥の名前をまちがえたおわびに、きょねんの夏のネズミをねらうスノリの写真を見て下さい。おっかないでしょう。
ところで「明日うらしま」じいさんの家にはアズキというネコがいて、しょっちゅうネズミをつかまえてきます。
でもオオタカとちがって遊ぶだけで食べないので、じいさんはこまってしまいます。ネズミは家中をにげまわるので、チーズのかけらを入れたネズミ捕(と)りがどの部屋にもあります。そしてネズミがそれに入ると外に放してやります。オオタカやスノリのえさですからね。
ネズミであそぶアズキ |
写真は、クリックするとパノラマで見れますよ。
4月3日追記:
下記の大木晴子さんへのわたしの返事にある小田実氏の5周年忌への寄稿のブログへの転載と解説は→「フクシマが日本社会へ問いかけているもの」です。会わせてご覧ください。
4月19日追記:
この絵本を読まれた岩手県のある小学校の先生から以下のような感想をいただきましたので、その一部を紹介させていただきます。
絵本を読ませていただきました。
とても説得力のある内容に感銘を受けました。
まさに,子ども達に伝えたくても,上手くまとめられなかった私の思いがそこにありました。文科省から出された放射線に関する副読本よりもずっと価値ある内容だと思いました。はっきり言って,副読本は,読むに値しません。
この本と副読本とを比較して読ませれば,より効果的にこの本が引き立てられるような気がします。・・・・
絵本の後半部分にある電力会社や政府に対する記述は、子ども達に対しても大人に対しても大きな示唆を与えてくれるものと思います。
多くの人に読んでもらいたい本だと思いました。
仲間に紹介したり,本校でも購入希望を出したりしたいと思います。
初めまして。
返信削除素敵な絵本のご紹介をありがとうございました。
いま、岐阜の岐阜環境医学研究所へ注文しました。
人から人へ伝わり多くの親子に読んでほしいですね。
梶村さんのプロフィールを拝見して、もしかしたら小田実さんからお聞きしていた方では・・・・。
2002年の春に二回のベトナムの旅に行ったときにいろいろお話をお聞きしました。
小田さんが言っておられたドイツの処刑場あとを何時かきっと訪ねたいと思っています。
お時間があるときに読んでください。
私が書いている「明日も晴れー大木晴子のページ」には、
大好きな小田実さんの素敵な写真がたくさん載っています。ページの検索で「小田実さん」と。
大木晴子さま、
削除はじめまして。
ありがとうございます。良い本なのでわたしも写真を拝見している大木さんのブログでも紹介して下さいね。
小田実さんが、30年ほど前にベルリンに現れて「日本にも偉いやつがおるぞ、これ読んでみ。恐なるで」といって、渡されたのが岩波新書『プルトニウムの恐怖』です。この初版はまだわたしの手元にあります。
それから10年ほどして、この偉い著者の高木仁三郎さんが現れていわく、「偉いひとがいるから、いっしょに会いに行こう」と訪ねたのがセバスチャンおじさんです。これが日独の原子力ロビーの「天敵」ふたりの歴史的な出会いでした。この出会いについては2006年のチェルノブイリ20周年の際『週刊金曜日』に書いたことがあります。
昨年の小田さんの命日に向けて『市民の意見』に書いたものがこのブログの昨年7月末に転載してあります。彼が元気であればフクシマ事故0で何をしていたかです。ご覧ください。
あのベトナム旅行のときも小田さんは「おい、一緒に行かへんか」と何度も電話してきました。とにかくおおぜいで旅行するのが大好きでしたからね。
多分、断ったので、あることないこと皆さんに話されたのでしょう。実は彼は次の小説を構想している時に、わたしに筋書きを話しをして「どや、面白いやろ」という悪い癖がありました。つまりたたき台にするのです。作家とは度し難いものです。それができなかったのです。
ところで、大木さんの側にいらっしゃる写真家の方とは、ずいぶん前ですがベルリンで歴史写真を集めるお仕事のお手伝いをしたことがあります。尋ねてみて下さい。
不思議ですね。いろいろなものが繋がっていて。
削除市民の意見133号(2012年8月1日発行)読み直します。
ベトナムの旅は、小田さんの大きな手で背中をおして頂いた旅でした。
自分の中で眠っていた想いが外へ飛び出す切っ掛けを作ってくれました。
ベ平連の原点に戻ったような、ドキドキしながらも自分流にと自分を見つめることが出来ました。
今も疲れたり迷ったりすると、夜空を見上げて天国の小田さんに声をかけたりしています。
連れ合いがお世話になったのですね。
多分、朝日新聞の「週刊20世紀」の仕事では・・・・。
ありがとうございました。
『セバスチャンおじさんから子どもたちへ・放射線からいのちを守る』届くのを楽しみにしています。
福島の知人にも送りたいと思います。
こんにちわ!
返信削除絵本の綴じ具合を直すとかで少し配本が遅れているようですね。
私のツイッターでも待ち望んでいる方が毎日リツイートしてくださっています。
はやく、読みたいなぁ〜。
大木さま、
返信削除この本を企画した松井和子さんのお話によると、何でも子どもの本としては綴じが弱くてバラバラになりそうなので、丈夫な糸綴じにするため配本が遅れているとのことです。この本屋さんは絵本の経験がなかったのかもしれませんね。
まぁ、市民運動とはそんなもんです!
おやつではないですが、おあずけの時間があったほうが喜びも大きくなるかもしれません。みなさま、楽しみにしてお待ち下さいね。
梶村
梶村さま
返信削除2012.6福島県猪苗代での市民国際会議に参加させていただいた 有馬克子と申します。
『セバスチャンおじさんから子どもたちへ・放射線からいのちを守る』を
ブログで紹介しようとしておりましたところ
梶村さまのブログに行き着きました。
セバスチャンさんのこの手紙の背景がよくわかり 大変ためになりました。
私の知人にも紹介したいと思い
事後報告で申し訳ありませんが、転載させていただきました。
問題があるようでしたらすぐ対応しますのでおもうしつけください。
http://plaza.rakuten.co.jp/ginganohotori/diary/201304270000/
有馬さま、
削除紹介して下さってありがとうございます。何の問題もありません。
どしどし、皆さんに読んでいただいて下さい。
この絵本は、脱原発運動のひとつの古典になると考えています。非常に奥が深いですから。全国から注文が押し寄せているようです。
よろしくお願い致します。
お礼まで
梶村