本日、東京電力がメディアに公開したフクシマ事故開始直後の約90分のビデオを観ましたが、最悪のわいせつ映像をみせつけられたようで、文字どおり吐き気がしました。
なぜなら、150時間の内からピックアップされた公開分90分で、最も肝心中箇所の3月15日の菅直人総理の東電本店訪問の演説は37分もあり、わたしが観たところでも菅総理はそのうち15分以上は演説をしています。
昨年9月に東京新聞がこの演説の要旨を掲載して、重要なのですぐにこのブログでも→「菅直人首相の東電訓示」として転載して今日まで大変多く読まれていますが、実際には非常に長い演説であり訓示であったことがうかがわれます。それがすべて音声が消されているです。それを東電は「元々音声はなかった」などと、大嘘をついています。
一般社員の顔にモザイクをかけるのはまだしも、首相の重大な演説の音声を消して隠蔽しているこのビデオは、史上最悪の政治的わいせつビデオであるといえます。
しかも、これを日本国民は一兆円の税金を投入して東電の破綻を防いだ見返りとして見せてもらっているのです。まったくよい面の皮です。これだけでも前代未聞のたわけ話しです。
それだけでなく、フクシマという日本にとっては三度目の核災害を引き起こした責任者が、よりによって広島に原爆が投下された67周年忌である8月6日に、このような仕打ちを公然として恥じないことは信じられなく、許しがたい出来事です。
東電はまったく変わっておらず、日本をさらなる惨状に引き込むことは間違いないでしょう。もはや破綻処分して国営化して事故処理するしか方法はありません。いまだにこのような恥知らずでわいせつな自己擁護を試みる企業には、とてもフクイチの事故処理能力はありません。破綻処理し、原発解体廃炉公社を設立することは、日本だけではなく世界の不幸の拡大を防ぐ積極的な第一歩になるからです。原子力村の面々は原発解体屋となるべし。それがせめてもの罪滅ぼしです。(文末と見出し8月7日に修正追加しました)
メディアに公開された東電テレビ会議のビデオをOur Planet TVが→You Tubeで公開していますのでご参考まで。苦痛をいとわない方はご覧ください。
(1)1号機爆発 12日午後3時36分(2分5秒) 音声なし
(2)1号機海水注入 12日午後7時23分(3分10秒)音声なし
(3)3号機爆発 14日午前11時1分(4分41秒) 音声あり
(4)2号機SR弁による減圧操作 14日午後4時12分(12分分2秒) 音声なし
(5)退避関連<小森常務>14日午後7時28分(2分3秒) 音声あり
(6)退避関連<高橋フェロー> 14日午後7時54分(35秒)音声あり
(7)退避関連<清水社長/高橋フェロー>14日午後8時15分頃(4分37秒)音声あり
(8)菅総理訪問 15日午前5時36分(37分5秒) 音声なし
(9)2号機、4号機爆発 午前6時14分(22分5秒) 音声なし
明暗を分けた判断、311以降の日本とドイツで解ったこと。
返信削除国民に共犯意識をもたせる「危険感=嫌らしい」映像にあるものは、
政府と東電、政財官の後ろめたさでしょうか。
罪悪ほどの自覚も無い「 後ろめたさ 」の恥では誰も辞任しないわけです。
愚挙朦朧開示のエクスキューズでどこにでも責任が無くなる策とみえます。
日本経済新聞の轡が緩めばこんな事も書けるのだ。
政治の変化に経済界は素早く対応。
遅きに?早くても?役立つ日本政府であったかは自明なり。
[ 日本経済新聞 ]
脱原発のドイツ、日本をどう見る 自由ベルリン大のシュラーズ氏に聞く
編集委員 滝順一 2012/8/8 7:00
http://www.nikkei.com/article/DGXBZO44660510X00C12A8000000/