2012年4月16日月曜日

87:上杉隆氏ベルリン講演と「IAEAとWHOのさるぐつわ協定」前編

先の週末にベルリンで行われた→上杉隆氏の講演は、13日の金曜日にもかかわらず大成功で有意義なものでした。
質疑応答も盛り上がり、時間を延長して午後7時に始まり、ご覧のとおり立ち見まででた満員の会場からは、10時の終わりまで帰宅する人は皆無でした。通路まで一杯のため写真が撮りにくい状態でした。
講演する上杉隆氏。2012年4月13日ベリリンで Vortrag von Takashi Uesugi Foto:T.Kajimura

 おそらく、100数十人の参加者があり、目立ったのは若い日本人がかなり参加していたことです。ドイツの公共海外向け放送DW(ドイチェヴェレ)も取材に来ていました。
この日、上杉氏の講演に関して付け加えて質疑応答に答えたのはこの方々です。
Dr,S,Pfulgbeilプッルグバイル博士、アイ匕ホルン教授Prof.E.Eichhorn、上杉氏T.Uesugi

 上杉氏の講演の内容の要旨;

原発事故発生直時から市民に重要な情報が隠蔽されている状態を具体例(3号機の爆発映像、スピーディーのシュミレーション)を挙げて説明し、いまだに被災地を含め、新聞とテレビの情報しか得られない日本人には正しい情報が伝えられていないこと、そのため、インターネットで世界情報を得る外国人や海外在住の日本人の方が遥かに正しい情報を得ている状態がいまだに続いている。
その理由は日本メディアシステムの欠陥である記者クラブ制度にあること、正しい情報を伝えようとするジャーナリストは上杉氏自身も含めて排除されていること、それを打破するため自由報道協会を立ち上げて闘っている。
現在は週の半分は福島などの現場に行って取材をしているが、政府だけでなく地方行政と癒着している地方メディアも正しい情報を伝えていない。郡山では行政が、放射能測定器の周りを除染して実際よりはるかに低い測定値を出して地方新聞が伝え、住民を騙すようなことまで行われている。それを信じる家庭の子どもたちが戸外で遊んでいる。
それどころが福島県内では「放射能」という言葉が教育現場などでも口にできない状態にまでなっていることを、いくつかの例を挙げて説明。今では世界的に有名になっているヤマシタ教授がいまだに居座っている状態である。
他方で、汚染地からはネットで情報を得ている住民の多くはすでに避難をしており、最大で深刻な問題はまだ住み続けている将来のある子どもたちであるので、海外からも子どもを守る声を挙げていただきたい。

通訳付きの講演のため、時間は限られていましたが、およそ以上のような趣旨でした。
いずれも、ドイツ人ならずとも日本国外にいる人間であれば普段考えていることを裏付ける現場からの具体的な内容でした。参加者の大半が「やっぱりそうなんだ」と納得したようです。
政府の発表する鱸(スズキ)のセシウム測定値が「頭と骨とはらわたを除いた部分だけ」のものであり、その根拠が「鱸が小魚を頭からまるっきり食って汚染していることの知見がない」からであるとの政府記者会見で回答があったとの体験談などには、笑い声があがりました。
通訳で奮闘された栗原雅美氏(左)

さて、今回の集まりで特筆すべきことを以下数点付け加えておきます。

通訳の栗原さんに感謝

まずは、質疑応答も活発で参加者の提案で時間が延長されたのですが、大変だったのは通訳の栗原雅美さんでした。
何しろ3時間も独日の往復の通訳をひとりでこなされたのです。わたしも若い頃は市民運動でのきつい通訳の経験がたっぷりありますので、ハラハラしながら聴いていました。体力の限界まで彼女の 専門であるギリシャ哲学とは全く関係のないテーマで立派に通訳をして下さった栗原さんに感謝いたします。これに懲りずに今後ともよろしくお願いいたします。

フクシマ環境亡命者の参加

次は、今回の集まりには、上杉氏の講演内容のような状態の日本から、フクシマ環境難民としてベルリンに避難してきている3人の日本人の方が参加していました。事実上の亡命者です。この方々についてはいずれ回を改めて報告したいとおもいます。

「IAEAとWHOのさるぐつわ協定」

さて、もう一点非常に重要な指摘が質疑応答の中でありました。「IAEAとWHOのさるぐつわ協定」に関することです。これについてはあまりにも長くなりすぎるので次回の後編で述べさせていただきます。

とりあえずは、初めてドイツを訪問されて日本の現状報告をして下さった上杉隆氏、主催された3団体、そして熱心に参加されたみなさまにお礼申し上げます。

2 件のコメント:

  1. はじめまして、ジャギオと申します。

    上杉隆さん、日本のみならず世界の健康や安全、
    そして真実を伝える真のジャーナリストとしてご活躍ください。
    梶村太一郎さんWeb公開ありがとうございました。
    たぶん、ドイツの人々に「日本ってヤバイんじゃない?」って伝わったと思います。

    世界中で出版や放送できる場所で公開して、
    自由な報道に対する支援が得られるように
    なることを期待します。

    もし、ピューリッツァー賞を与えられるなら、
    上杉隆さんをはじめ自由な報道の為に戦う人にこそ
    与えられるべきと思います。

    オバマ大統領から放射能検出とフクシマ後も米国の原発推進を止めない風刺画を書いた人が受賞したとか。
    これくらい公平な報道が許される自由な世界が必要です。

    日本が暗黒に染まりきる前に!

    では、v(*^o^*)v
    以上です。

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  2. ジャギオさん、はじめまして。
    コメントに感謝いたします。

    日本社会の報道の自由度は、わたしの感じでは北朝鮮度が20%、
    中国度が50%。つまり中国の2倍、北朝鮮の5倍程度自由です。
    反面、西ヨーロッパと比べれば、マイナス50%。つまり0.5倍(半分)程度でしょう。これが原発事故で露わになっています。

    その実例を上杉さん訪問に関しても、近いうちに書きますね。

    先ほど、88回を書き込みましたので読んで下さい。
    なにやら大学の講義みたいな内容で申し訳ないのですが。

    明日うらしま

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