2012年4月30日月曜日

91;市民と科学者の内部被曝研究会総会報告・桜の樹々が爆発して

みなさま、
先にお伝えした市民と科学者の内部被曝研究会の4月21の →「低線量被曝に向き合う—チェルノブイリからの教訓—」講演会、ならびに翌22日の→同会の結成第一回総会の報告が、発表されましたのでお知らせします。

いずれも大盛況で、ある会員の医師の方からのわたし宛の報告によると「医者が多くてびっくりした」とのことです。どうやら、全国の心ある医師のみなさんがいたたまれずに参集しはじめたようです。また総会では専門部会での活発な討議も行われたとのことです。
詳しくは同会のホームページの→ 市民と科学者の内部被曝研究会の活動報告一覧からご覧ください。

 ふくしま集団疎開裁判弁護団柳原敏夫さんをはじめ 、井戸川克隆・双葉町長からのメッセージなどで、現場の最前線からの叫び声も掲載されていますのでぜひお読みください。一部を引用します;




私たちは今、それな しには命を落とすかもしれないくらいの危機の中に置かれているのです。今日ほど、市民が真に信頼できる科学者と連携することが切実に感じられる時はありま せん。それは人類と地球環境が生き延びるための最重要の危急の課題です。(柳原敏夫さん)

私は放射能を浴びせたことは犯罪だと考えています、濃度が濃いとか低いとか、発症したとか、しないとかの議論の先に自然界の放射能は許容できます が今回の放射能は絶対に受容できません、安全だと言う人は加害者と言えます。被曝して大丈夫なことはないと思っています、早く、安全だという加害者に立証 させ、ウソつきを放逐しましょう。
 子供は昔から宝です、今は昔以上に日本の大事な宝です、健康な環境で大事に育てること必要です、なのに福島県内の子供たちは常時被曝しています。(井戸川町長)


また、ドイツの放射線防護協会からのメッセージ があります。以下全文の引用です;

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Message to the ACSIR Assembly on April 22, 2012, 

by the German Society for Radiation Protection

Dear Professor Sawada,
The German Society for Radiation Protection was founded by scientists after the Chernobyl nuclear accident in order to care for true information about the radiation impact on health. Since then we interchange our knowledge with other concerned scientists all over the world. We congratulate you for the decision to establish ACSIR and wish you success for your future work. We see forward to fruitful cooperation,

Dr. Sebastian Pflugbeil, President, Berlin
Prof. Dr. Inge Schmitz-Feuerhake, Hannover


ACSIR第一回総会2012422へドイツ放射線防護協会からメッセージ

澤田先生
 ドイツ放射線防護協会はチェルノブイリ原子力発電所事故後に、放射能の健康への影響に関する真実の情報を入手し、守るために設立されました。それ以降、私たちは放射能を心配する世界中の科学者と知識の共有・交換に努めています。
 みなさまがACSIRを設立するご決断したことをお祝いするとともに、みなさまの今後のお仕事のご成功をお祈りいたします。みなさまと実りある協力関係が持てることを期待しております。
セバスチャン・プフルークバイル(博士)・会長、ベルリン
インゲ・シュミッツ・フォイエルハーケ(博士・教授)、ハノーバー


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 梶村の補足ですが、わたしのブログでこれまでふれていない、インゲ・フォイエルハーケ教授は、ドイツの世界的な放射線研究者で、すでに1983年にヒロシマの被爆者の内部被曝が隠蔽されていることを学問的に指摘した方で、のちにECRR・欧州放射線リスク委員会を立ち上げて、IAEAやICRPなどの原発推進マフィアたちのエセ科学を容赦なく批判している学者です。「世界の原発ロビーの天敵」のおひとりです。
これから、日独の科学者がしっかり協力してフクシマの市民の皆さんと連帯を本格的に始めることになりそうです。

わたしのブログからの情報で遠方から参加された方もあるとの連絡もありました。その読者のみなさまに感謝いたします。

 ここでまたまた、ふと思い出したのが、今度はドイツの文学者のこの言葉です;



„Die Kirschbäume sind explodiert“
„Das Grün explodiert“
                                      Christa Wolf "Störfall"

「桜の樹々が爆発した」
「みどりが爆発している」
   クリスタ・ヴォルフ 邦訳「夏の日の出来事」

この言葉は、昨年末亡くなったクリスタ・ヴォルフがチェルノブイリの事故を東独の農村で聴いたことを、ちょうどサクランボの花が満開でみどりがまばゆい頃であったので、事故と汚染のメタファーとして表現し、1987年に発表した小説の冒頭の言葉です。
わたしは、実は彼女がこの小説を書いている頃に、密かに東ベルリンの仕事場に彼女を訪ねて日本での文学者会議への参加を要請したことがあります。
昨年末に亡くなった際に、追悼会にも参加しましたので、これらのことも含めて回想を書きたいと思っているのですがまだ果たせていません。フクシマ事故の後には「文学の無力さ」を嘆く発言もありました。

いずれにせよ、チェルノブイリの事故が、のちにゴルバチョフも語ったようにソ連邦の崩壊を決定的に促しました。そのことを示唆する優れた作品でもあります。
「 桜の樹々が爆発した」日本では何が崩壊し、何が現れるのか?いずれにせよ日本も歴史的転換を迫られていることだけは確実です。

クリスタ・ヴォルフ追悼会2011年12月14日、ベルリン










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