2015年1月21日水曜日

281:「イスラム国による日本人人質事件に対する声明」日本ビジュアル・ジャーナリスト協会:後藤健二さんについて

 日本のフォトジャーナリストの友人から送られてきた緊急の声明です。そのまま転載致します。転送拡散お願い致します。明日うらしま

後藤健二さん:シリア北部の都市アレッポでの取材風景(写真:INDEPENDENT PRESS)

以下転載:
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 IS( イスラム国) による日本人人質事件に対する声明

 
 日本ビジュアル・ジャーナリスト協会( JVJA )はフォトジャーナリストやビデオジャーナリストの団体です。
 
 私たちは、イラク戦争とその後の占領下において、米英軍を中心とした有志連合軍による攻撃がイラク市民にどんな災禍をもたらされたかを取材、テレビや新 聞などで報道してきました。また、イスラエルのパレスチナ・ガザ地区への無差別攻撃に晒された市民を取材し、テレビや新聞等で報道してきました。私たちの 報道はけっしてアメリカやイスラエルの攻撃を肯定するものではありませんでした。
 
 私たちジャーナリストが、現場での取材を通して理解した戦争下の住民の現実だったからです。同時に、報道を通して私たちはあらゆる暴力を批判してきまし た。日本政府の戦争政策に対しても批判してきました。イスラエルのガザ攻撃に対しても、私たちは強く批判してきました。私たちは現在の安倍政権の戦争を肯 定するかのような政策を、報道を通して批判しています。
  
  現在、IS(イスラム国)が拘束している後藤健二さんには、取材の現場で会ったことがあります。後藤健二さんもまた、イラクやシリアでの戦火に苦しむ市民 の現状をテレビやインターネットで報道してきました数少ないジャーナリストです。湯川遥菜さんは、私たちと直接の接点はありませんでしたが、報道によると 個人的な興味から「イスラム国」に入ったようです。
 
 私たちは、暴力では問題の解決にならないというジャーナリズムの原則に立ちます。武力では何も解決されない現実を取材をとおして見てきたからです。「交渉」を含むコミュニケーションによって問題解決の道が見つかると信じます。
 
 私たちは、IS(イスラム国)の皆さんに呼びかけます。日本人の後藤さんと湯川さんの2人を殺さないように呼びかけます。人の命は他の何ものにも代え難いものです。イスラムの教えは、何よりも平和を尊ぶことだと理解しています。
 
 私たちは、同時に日本政府にも呼びかけます。あらゆる中東地域への軍事的な介入に日本政府が加担することなく、反対し、外交的手段によって解決する道を選ぶようにと。
 
 2015年1月20日
原文→日本ビジュアル・ジャーナリスト協会(JVJA)

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 以上転載。

 本日の→NHKの報道でも確認されるように、この「人質殺害脅迫と身代金要求」は、安倍首相に直接向けられたものです。事態がどのように展開するにしても、彼の政治責任は免れないことだけをまずここで指摘しておきます。安倍氏の「積極的平和主義」の最初の犠牲者となることを危惧します。
 また本日のドイツの公共第一放送→ARDの報道でも伝えられているように、ビデオに登場したイギリス英語を話す人物はこれまでにも英米の人質4人を殺害したのと同一人物であるとのことです。事態は非常に深刻です。

 人質になっているジャーナリストの後藤健二さんのインタヴューと寄稿の最近の記事ふたつを参考としてお読み下さい。いずれもクリスチャンツディーに掲載されているものです。

 →それでも神は私を助けてくださる

 →戦争に行くという意味

 これらを読むと、後藤さんは先に人質になった日本人を助けにいこうとしたのかもしれないとも思えます。いずれにせよ生還していただきたいと祈ります。

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