さて、終盤の映画祭そのものでどう評価されるか、わたしも期待を込めて緊張しています。
また、井戸川双葉町長の映画祭での世界へのメッセージの原文も記録しておきます。
====================================
Fukushima weighs heavy at Berlin film showcase
The 11-day festival, which prides itself on its generally edgier and more politically-overt line-up over other film showcases, was perhaps a fitting backdrop for the documentaries.
"I'm more than happy to be here because the Berlinale has got a long history of showing all those political, socially conscious films," Atsushi Funahashi, director of "Nuclear Nation", told AFP.
He said that although he was sensitised to the atomic question because his family had been affected by the 1945 Allied atomic bombing of Hiroshima, he was unsure at first how to tackle Fukushima.
"First of all, I didn't know what to do as a film-maker but I knew I had to do something," he said, adding one of his motives had been the difference in data from international and Japanese officials.
He focuses on the exile of residents of Futaba, where the crippled Fukushima Daiichi nuclear plant was based, to an abandoned high school 250 kilometres (155 miles) away.
The story homes in on a mayor whose town no longer exists as he tries to keep the community together.
"No Man's Zone" by Toshi Fujiwara journeys inside a 20-kilometre area which was evacuated after the disaster, as well as surrounding areas, to talk to "normal" people about how their lives were affected.
With slow panoramic sweeps of battered buildings by the sea, thick piles of rubble, boats lying on their side and crumpled cars, the film opens saying that images of destruction are "always difficult to digest".
It intersperses lingering shots of cherry blossom trees in the spring, cattle and green landscapes with frank conversations with farmers and fishermen who have lost their livelihood.
An older couple talk openly and animatedly about how they want to keep their damaged home despite the cost of repairing it and their experiences of having to stay in a refuge.
"I had a very strange feeling that the people who were directly concerned were somehow very neglected," Fujiwara said.
Meanwhile, in "Friends After 3.11", director Iwai Shunji discusses the political, social and economic state of the country with new "friends" that include a nuclear plant engineer, banker and journalists.
"I want to portray Japan's present and future as told by these 'friends'," he said.
The disaster, triggered by the March 11 earthquake and tsunami, contaminated the environment and forced tens of thousands of residents around the Fukushima nuclear site in northeast Japan to evacuate their homes.
Many still do not know if or when they will be able to return.
The Fukushima power plant became the site of the worst nuclear accident since Chernobyl after it lost its cooling systems in the March earthquake and tsunami and went through meltdown and explosions.
In the wake of the Fukushima accident, Germany decided to phase out nuclear power by the end of 2022.
福島原発事故がテーマの邦画3本、ベルリン映画祭で注目
- 2012年02月16日 18:18 発信地:ベルリン/ドイツ
【2月15日 AFP】東日本大震災による福島第1原子力発電所の事故から間もなく1年を迎えるなか、現在開催中の独ベルリン国際映画祭(Berlin International Film Festival)に原発事故の日本社会への影響を検証した3本のドキュメンタリー映画が出品され、注目を集めている。
11日間に及ぶ同映画祭は、他の国際映画祭に比べて政治色が鮮明で、切り口の鋭い出品作を誇っている。福島の原発事故を扱ったドキュメンタリーはこうした背景に沿ったものといえるだろう。
■『Nuclear Nation』
話題の3作品の1つ、『ニュークリア・ネイション(Nuclear Nation)』の舩橋淳(Atsushi Funahashi)監督はAFPのインタビューに対し、「政治的、社会的意識の高い作品を上映してきた長い歴史を持つベルリン国際映画祭に出品できることは、この上なく嬉しい」と語った。
舩橋監督の家族は広島で原爆に遭った。そのため核の問題については元々敏感だったが、福島の原発事故には最初どう向き合うべきか戸惑ったという。しか し、「映画制作者として何をすべきか分からなかったが、何かをしなければと思った」。日本政府の公式発表と世界から届く情報との差が、動機の1つとなっ た。
舩橋監督は福島第1原発がある福島県双葉町から、250キロ離れた廃校の校舎に避難した住民たちに密着した。ストーリーでは、なくなってしまった町の地域社会をどうにか維持しようとする町長の姿を追った。
■『無人地帯』
一方、藤原敏史(Toshi Fujiwara)監督の『無人地帯(No Man's Zone)』は、事故後立ち入りが制限された原発から半径20キロ圏の警戒区域内とその周辺地域で「普通の」人たちに、暮らしにどんな影響があったかを尋ねている。
オープニングでは、がれきの平原に船や車が横たわる。満開の桜や青々とした牧草を食む牛といった光景が挿入されながら、生活の手段を失った農民や漁師、 修復費がかかっても壊れた家に住みたいという老夫婦などが、生の言葉で語っている。藤原氏は「避難させられた人たちが無視されている」のはおかしいと思っ たと述べている。
■『friends after 3.11』
3本目は、岩井俊二(Iwai Shunji)監督の『friends after 3.11』。 同監督が旧友や、原発事故後に知り合った「新しい友人」である原発技術者や銀行家、ジャーナリストらと日本の政治、社会、経済状況について語り合う。岩井 監督は「その『友人』と語る日本の今、未来を描きたい」とメッセージを発している。(c)AFP/Kate Millar
11日間に及ぶ同映画祭は、他の国際映画祭に比べて政治色が鮮明で、切り口の鋭い出品作を誇っている。福島の原発事故を扱ったドキュメンタリーはこうした背景に沿ったものといえるだろう。
■『Nuclear Nation』
話題の3作品の1つ、『ニュークリア・ネイション(Nuclear Nation)』の舩橋淳(Atsushi Funahashi)監督はAFPのインタビューに対し、「政治的、社会的意識の高い作品を上映してきた長い歴史を持つベルリン国際映画祭に出品できることは、この上なく嬉しい」と語った。
舩橋監督の家族は広島で原爆に遭った。そのため核の問題については元々敏感だったが、福島の原発事故には最初どう向き合うべきか戸惑ったという。しか し、「映画制作者として何をすべきか分からなかったが、何かをしなければと思った」。日本政府の公式発表と世界から届く情報との差が、動機の1つとなっ た。
舩橋監督は福島第1原発がある福島県双葉町から、250キロ離れた廃校の校舎に避難した住民たちに密着した。ストーリーでは、なくなってしまった町の地域社会をどうにか維持しようとする町長の姿を追った。
■『無人地帯』
一方、藤原敏史(Toshi Fujiwara)監督の『無人地帯(No Man's Zone)』は、事故後立ち入りが制限された原発から半径20キロ圏の警戒区域内とその周辺地域で「普通の」人たちに、暮らしにどんな影響があったかを尋ねている。
オープニングでは、がれきの平原に船や車が横たわる。満開の桜や青々とした牧草を食む牛といった光景が挿入されながら、生活の手段を失った農民や漁師、 修復費がかかっても壊れた家に住みたいという老夫婦などが、生の言葉で語っている。藤原氏は「避難させられた人たちが無視されている」のはおかしいと思っ たと述べている。
■『friends after 3.11』
3本目は、岩井俊二(Iwai Shunji)監督の『friends after 3.11』。 同監督が旧友や、原発事故後に知り合った「新しい友人」である原発技術者や銀行家、ジャーナリストらと日本の政治、社会、経済状況について語り合う。岩井 監督は「その『友人』と語る日本の今、未来を描きたい」とメッセージを発している。(c)AFP/Kate Millar
=====================================
また、先日の上映の後で双葉町の井戸川町長が、ビデオメッセージで、挨拶を送られ、観衆の大喝采を受けましたが、その原文と英訳を舩橋監督のブログからお借りしておきます。
わたしから付け加えておきますが、もし野田首相がメッセージを送れば、間違いなく観衆から野次り倒されます。
映画にも登場した、海江田、細野大臣の被害者への慇懃無礼な振る舞いに、会場から嘲笑の声が漏れ、わたしも、恥ずかしくて腹が煮えくり返る思いでした。とにかく東電の酷さは、世界中で常識になっていますが、日本政府のみっともなさは、開闢以来の日本の恥です。
http://cowtown11211.wordpress.com/
グーテンターク、ベルリン。ドイツの皆さんこんにちは。
私は福島県双葉町町長の井戸川克隆と申します。
この度のベルリン国際映画祭に出席をできなくて、大変残念に思っております。
皆さんと直接お会いして生の声をお届けしたかったんですが、なかなかできませんでしたことをお詫び申し上げます。
さてこの度の、福島第一原子力発電所の事故によって世界中の皆さんから双葉町の町民の皆さんに対しての、温かい思いやりを戴きました。ご支援ありがとうございます。
この映画を通して世界中の皆さんに原子力発電所が持つ大きな危険というものを実感をして戴きたいと思います。
安全な装置であれば原子力発電所はやはり便利です。
私はこの事故が起きる前は原子力発電所を誘致して町の振興に役立てたいと思っておりました。
事故が起きてから原子力発電所に対する私の考えは大きく変わりました。
事故に対する備えが無いまま、原子力発電所を増やしていくことは大変危険であります。
まして、“放射性物質の最終処分”ということも確立されていないまま世界中に原子力発電所が多くできることは大変危険だと思います。
この福島原発の事故を皆さんと共有して、これから地球上に原子力発電所が必要なのかどうか、
皆さんと共に考えなければならないと考えております。
地球の大きさは一定であります。
その大きさの中で放射能を受け入れる容積っていったいどのくらいあるんだろうか、
また、いろいろな廃棄物を受け入れる場所とか方法があるんだろうか、
この問題を皆さんと共有しなければ推進してはいけないな、
とそんな思いになっております。
多くの経験をしました。
もう2度と私たちのような経験を世界中の皆さんにしては欲しくありません。
よく皆さんがこの事を考えて今後の事を選択されることを願っております。
双葉町長 井戸川克隆
—————————————–
Guten tag Berlin.
My name is Katsutaka Idogawa.
I’m the Mayor of Futaba in Fukushima Prefecture.
I regret that I’m not able to join you at this year’s Berlinale.
I would’ve loved to meet you all, and speak to you in person.
Ever since the crisis began at the Fukushima Daiichi nuclear power station, our town has received so much warmth, encouragement and support from people around the world.
Thank you very much.
It’s my hope that, through this film, everyone around the world can get a better understanding of how dangerous nuclear power is.
If they were safe, nuclear power plants would be very convenient.
Before this accident happened, I wanted to build more nuclear reactors, thinking that was the best way to bring progress to our community.
Since the accident, my attitude has changed drastically.
Increasing the number of nuclear plants without making provisions for serious accidents is extremely reckless.
On top of that, a safe way to dispose of nuclear waste has not yet been discovered.
Despite this, nuclear plants are cropping up around the world, in great numbers, and this is very disconcerting.
In light of the disaster at Fukushima Daiichi, we need to question ourselves, honestly, if nuclear power plants are truly a necessity on this Earth.
I believe it’s critical for us to be rational.
Our planet is small.
How much space do we have left, to absorb all the radioactivity we keep producing?
What capacity do we have, for storing all the nuclear waste?
Unless we find viable solutions, we should not be permitted to use nuclear energy.
The learning curve has been steep.
I don’t want anyone else in this world to ever experience what we’re going through.
My deepest wish is that our situation will help you make the right choices for the future.
Katsutaka Idogawa
Mayor of Futaba Town
わたしから付け加えておきますが、もし野田首相がメッセージを送れば、間違いなく観衆から野次り倒されます。
映画にも登場した、海江田、細野大臣の被害者への慇懃無礼な振る舞いに、会場から嘲笑の声が漏れ、わたしも、恥ずかしくて腹が煮えくり返る思いでした。とにかく東電の酷さは、世界中で常識になっていますが、日本政府のみっともなさは、開闢以来の日本の恥です。
http://cowtown11211.wordpress.com/
私は福島県双葉町町長の井戸川克隆と申します。
この度のベルリン国際映画祭に出席をできなくて、大変残念に思っております。
皆さんと直接お会いして生の声をお届けしたかったんですが、なかなかできませんでしたことをお詫び申し上げます。
さてこの度の、福島第一原子力発電所の事故によって世界中の皆さんから双葉町の町民の皆さんに対しての、温かい思いやりを戴きました。ご支援ありがとうございます。
この映画を通して世界中の皆さんに原子力発電所が持つ大きな危険というものを実感をして戴きたいと思います。
安全な装置であれば原子力発電所はやはり便利です。
私はこの事故が起きる前は原子力発電所を誘致して町の振興に役立てたいと思っておりました。
事故が起きてから原子力発電所に対する私の考えは大きく変わりました。
事故に対する備えが無いまま、原子力発電所を増やしていくことは大変危険であります。
まして、“放射性物質の最終処分”ということも確立されていないまま世界中に原子力発電所が多くできることは大変危険だと思います。
この福島原発の事故を皆さんと共有して、これから地球上に原子力発電所が必要なのかどうか、
皆さんと共に考えなければならないと考えております。
地球の大きさは一定であります。
その大きさの中で放射能を受け入れる容積っていったいどのくらいあるんだろうか、
また、いろいろな廃棄物を受け入れる場所とか方法があるんだろうか、
この問題を皆さんと共有しなければ推進してはいけないな、
とそんな思いになっております。
多くの経験をしました。
もう2度と私たちのような経験を世界中の皆さんにしては欲しくありません。
よく皆さんがこの事を考えて今後の事を選択されることを願っております。
双葉町長 井戸川克隆
—————————————–
Guten tag Berlin.
My name is Katsutaka Idogawa.
I’m the Mayor of Futaba in Fukushima Prefecture.
I regret that I’m not able to join you at this year’s Berlinale.
I would’ve loved to meet you all, and speak to you in person.
Ever since the crisis began at the Fukushima Daiichi nuclear power station, our town has received so much warmth, encouragement and support from people around the world.
Thank you very much.
It’s my hope that, through this film, everyone around the world can get a better understanding of how dangerous nuclear power is.
If they were safe, nuclear power plants would be very convenient.
Before this accident happened, I wanted to build more nuclear reactors, thinking that was the best way to bring progress to our community.
Since the accident, my attitude has changed drastically.
Increasing the number of nuclear plants without making provisions for serious accidents is extremely reckless.
On top of that, a safe way to dispose of nuclear waste has not yet been discovered.
Despite this, nuclear plants are cropping up around the world, in great numbers, and this is very disconcerting.
In light of the disaster at Fukushima Daiichi, we need to question ourselves, honestly, if nuclear power plants are truly a necessity on this Earth.
I believe it’s critical for us to be rational.
Our planet is small.
How much space do we have left, to absorb all the radioactivity we keep producing?
What capacity do we have, for storing all the nuclear waste?
Unless we find viable solutions, we should not be permitted to use nuclear energy.
The learning curve has been steep.
I don’t want anyone else in this world to ever experience what we’re going through.
My deepest wish is that our situation will help you make the right choices for the future.
Katsutaka Idogawa
Mayor of Futaba Town
むらおさのきよいことうつくしのまこと。
返信削除