2013年11月13日水曜日

201:外国特派員教会が「秘密保護法案」に抗議声明。"Designated Secrets Bill"Protest Statement of The Foreign Correspondents’ Club of Japan

  11月11日、東京の日本外国特派員協会(会員2000名)が、現在衆議院で審議中の「特定秘密保護法案」の廃案、ないしは大幅修正を求めて抗議声明を出しました。
 以下→日本語→English英文をそのまま引用します。

Süddeutsche Zeitung 11.Nov.2013
  この法案の反民主性と危険性については、ドイツでもこの日、南ドイツ新聞が写真のように「秘密事項原子力発電/日本市民はもはや核施設の安全性について知ってはならない」との見出しで、原発に関する情報秘匿を例に挙げて、民主主義の基本を否定するものであることを解説しています。

 また、日本での権力の公文書の私物化と隠蔽の一例として、沖縄返還時の核付き返還の秘密協定文書が、政府の保管ではなく、安倍総理の大叔父である当時の佐藤栄作元総理の遺産の中から出てきたことを挙げています。
 その上で、このような酷い法案を安倍政権が実現しようとする裏にはアメリカの圧力があるのではないかとの見方を紹介しています。(クリックで拡大します)
このような見解はすでに10月29日に、ニューヨーク・タイムズが社説で指摘しています。これの翻訳はカナダの→乗松さんたちのサイトで読めます。

 これらは報道の数例でしかありませんが、特派員協会の抗議声明に見られるように、特派員たちの自らの職業に対する弾圧法であるとの強い危機感は、民主主義擁護を基本とする者にとっては全く正当なものです。したがって同法案が可決成立するようなことになれば、日本の国会の世界の民主主義を脅かす行為として、全世界から集中的に批判の的になることは明らかです。
 要するに、日本の国会議員は世界から彼らの民主主義認識の常識を問われているのです。情けないことに、そのことすら認識していない無能な国会議員が多数であるようです。
少なくとも、この法案成立と同時に、日本の報道の自由は、中国並みのランクに格付けされることだけは確実ですから、それくらいの自覚は持ってほしいものです。

 以下抗議声明の引用です。
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 日本外国特派員協会は現在日本の国会で審議中の「特定秘密保護法案」を深く憂慮してい
ます。
 特に、われわれが懸念しているのは、同法案の中にジャーナリストに対する起訴や禁固を
可能にする条文が含まれており、与党議員の一部が、それに順ずる発言を行っていること
です。
 開かれた社会における調査報道の真髄は、政府の活動に関する秘密を明らかにし、市民に
伝えることにあります。そのような報道行為は民主主義の基本である抑制と均衡のシステムに
不可欠なものであって、犯罪などではありません。
 本法案の条文によれば、報道の自由はもはや憲法で保障された権利ではなく、政府高官が
「充分な配慮を示すべき」対象に過ぎないものとなっています。
その上、「特定秘密保護法案」には公共政策に関する取材において「不適切な方法」を用い
てはならないといった、ジャーナリストに対する具体的な警告文まで含まれています。こ
れはメディアに対する直接的な威嚇であり、十分に拡大解釈の余地がある表現は、政府に
対し、ジャーナリストを意のままに逮捕する権限を与えることになります。
 日本外国特派員協会の会員には日本国籍を有する者と外国籍を有する者が含まれて
いますが、1945年に設立された由緒ある当協会は常に報道の自由と情報の自由な流通こそが、日
本と諸外国との間の友好関係や相互理解を維持、増進するための不可欠な手段と信じてま
いりました。
 そのような観点から、われわれは国会に対し、「特定秘密保護法案」を廃案とするか、もし
くは将来の日本の民主主義と報道活動に対する脅威とならないような内容への大幅な修正
を、強く求めます。
ルーシー・バーミンガム
日本外国特派員協会々長
平成25年11月11日


The Foreign Correspondents’ Club of Japan

1-7-1 Yurakucho 20F

Chiyoda-ku, Tokyo

03-3211-3161

  FCCJ "Designated Secrets Bill"Protest Statement

The Foreign Correspondents' Club of Japan views with deep concern the

"Designated Secrets Bill" now under consideration by the Japanese Diet.
In particular, we are alarmed by the text of the bill, as well as associated

statements made by some ruling party lawmakers, relating to the potential

targeting of journalists for prosecution and imprisonment.


It is at the very heart of investigative journalism in open societies to uncover
secrets and to inform the people about the activities of government. Such

journalism is not a crime, but rather a crucial part of the checks-and-balances

that go hand-in-hand with democracy.

The current text of the bill seems to suggest that freedom of the press is no

longer a constitutional right, but merely something for which government officials

“must show sufficient consideration.”



Moreover, the "Designated Secrets Bill" specifically warns journalists that they
must not engage in "inappropriate methods" in conducting investigations of

government policy. This appears to be a direct threat aimed at the media

profession and is unacceptably open to wide interpretations in individual

cases.


Such vague language could be, in effect, a license for government officials to

prosecute journalists almost as they please.

The Foreign Correspondents' Club of Japan includes members who are both

citizens of Japan and those who are not. 


But our venerable organization, established in 1945, has always viewed freedom
 of the press and free exchange of information as the crucial means by which to 
maintain and increase friendly relations and sympathetic understanding between 
Japan and other countries.


In that context, we urge the Diet to either reject the "Designated Secrets Bill" in

total, or else to redraft it so substantially that it ceases to pose a threat to both

journalism and to the democratic future of the Japanese nation.


Lucy Birmingham


President

Foreign Correspondents' Club of Japan

November 11, 2013

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