まずは、世界中に報道された両者の初めての握手のこの写真。
硬い表情で握手を交わす安倍首相と習近平主席 Getty Images |
アメリカのウオールストリートジャーナルは電子版で「凍りついた握手」との見出しで、「→ このビデオでも分かる通り、両首脳の会談はあまり友好的と言えるものではなかったようだ。習国家主席は見るからに安倍首相の挨拶に応えるのを拒否し、写真撮影の間中、まるで、尖閣諸島(中国名:釣魚島)から乏しい草木をむしり取っている一匹のヤギと握手しているかのように見えた」とまで書いています。引用されているビデオは中国側のものです。これを見ると、他の首脳とは別に、安倍首相は廊下のようなところで待たされていることが判ります。まるで勝手口に来たご用聞き扱いされています。
中国側としては、会議の主催者でもあるので、「合意書」を一札入れさせて公表したうえで仕方なく会ったということです。それ自体が前代未聞のことですが、両国の国旗もなくソファーだけの部屋で、20数分話し、しかもその7割は習主席が話したと報道されています。通訳が入りますので、安倍首相には3分か4分ぐらいしか時間がなかったことになります。これはとても首脳会談と呼べるものではありません。
→中国側の報道では「中国政府はこれは『会見』であり『会談』とはしていない。一字違いだがこれには千里の差がある」とあります。
日本政府は「首脳会談が実現した」と、あたかも成果があったかのような見解を述べていますが、日中国交回復以来最低の「会談」であったことを証明したにすぎません。
わたしもベルリンで多くの首脳会談の記者会見を体験していますが、こんなみじめなものは記憶にありません。愕然とし情けなくなるだけです。
ベルリンには多くの首脳が毎週のように訪問してメルケル首相と会談をしていますが、ドイツの首相府でこのような握手があれば、大きなスキャンダルとなります。
以下韓国、中国、日本の首脳との握手の写真を挙げておきましょう。いずれも今年のものでわたしが撮影したものです。
まずは、3月26日に会談した韓国の朴大統領とメルケル首相。
次は、その2日後の3月28日に大訪問団を引き連れて訪独した中国の習主席。
それからひと月後の4月30日に会談した安倍首相との会談後の写真です。
いずれもベルリンの首相府での会談を終えた記者会見後の写真ですが、これが常識的な首脳会談というものです。
特に朴大統領との記者会見ではメルケル首相の韓国に対する思いやりが、言葉と仕草ににじみ出ており、密かに感動すらしたものです。
ドイツ語には「Macht des Wortes /言葉の力」、また「Macht des Bildes/画像の力」という成語があります。これを駆使するのが政治であり外交です。
北京での会談は、安倍首相の挨拶に無言で顔をそらす習主席の仕草が、それを決定しました。挨拶にも無言で応え、笑顔も見せず顔をそむける仕草。外交の舞台では、あってはならないことです。このような場面を予測できなかったのは日本の外交の失態です。さらにこのような事態に直面して、その場で首相として判断ができない安倍氏は一国の代表として失格です。
もしわたしが首相の立場でこのような侮辱的な扱いを受けたら、その場で「失礼します」と述べて席を蹴ります。それもできない安倍晋三氏は一国の首相としての矜持を国際舞台で失ったことになります。
みじめな醜態をさらした安倍氏には早期に退陣していただくしかありません。ここまで日中関係を悪化させた責任の大半が、安倍氏の歴史認識にあることは、いまや世界では周知されているところです。
この結果を良く表現している報道があります。
北京のアペックについて、本日12日の南ドイツ新聞の論説欄のひとこまマンガを紹介しましょう。
Süddeutsche Zeitung 12.Nov.2014 |
中国の股下を這いつくばっている日本の姿が、今回の安倍・習「首脳会談」で露骨に示されたのです。これが国際世論のが見た今の安倍内閣の日本の姿です。
一日でも早い退陣こそが日本の国益でもあり世界のためでもあります。
解散風が吹いていますが、いずれにしてもアベノミクスは破綻しており、政権下で累積を続けている財政赤字は史上最悪の水準です。まもなく国際金融市場で日本売りは不可避です。残念ながら国際金融資本というハゲタカは、次の格好の餌食である日本の上空を舞っているのです。返済できない借金という腐肉で太るのが資本主義です。免れない破綻は早く来た方が良いのです。
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