2013年11月8日金曜日

200;モスクワのスノーデン、ベルリンのハリソン、東京の山本、若者たち頑張れ!未来は君たちのものだ。

 昨日、→サラ・ハリソンさんが、突然ベルリンに現れ、闘争宣言を発表したのには驚きましたが、本日の南ドイツ新聞は、第3面の全面を使って彼女についてのルポタージュを掲載しています。
Süddeutsche Zeitung 7.Nov.2013 S,3

 「自信のある女性」という見出しのこの記事は、彼女が先週土曜日にベルリン入りしてから、某所で会って書かれています。記事に使われている写真は、彼女がヴィキリークスの主催者、ジュリアン・アサンジ氏と出会ってその活動に取り組み始めた、2010年7月のロンドン街頭でのスナップです。
 記事の筆者は、→ジョン・ゲッツ氏。
写真 ARD Galerie
この写真は、ここでも詳しく経過を報告しましたが、シュトレーベレ議員がスノーデン氏とモスクワで秘密会談をした時に、彼もドイツ公共第一テレビARDのレポーターとして同行しており、その時のいわば「記念写真」です。右端がゲッツ記者です。おそらくこの写真はハリソンさんが撮ったものでしょう。
 
 この対談の体験でドイツのジャーナリズムと世論の関心の質を知った彼女は、その3日後にベルリン入りしています。さて、二度目にベルリンで会ったゲッツ記者に彼女は、かなり詳しく個人的なことも話しています。
 それによれば、ロンドン近郊のケントの裕福な家庭に生まれたサラ・ハリソンさんは、現在31歳です。すでに10歳の時に、ホームレスの問題の解決策を当時のマジョアー首相に手紙で提案したとのことです、「政府はホームレスのひとたちに住宅建設の仕事を与えて働いてもらえば、失業は無くなる。彼らもそこに住めて問題は一石二鳥で解決する」との政策案でした。首相からは「提案に感謝します」との丁寧な返事があったそうです。
  
 どうやら、彼女は当分はベルリンを拠点にスノーデン氏の安全な亡命先を実現しようと計画しているようです。彼女はここで近いうちに記者会見に現れるのではないかと、思われます。これまで彼女は、アサンジ氏やスノーデン氏の裏方の役割に徹していましたが、これからは公然と登場をする決心をしたと述べています。

 彼女が昨日の闘争宣言を準備している、1昨日11月 5日には英国のインデペンデント紙が「ベルリンでは、アメリカ大使館だけではなく英国大使館も大規模な盗聴を行っており、大使館屋上にはそのアンテナ装置と思われるものがある」と→報道しました

 そこでまたまた、わたしも国会議事堂の屋上から撮った写真を捜してみると、確かにありました。その部分を拡大したものがこれです。
英国大使館屋上の盗聴施設 撮影梶村2013年2月
英国大使館の隣のホテル・アドロンの屋根に掲げてあるベルリン市の旗の向こうにある、シリンダー状に白いグラスファイバーで覆われた施設のなかに盗聴用のアンテナがあると、同紙は推定しています。国会や政府官庁の盗聴には理想的な場所です。隣のホテルはベルリンの最高級ホテルで、国賓級の泊まり客が常にありますので、この暴露で営業妨害になるのではないでしょうか。最上階の最高級の部屋の目と鼻の先ですからね、

 さて本日の午後、これもあり英国では、歴史上初めて同国の三つの諜報機関のトップがそろって国会の聴聞会で質問されています。テレビ中継されていますので、今から大きなニュースとなるでしょう。スノーデン・ハリソンというアメリカとイギリスの若者コンビの力は、まさに恐るべきです。1980年世代の力強い登場といえましょう。

 ところで、同じ本日の南ドイツ新聞には山本太郎氏の天皇直訴問題がかなり大きく報道されていますので、その記事もあげておきましょう。
Süddeutsche Zeitung 7.Nov.2013
 「天皇へのけしからぬ手紙」という見出しに「ひとりの日本人俳優が、いささか禁止されていることを行った。彼は天皇にフクシマについて訴えた。国中が泡を吹いた」との小見出しです。山本太郎氏の「今はひとりの党」の参院選での闘いが、多くの母親たちの信頼を得ていると説明したうえで、直訴問題の経過を伝えたものです。

 この記事でも「手紙の全文は未公開」とされていますので、山本氏は時期を見てひるまず、堂々と公開した方が良いでしょう。天皇も読まれていないようですのでそのほうが良いでしょう。そうすれば山本氏の真意が、少なくとも世界中に伝わることだけは間違いないでしょうから。スノーデン氏、ハリソンさんも勇気を持って自分の声で発信して世界中に届いています。

 モスクワのスノーデン、ベルリンのハリソン、東京の山本、世界の若者たち頑張れ!未来は君たちのものだ。明日うらしま爺さんも応援します。

 

 

4 件のコメント:

  1. ドイツの情勢を調べていたところ、梶村さんのブログに辿り着きました。
    内容、とても興味深く拝見させて頂きました。

    突然のコンタクトすみません、どうしてもお伝えしたいことがございます!
    実は今、日本では「特定秘密保護法」という悪法が、安倍氏をはじめとした現政権の手によって強行的に可決されそうになっています。
    9月に集まったパブリックコメントでは、国民の77%近くがこの法律に反対、またその後の世論調査でも、50%以上が反対、82%が慎重に審議せよとの意見であるにも関わらず、です。

    以下の弁護連の資料を、宜しければご高覧頂けますでしょうか。
    http://www.nichibenren.or.jp/library/ja/publication/booklet/data/himitsu_hozen_qa.pdf

    265名の憲法学者・刑法学者も反対声明を発表しています。
    http://www.tokyo-np.co.jp/feature/himitsuhogo/seimei.html

    東京新聞、朝日新聞、毎日新聞の3社とも、この「特定秘密保護法」に反対と危惧の声を上げています。

    市民も立ち上がり、ロビイングやデモ、国会議員へのFAXやメール送信などの活動を、必死に行っています。
    http://hinan-kenri.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/500stop-1111-e2.html

    反対の署名もすでに5500名以上集まっています。
    http://chn.ge/1b9s4o9

    どうか、梶村さんにお願いがございます。
    ドイツのメディアや市民のみなさんに、この事実を周知して頂けないでしょうか。

    ドイツの国民は、自らの過ちをきちんと認め、脱原発を理念に掲げ、民主主義国家として素晴らしい歩みをしていると思います。
    私は、今の日本が恥ずかしくて仕方がありません。
    これから、歴史のこともきちんと学び、諸国に謝罪が必要ならばきちっと謝り、民主主義としてもっと市民が政治に参加する姿勢を基本にしていきたいと、そう思っております。
    それが、この「特定秘密保護法」が制定されてしまうといっさい出来なくなってしまう可能性が高いのです。

    どうかお願いでございます、国際的な世論を高める契機となるべく、ぜひドイツ国民の皆さんにも周知して頂けないでしょうか。
    日本の現政権の劣悪さと、それに屈しないように国民が声を上げていることを。
    何卒、お願い申し上げます。

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    1. ご連絡に感謝します。
      この件に関しては、第201回の報告をご覧ください。東京で特派員協会の抗議声明が出され、世界中で報道されています。

      梶村

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  2. このコメントは投稿者によって削除されました。

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  3. 第201回のご報告、拝読させて頂きました!ありがとうございます!!
    外国特派員協会の方々にも心より感謝申し上げます。
    もはや人間ではなくなった人が結構いるのかもしれないと、時々本当に恐ろしく悲しくなってしまうこの頃ですが、でもやはり、人間らしい素敵な方たちもたくさんいらっしゃる。がんばろうと思います。

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