2013年11月2日土曜日

196:シュトレーベレ議員のスノーデン氏手紙公表記者会見。ドイツ政府、強い風圧で変化のきざし。日本では山本太郎氏の擁護を。

 本日、11月1日12時30分から、シュトレーベレ連邦議会議員のよる昨日のスノーデン氏とのモスクワでの対談の報告と手紙の公表が、ベルリンの連邦記者会議で行われました。

 それに先立ち11時から、同じ場所で連邦政府の定例記者会見があり、そこでの質問も大半がスノーデン氏のドイツへの入国の可能性に関するものでしたが、なにしろスノーデン氏の手紙は連邦政府のザイベルト報道官も見ていないので、法務省の報道官らもそのまま、記者席から記者会見を聴取するはめになりました。
 シュトレーベレ議員の連邦議員としての独立した行動であったので、そのようになったのです。

 要点のみ 記します。広い記者会見場に数百人のメディアが押し寄せました。テレビカメラの数も尋常ではありませんでした。今回の写真は全て梶村の撮影です。
まずは、スノーデン氏の手紙をみせる、シュトレーベレ氏
この時の写真は目下世界中に配信されていいます。

これが、スノーデン氏が3時間の会談の終わりにシュトレーベレ氏に託した手紙です。
そのサインの部分。左はシュトレーベレ氏の副書サインです。
 この手紙の核心部分は、彼のアメリカとイギリスの諜報機関の機密文書の暴露は「社会の利益のためであり、道徳的義務である。真実を述べることは犯罪ではありません」と主張したうえで、「事態が許せば、貴国において貴殿と対談できることを喜びとします」との部分です。

 この、2時間にわたる記者会見は、CNNも中継したようでアメリカ政府も直ちにこれまでの立場を表明しましたが、スノーデン氏は彼を国家反逆罪で追訴しているアメリカの追求からの安全が保障されれば、ドイツを含めNSAの犯罪の被害に遭っている国で、喜んで証言して疑惑解明の手助けをしたいとこれで公式に意思表示をしたことになります。

 シュトレーベレ氏が会見の最初に強調したことは、「彼はアメリカに反逆したいのではない。彼が『最もしたいことは、アメリカの議会で事態の証言をして、諜報機関が間違った肥大化をしていることからアメリカ国民を守りたい』と、わたしに述べたのです」という点です。 

 シュトレーベレ氏が30歳のスノーデン氏から得た印象は、非常に良いもので、精神的にしっかりしており、とても迫害に遭って落ち込んでいる様子はなかったとのことです。
 また、彼は8年間も、NSAとCIAで機密文書に取り組んできた実績からして、これからも出てくるであろう膨大な機密や、組織の実体を解明するには、もっとも最適な人物であることは間違いないとシュトレーベレ氏は確信したとのことです。
 
 また、フリードリヒ内務大臣が、  これまでの姿勢を変え、本日改めて「スノーデン氏にその意思があれば、参考人とすることは考えられる」と表明したことに関して、「大変良いことだ。週明けから議会の委員会、法務大臣、内務大臣、最高検察庁などと話し合いを始めたい」と述べました。またアメリカ政府と議会で、目下変化が起こりつつあるのでそちらともできれば協議がしたいと述べました。
 会見終了後も内外のテレビが外で待ち受けており、また長いインタビューをしていました。
 間違いないことは、ドイツ政府にとっては、このふたりの対談がかなりの風圧となり、アメリカ政府との外交駆け引きが、これまで以上に緊張したものとなることだけは確かです。スノーデン氏に亡命権を与えるべきだとする世論も次第に圧倒的なものになりつつあります。
 そして、ドイツではこの問題は、単なるメルケル首相の携帯電話の盗聴問題を越える、もっと大きな問題となることもほぼ確実です。水面下で有力なメディアがその準備をしていることは間違いないからです。

 ちなみに、シュトレーベレ議員は、緑の党を創った74歳の長老議員ですが、数時間前にモスクワからベルリンに帰ってきて、この記者会見にも彼の使いこなされた自転車で来ています。駐輪場には、彼の愛車がありました。真ん中の自転車がそれです。

終わりに、ひとこと。今日一日、祖国から迫害を受けているスノーデン氏のニュースを追いながら、日本からは山本太郎氏が、天皇にフクシマの被害の実情を伝えようと手紙を渡したことで迫害が始まっていることが伝えられています。このふたりには共通性がありますね。彼らが真実を述べることは犯罪ではありません。道徳的な義務なのです。
 
 平成天皇は天皇である前にひとりの人間です。その人物に真実を手紙で訴えることは、国民としての道徳的義務です。「天皇の政治利用」論をここで主張するのは、天皇あるいは皇室メンバーの個人的人間性を無視する冷酷な差別です。天皇個人の人間性も、国民と同じく尊重されてしかるべきではないですか。
 日本では、山本太郎氏を擁護する声が揚がってほしいものです。

2 件のコメント:

  1. 日本のブログ界でも、山本太郎議員の行いを擁護する記事が沢山出ています。
    私も書きましたのでご紹介させていただきます。

    天皇陛下への直訴状by山本太郎
    http://dendrodium.blog15.fc2.com/blog-entry-1810.html

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  2. ありがとうございます。拝読致しました。
    エドワード・スノーデンと山本太郎の行動には類似性があります。
    人間の良心に忠実だという点です。

    この日米の若く勇気のある人々を応援しましょう。

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