2013年6月5日水曜日

166:吉見義明教授の橋下徹市長名誉毀損、提訴となれば断固として支持します。追記あり。

吉見義明教授が本日、大阪市役所で記者会見し橋下市長の発言に対して公開質問状を大阪市に提出、返答によっては名誉毀損で提訴もあると述べています。
 毎日新聞によれば次のとおりです:


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→橋下氏慰安婦発言:中央大教授が公開質問状 大阪市に提出


毎日新聞 20130604日 2013
 旧日本軍の従軍慰安婦を巡る橋下徹大阪市長(日本維新の会共同代表)の発言で名誉を傷つけられたとして、吉見義明・中央大教授が4日、発言の撤回と謝罪を求め、橋下氏への公開質問状を市に提出した。十分な回答がない場合は、提訴も検討するという。
 橋下氏は昨年8月、従軍慰安婦に関する記者団との質疑で、吉見教授の発言として「『強制連行の事実までは認められない』と発言があった」と言及。吉見教授は同年10月に文書で抗議したが、橋下氏から謝罪や撤回がなく、改めて質問状を提出した。
 質問状では「私は一貫して、慰安所で強制があったと主張し、違法性を指摘してきた」として「私の研究の根幹を否定し、社会的評価を著しく損なった」と批判。1カ月以内の回答を求めている。
 また、橋下氏が先月27日、日本外国特派員協会で記者会見した際、同席した桜内文城衆院議員(維新)が吉見教授の著作を「捏造(ねつぞう)」と発言したことへの見解も求めた。
 吉見教授は記者会見で「慰安所で強制があったことが一番問題で、橋下氏はそれをきちんと認識していない」と批判した。【茶谷亮】

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吉見教授への名誉毀損の背景については、すでにグログ162で紹介したとおりです
:→橋下市長の「慰安婦必要」発言は強盗の居直り説教に等し

追記:今回の吉見教授の6月4日付の公開質問状全文は168をお読み下さい。
 
 わたしは公開質問への回答で提訴となれば、教授を断固支持します。橋下氏が敗訴しても、まともに謝罪するとは思えませんが、この裁判は日本の市民が日本社会の名誉を自ら回復する意義があり、大変重要であるからです。この際、とっくに国際社会では決着のついているこの問題に関して、日本社会で決着する実に良い機会であるからです。

 また、若い方はご存じないでしょうが、吉見教授とわたしは、1997年の初め、「慰安婦問題」が議論になったときに、当時台頭して来た「新しい教科書をつくる会」などの歴史改竄主義者がを相手に、「朝まで生テレビ」に出演したことがあります。わたしはそこで中国の歴史資料を示して、「白を黒という」歴史の嘘つきどもをやっつけたことがあります。これが近年の日本の歴史改竄主義者が公開論争で負けた最初です。

 それから10年後の2007年、安倍晋三首相の「狭義の強制はなかった」発言に関して、わたしは、村岡崇光ライデン大学名誉教授と共同で、手元にあるオランダ臨時軍法会議の強制売春裁判の膨大な史料を訳出、解説して、「週刊金曜日」で公表しましたが、この資料公開が世界中に報道されたこと(少し例を挙げますと:→Japan Times, →BBC英文、→ BBC中文)がきっかけで、ここで初めて公表しますが、ドイツのマーブルグ大学の要請で、膨大な一次資料を同大学の歴史資料として提供し、かなりの部分がデジタル化されています。そこでは強制労働の資料文書の一部として活用され、今年になって学術研究が出始めています。

 今度の橋下名誉毀損事件ともなれば、必要に応じてもちろんこの史料も証拠として公判に提供します。 中には、東京裁判に英文で提出された証拠書類のオランダ語オリジナルも含まれています。成り行きによっては、この史料:公判記録・尋問調書・判決文などに出てくる、まだお元気なオランダ人犠牲者、あるいはその関係者も法廷証言をしてくださることも大いにあり得ます。

 これが、分厚いファイルの書類の写真です。橋下市長や、その仲間の歴史の嘘つきどもは、歴史資料の紙の鉄砲玉に当たれば、くたばってしまうくだらない輩たちなのです。
すでに多くの日本の裁判所も判決で強制連行の事実認定はしているにもかかわらず、いまだにそれを否定する橋下徹市長は、果たして弁護士の資格があるのでしょうか。判決文ぐらいは読むべきです。明治時代にはこの手を三百代言といいましたが、人権侵害を平然とするこの手の連中を表現する言葉は、これからできるでしょう。

 吉見義明教授を「性奴隷犠牲者名誉毀損事件」で断固として支持します。日本の名誉のためです。


 

 

 

 

 

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