順次追加して行きます。
日付と時間は全て中央欧州時間とします。日本時間より7時間遅れです。
なお、今回の選挙については、東京のドイツ大使館が日本語で公式に、→判りやすく解説していますので参考にしてください。これもシュタンツェル大使が日本語の達人ですので彼のおかげかもしれません。
読みにくいので、第5回 の22日18時10分の最初のドイツ公共第1テレビARDと第2テレビZDFの最初の集計予想から逆に前に書き入れます。
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第8回:23日01;00
日付が変わりましたが、連邦選挙管理長による→公式暫定最終得票率の発表までにはもう少し時間がかかりそうです。
現時点で確定していることは:
*メルケル首相のCDU- CSUが圧倒的な40%を越える得票率で勝利したことで、ほぼ間違いなく第3次メルケル政権が成立すること。だたし単独過半数にはわずかに届かない情勢であること。
*社会民主党は得票率はわずかに伸ばしたものの、25%ほどでその差が依然として大きいこと。
*緑の党は8%台にまで落ち込み、左派党と第3党の座を争う状態であること。
*自由民主党が史上初めて連邦衆議院から消滅し、新党のドイツの選択も5%に達せず、その結果、次期国会は4党体制となること。これだけでもドイツの戦後政治史のエポックとなること。
以上ですが、肝心の次期連立政権の組み合わせがどうなるかについては、明日以降にならないとわかりません。おそらく、明日から数日かかるでしょう。
というわけで、選挙速報版も一応これで終わります。続きは項を変えて書くことにします。
メルケル氏も自宅で就寝されたころですのでわたしも、そうします。
Gute Nacht!
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第7回:22日22:46
現在のところ、メルケル氏の単独過半数は確定していません。
党本部での圧倒的勝利宣言の写真です。その→動画はこちらでご覧ください。雰囲気がよくわかります。この時も彼女はおなじみの手つきをしています。
またこれまでの連立相手の自由民主党の惨状を現す写真がツイッターで流れています。
「馬は知るや知らずや、食われてしまうFDPの選挙ポスター」 とのコメントがついています。
いやはや、政治の世界は厳しいですね。
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第6回:22日20;25
メルケル首相の党が単独過半数の可能性
その後、票の集計と予想が進んでいますが、自由民主党がドイツの連邦政治から消えることはほぼ確定的です。ヘッセン州でも目下4.8%に停まっており、このままでは同党はわずかにザクセン州議会の議席だけが残ることになります。レスラー党首は先ほど、敗北宣言をしましたが、明日にも辞任するでしょう。
さて、メルケル首相のCDU- CSUはその後、得票率を安定させており42.5%あたりで固めています。さきほど首相は党本部で、「わが党は国民政党として圧倒的な強さとなった、今夜はお祝いをしましょう。これからのことは暫定最終結果が出るまで待ち、明日の党会議で協議しましょう」と余裕たっぷりの勝利宣言をしました。
この背景には、新党ドイツの選択が、ずっと4.9%の予想にとどまっており、5%に達する可能性も現実的にあることです。
ドイツメディアは、同党が議会進出を逃した場合は、メルケル首相の党が単独過半数の議席を獲得する可能性が強いことを指摘しています。そうなれば、これもドイツの戦後史で敗戦後の1957年、アデナウワー政権以来の初めての出来事で、明日の世界中のトップニュースになるでしょう。
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第5回:22日18:30
原発推進派の連立与党の自由民主党が議席を失う情勢
18時30分発表の最初の集計予想は次のとおりです:
ARD ZDF
18:10
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現与党
CDU.CSU
キリスト教民主社会同盟 42.0 42.3
FDP 自由民主党 4.7 4,5
現野党
SPD社会民主党 26.0 26.3
Grüne 緑の党 8.1 8.0
Linke 左派党 8.3 8.5
現議会外
Piraten 海賊党 ------ -----
AfD ドイツの選択 4.9
4.8
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そうなれば、メルケル首相は連立相手を変えなければならなくなり、どうなるかは、新党ドイツの選択が 5%を獲得して議席を得るかどうかを見極めるまで、連立の行方はわかりません。あと数時間、暫定開票結果がでるまで緊張した状態が続きます。
選択が議席を得ない場合は、大連立から赤赤緑の現野党3党連立まで視野に入り、大変な駆け引きが各党の内外で起こる情勢となります。
この総選挙はドイツの政治史でのひとつの転換点になることは間違いないといえるでしょう。(18;50)
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第1回 :21日午後
これは、ベルリン中央駅前の広場に建設中のビルに掲げられた巨大な選挙ポスターの夜景写真です。いかに大きいかはこの広場で先日から行われているオクトバーフェスト(ビール祭)のための仮設トイレ(下部のWC)と比べるとわかります。
与党CDU(キリスト教民主同盟)の党首、メルケル首相の特徴的な手ぶりをモザイクで示しただけのものです。わたしもドイツの総選挙は10回ほど体験していますが、これほど見事な選挙広告は初めてです。
メルケル氏が中央駅の対岸にある総理府で立ったままの記者会見をするときなどの、典型的な癖であるために、ドイツ市民はこれを観て、一目でメルケル氏であることがわかるのです。
さっそくヨーロッパ以外でのメディアもこれを取り上げ、「メルケルの菱形」だとか、「ハートゼスチャー」だとか、様々な論評を書いています。
わたしの感想としては、今回の選挙戦で同党は、対立候補に対する彼女の圧倒的な人気に依存して、争点を隠して選挙を有利に乗り切ろうとする戦術にでており、この広告は、その象徴であるということです。
先の世界的な金融危機と、最近ではユーロ危機に対して厳格な政策で対応し、ドイツの相対的な経済安定をもたらしているメルケル氏への有権者の信頼感には強いものがあるのです。ネットて出回っている写真集のように、まさに「しっかりしたお母さんのご機嫌が良い時の手ぶり」であり、ドイツの庶民は安心感をいだきます。
その心理に訴えて、争点を隠す選挙運動が、どれだけ成功するかが、結論は明日の夜(日本時間23日未明)には判明することになります。
同党が40%前後の得票率で第一党となり、第三期のメルケル政権ができることだけは確実であるとわたしも思いますが、はたしてこれまでのFDP(自由民主党)との連立が可能かどうかは、同党が5%の得票率に達して議席を獲得できるか否かにかかっており、また議席を確保しても他の野党諸党の得票率によっては、FDPとの連立で議席過半数を確保できない可能性もかなりあります。したがって、選挙の焦点は新政権の連立の行方だけとなっているのが現状です。現時点での各種世論調査は与野党の得票率が、それぞれ45%前後で拮抗しています。しかも有権者の30%が直前になって投票先を決断するとの調査もありますので、誰も予測できないというのが実情です。
これほど、ふたを開けてみないと判らない総選挙は、これまで1994年と2002年の2度あっただけであるといわれています。したがって政界とメディアの裏舞台の緊張感には非常なものがありますが、 一般の有権者は、前述のように争点がぼやけた選挙戦であるために、関心が低下しており、得票率が70%を切って史上最低になるのではないかと危惧されています。一昨日、ガウク大統領も棄権しないように呼びかけています。(21日16:44)
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第2回:21日夜
面白いのは、ミュンヘン大学が各種の今回の選挙結果の予想を総合的に統計学で分析して、その結果をほぼ毎日集計して公表していることです。
メディアでもほぼ知られていませんが、ここの→Polly Voteで観ることができます。
最新の昨日20日の結果は、ここでも現在の連立与党と野党の合計の得票率が、きっちり45%づつの互角になっています。 残りの10%はその他の政党です。
さてメルケル氏の与党の宣伝の紹介だけでは面白くないので、他の政党の選挙ポスターで、わたしの目についた面白いものを紹介しておきましょう。
さすが、マルクスの故郷だけあって、150年以上の伝統は死に絶えませんね。鉄道フアンだけでなくロシア人、とりわけトロツキストの郷愁を誘い、彼らの蒐集対象となるようなポスターですね。
古典的価値あり、感心しました。
これは緑の党のポスター。
この選挙では、緑の党はある意味で完璧な選挙戦術の失敗をしました。
従来の環境保護と、再生エネルギー社会実現を主要テーマとせず、経済格差に焦点を当てて、裕福層の増税政策を主に訴えたのです。そのため、選挙戦が始まってから、支持率が下がり続けており、今では10%前後のありさまです。
フクシマ事故の直後は、25%までになっていたのです。 わたしも、ひと月前には、黒緑連立政権の可能性もあると考えていたのですが、そのためこれもほぼ不可能となってしまいました。
このポスターは「ところで君はどう?」との標語のひとつですが、「わたしは別の見方をする」という文字をごていねいにも上下左右を逆転させた二重の鏡文字にしています。緑の党の失敗を非常によく現しているポスターです。
もうひとつ海賊党のポスター。
メルケルさんの首を監視カメラにすげ替えて、「二度と監視国家はごめんだ!」とあります。
海賊党は圧倒的に若者の、しかも階層を越えた支持を得て2011年のベルリンの州選挙では見事に議席を獲得しましたが、その後全国組織化がうまくいかず、今回の国政選挙でも2から3%と見られています。
しかしわたしは、この党の将来に期待しています。
(21日23;43)
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第3回:22日昼
全国の投票所は朝の8時に開場されており、午後6時に締められます。今日は全国的にかなり低気温ですが、悪天候でもないので投票率は悪く何のではないかと報道されています。
ミュンヘン大学の核世論調査などの昨日→21日付の得票率の推定平均値は以下のとおりです。
現与党
CDU.CSU
キリスト教民主社会同盟 39.0
FDP
自由民主党 5.9
現野党
SPD社会民主党 26.2
Grüne
緑の党
10.3
Linke
左派党 8.4
現議会外
Piraten
海賊党
2.7
AfD
ドイツの選択 3.8
Sonstige
その他
3.6
これによれば、現連立与党と現野党が、ともに44.9%で完全に拮抗のままです。
さて、午後6時に各テレビ放送が一斉に、窓口調査などで得票率を発表し始めますが、はたしてどうなるか、緊張した静けさがドイツをおおっています。
静かでないのは、土曜日から始まっているミュンヘンのオクトーバーフェストです。ここでは朝からビールをやたらに1リットルのジョッキでやるので、飲む前にみなさん、ちゃんと投票しています。まるで芝居の舞台のような光景ですが、現実です。
ベルリンではガウク大統領が、朝9時30分に大統領公邸の近くのケストナー小学校で投票を済ませました。
多勢の有権者が投票しているので、大変良いことだと喜びの声をラジオが中継していました。→その様子の動画はこちら。大統領でなくひとりの市民として投票できるのはよい気持ちだと述べています。東ドイツ出身として1990年に初めて自由な選挙に参加できたことを思い出すとのことです。
(22日12:42)
第4回:22日午後
この総選挙と同時に、二つの大切な選挙がヘッセン州とハンブルグで同時に行われています。
ヘッセンは同日の州議会選挙です。ここでは長年の保守中道、CDU・FDPの黒黄の連立政権が維持できるか、SPDと緑の党の赤緑連立が政権を奪回するのかが、連邦選挙と同様の激しさで行われています。この州の両陣営の対立は、近年凄まじいものがあり、ここも予断が許されない情勢です。ここで政権交替となると、連邦参議院での赤緑の勢力が、圧倒的となり、メルケル次期政権にとっては、両院のねじれの重圧がさらに大きくなります。
ハンブルグ は議会選挙ではなく、市の送電線やガス管などのネットを、市営化すべきか否かでの住民投票が、国政選挙と同時に行われます。ここでも90年代後半にかけて、電力やガスが公営から民営化されましたが、現在再生エネルギーの躍進と、エネルギー供給の分散化が全国で進められており、ここでも市民が住民投票に持ち込みました。ひとつの年のこととはいえ、州のステータスを持つハンブルグの動向は、全国的な影響がありますので、注目されています。(22日16:01)
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