2018年3月14日水曜日

341:「安倍政権はコンポストで肥料にすべき腐ったSushiである」ドイツでも森友公文書改竄の報道始まる

 ドイツでようやく新連立政権が成立します

 昨日、週明けの3月12日に、ようやく難航したドイツの新政権の連立協定が、3党の党首によって署名されました。国会での署名式に先立って新政権の党首たちがベルリンの連邦記者会議で長い記者会見を行いました。世界中の記者たち数百人が押し寄せて、質問も多いので答える方も大変です。

左からゼーホファー、メルケル、ショルツ各党首
  何しろこの政権成立は昨年の9月24日の総選挙以来、ドイツの戦後史では前代未聞の半年近い時間のかかった難産でしたので、さすがのメルケルさんもホッとしたのか、近くで見るとこの日は疲労が隠せない様子でした。

 ここに至る途中経過については、『世界』2018年2月号への梶村の寄稿「ドイツは社会の亀裂をいかに継ぎ留めるのか」を参考にしてください。(うっかり2016年の寄稿と間違えていましたのでお詫びして訂正します。)

ドイツ戦後史では第4度目になる大連立政権は明日の14日、連邦議会でメルケル氏の首相指名投票が行われ、写真のゼーホッファーキリスト教社会同盟党首は内務相、ショルツ社会民主党(来月の党大会までは暫定)党首は副首相、財務相となります。

 次期政権では、この性格も考えもかなり違う両脇の党首の二人の間のバランスをとりながら政権運営をするメルケル首相の苦労を予測させる会見ではありましたが、わたしもとりあえず、これで安定政権が実現しそうなのでやれやれと思ったものです。
 
 とはいえ、ここでは詳しく紹介できませんが、新メルケル政権の閣僚は大幅に入れ替わって、年齢はこれまでに比べて非常に若返り、しかもここの来てようやく女性がほぼ半数(16人中7人)を占めるものとなります。その面ではとても新鮮な政権となることは間違いありません。この面でも国際的な注目を浴びるでしょう。この日メルケル氏も「これで閣議の雰囲気もかなり変わったものになるでしょう」と述べていました。

 森友問題での公文書改竄スキャンダルの報道始まる

 ところがこの日、日本では国会の野党議員へ森友問題での資料原本が財務省から野党議員へ提出されましたので 、その場面の中継の動画も帰宅してからじっくり見ましたが、こちらの方は、悲惨な思いがつのるだけでした。
戦後日本の貴重な民主主義の原則が安倍政権下で無残に踏みにじられている事態にには、全く耐えられない気持ちがします。

 一夜明け、本日13日のドイツの新聞は、もちろん新政権成立の記事でいっぱいなのですが、ついに主要紙も政治面で、安倍政権のスキャンダルを東京から報じ始めました。
 
 主なものを紹介しますと、『南ドイツ新聞』は12日夜の首相官邸までの抗議行動の写真を大きく掲載して、「疑惑の中の安倍」という見出しに「日本の首相は、右翼国家主義の私立学校が、疑われるほど安価に土地を取得する際に便宜を図ったとされている。ついに財務省が、なんと書類を改竄したことを認めなければならなくなった」との小見出しで、これまでの経過を詳しく説明。安倍夫人の関与や安倍首相も属する国家主義ロビー「Nippon Kaigi」に関する叙述や多くの氏名が、証拠書類から消され改竄されていることを紹介し、麻生財務相や安倍首相の退陣の声も起こっているとしています。

 それにしても、これでは日本会議・Nippon Kaigiも日本特有の極右団体として、「Sushi」同様に、国際用語 になりかねませんね。

Süddeutsche 13.März 2018 S,7
もう一つは、「フランクフルターアルゲマイネ」紙ですが、「安倍のテフロン加工がひび割れか?」との見出しで、森友問題の経過説明だけではなく、これまでも公文書を「隠したり、偽造したことがある」として、稲田防衛相の退陣などの例を挙げ、「安倍首相は、比較的長期政権の中で数々の不祥事をテフロン加工のようにはじき返してきたが、ついにここにきて、それにひびが入りそうだ。そうなれば次期政権を狙った党内の競争が始まるだろう」と突き放した予測をしています。
Frankfurter Allgemeine 13.März 2018 S.6
 
 腐った安倍政権を有機コンポスに捨てて民主主義育成の肥料にしましょう

 ドイツでの以上の報道にも顕著ですが、安倍・麻生政権もついに持たないであろうととの見方が、国際世論では一挙に広がっています。ここにきて、とっくに賞味期限を過ぎたSushiと同様に扱われることだけは間違いありません。
 
 民主主義国家では公文書をこれほど組織的に大規模に改竄することなどありえないことで、腐臭ふんぷんの鼻つまみものであると受け止められています。なんということでしょう。

 これらの報道でも財務省の職員が追い詰められて自殺されてしまったことも伝えられていますが、ここでわたしが思い出すのは第一次安倍政権の末期の松岡農水相の政治資金疑惑による自死です。
 
 当時、世界中で日本の寿司はブームとなりSushi という言葉が国際的に定着していました。ところがやたらに広がるこの寿司文化が、日本の本来の寿司とは似ても似つかないものになり(一例を挙げれば、なんと握り寿司の冷凍食品まであるのです。今もドイツのスパーでは解凍されたそれが売れ筋です)、「これではいけない」と考える農水省と松岡大臣は「寿司の国際基準を作るべき」との政策を主張しました。そのため欧米のメディアでは「日本は国際寿司警察になりそうだ」と警戒され騒がれたものです。
 
 しかし彼は、日本の良き伝統文化を国際的にも彼なりに守ろうとしたようです。彼の遺書には「安倍内閣万歳」との言葉があったとのことです。この安倍内閣に最期まで忠実な人物の自死が、第一次安倍内閣の挫折の一因となったことは知られています。

 今回の財務省の職員の方の自死とは全く経過も内実も異なりますが、今回の場合は原因が安倍晋三首相と夫人の言動に直結していることはまず間違いないため、理不尽さにおいては全く比較にならないほど安倍夫妻の責任は重大です。この一人の役人を追い詰めた責任を取れないような人物の政権とは何でしょうか。すっかり腐敗し切っています。

 ここまでくれば、政権にしがみつけばしがみつくほど日本の国益を損じますので、一刻も早い退陣をすべきです。
 
 まともではない米トランプ政権の登場で、見通しがこれまでになく厳しさを増す世界情勢に対応するためには、腐った政権を有機コンポストに捨てて民主主義育成の肥料としましょう。その上で日本の政権の再建を実現し、新鮮なSushi政権を提供すべきです。
そうすれば、日本の誇るべき食文化・Sushiの伝統も守る端緒にもなるでしょう。

 まさか安倍政権は、「それでは日本をくされ寿司として売りだそう」とまではしないでしょうね。 これもありえないことではありません。何しろフクシマ事故があっても原発を輸出する政権ですからね。

0 件のコメント:

コメントを投稿