Berlin 10.Mai 2013。 この写真が何であるかはこの連載で説明します。写真;T.Kajimura |
Der Spiegel :AFP |
電子版での主なものだけでも、このような写真とともに、→シュピーゲル誌、→ディ・ツァイト紙、→オーストリア公共放送(同放送の→動画はこちら)などに見られます。
幸いなことに、官義偉房長官もこの事件に関して先週2月21日の記者会見で、「わが国としては受けいられるべきものではなく、極めて遺憾であり恥ずべきことだ」と明快な見解を述べており、警視庁も捜査を始めたようです。
誰が、そして何故このような行為に及んだかは、現時点では不明です。推定もすることもできません。だが、背景がどのようなものであるにしろ、公共図書館でのこのような陰湿な犯罪は、わたしにとっては現在の日本社会の恐ろしい病の反映であるとしか思えません。
この事件と平行して、先日も→ドイツでの例をお伝えしたように、NHKの会長と経営委員の発言問題が、世界中で深刻な危機感を持って伝えられています。
おそらく日本を良く知る人々には、この無惨に破られた図書館の書籍の姿が、同様な公共財メディアとしてのNHKが直面している危機と二重写しとなって受け止められていることでしょう。NHKから籾井会長らが排除されない限り、公共財として無惨な損害を受けることになるからです。
どちらの問題も民主主義社会のの礎である言論の自由を貶めようとする挑戦です。この意味でこのふたつの問題は底通しています。このことに菅官房長官が気づいておれば、彼は記者会見で明快な意見を表明できなかったでしょう。
ところで、この犯罪は刑法では単なる器物破損でしかありませんが、本質は人間の「記憶に対する暴力」であり、また「知性へのテロ行為」なのです。
そこで、この事件で標的になったのがアンネ・フランクとホロコーストであることから、 以下、どのような記憶に対する暴力であるのか、そしてそれがなぜ知性へのテロであるのかについて、数回に分けてできるだけ詳しく述べましょう。
上記のドイツでの報道でも、アンネ・フランクは日本では特別な敬意をもたれているとされていますが、彼女の日記の記述を越えて、彼女らの運命がどれほど過酷であったかは日本では、あまり知られていないので、次回はそれについて史実を述べることにします。
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